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【大引け概況】


20日の日経平均株価は続落し、前日比171円26銭(0.54%)安の3万1259円36銭で終えた。下げ幅は300円を超える場面もあった。

 
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前日の米株式市場では、NYダウは250ドル安と続落した。米長期金利上昇が嫌気されたほか、中東情勢の緊迫化による原油高が警戒された。これを受け、日経平均株価は売り先行でスタートし、一時下げ幅は300円を超した。ただ、前日も600円超の下落を記録していたこともあり、下値には買いが流入。一時前日比でプラス圏ぎりぎりまで値を戻したが、その後は再び値を下げた。イスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザへの地上侵攻が近いとの見方も浮上するなか、上値は重い展開が続いた。
 
パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の金融引き締めに積極的な「タカ派」発言をきっかけとした米株安を受けて朝方は成長(グロース)株に売りが目立った。19日夕の米債券市場で長期金利が一時5%台まで上昇したこともCTA(商品投資顧問)などの機械的な売りにつながったもようだ。中東情勢の一段の悪化への警戒が根強いなか、週末の持ち高調整の売りも出やすかった。
 
20日午前には日経平均のオプション価格から算出する日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)が年初来高値を一時上回った。金融資産の変動率に着目して売買するリスク・パリティー戦略を採用する機関投資家の売りが出たとの声が聞かれた。
 
ただ、売り一巡後は前日終値(3万1430円)近辺まで下げ渋る場面もあった。来週から本格化する主力企業の2023年4〜9月期決算で業績見通しの上方修正が相次ぐとの観測から下値では押し目買いが入った。
 
来週は23日のニデックを皮切りに主要企業の2023年9月中間決算発表が始まる。今年度後半に向けた需要回復への期待感があるだけに、決算内容を確認したいところだ。また、中東情勢の行方も気掛かりとなっている。「ガザ地区でイスラエルによる地上戦が近い」などと報じられているだけに、紛争が激化するのかどうかを見定める必要もありそうだ。また、米国の金融政策の行方も見極めたいと考える投資家も多く、不透明要因が多い。このため、目先的には個別に材料のある銘柄を中心にした選別色が一段と強まりそうだ。
 

 
東証株価指数(TOPIX)は続落し、8.51ポイント(0.38%)安の2255.65で終えた。JPXプライム150指数は3日続落し、終値は2.35ポイント(0.24%)安の984.64だった。
 
東証プライムの売買代金は概算で3兆2818億円。売買高は12億5762万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は944と、全体の6割弱だった。値上がりは659、横ばいは56銘柄だった。
 
業種別株価指数(33業種)では、保険業、輸送用機器、証券・商品先物業の下落が目立った。上昇は医薬品、鉱業など。
 
個別銘柄では、太陽誘電の下げが目立った。リコー、キヤノン、セブン&アイも下げた。レーザーテックやディスコ、東京エレクトロンといった半導体関連株が安く、ソフトバンクグループやファーストリテイリングも値を下げた。三菱UFJフィナンシャル・グループや三井住友フィナンシャルグループが軟調で、ソニーグループやキーエンス、ホンダが下落した。
 
半面、INPEXや三菱重工業、三井物産が高く、川崎汽船や日本郵船、商船三井など海運株がしっかり。オリエンタルランドやコマツが値を上げた。米メルクとがん治療薬の開発・販売で提携を発表した第一三共が大幅高となった。