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【大引け概況】


27日の日経平均株価は4日続伸し、前日比375円39銭(1.13%)高の3万3681円24銭と7月3日以来の高値で終えた。

 
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きょうはリスク選好の地合いが鮮明となった。12月の権利付き最終売買日にあたり損益通算目的の駆け込み売りも想定されたが、新年の株高を見込んだ買いの勢いが勝った。前日の米国株市場はクリスマス明けで方向感が出にくかったもののNYダウ、ナスダック総合株価指数ともに上昇し、これを受けて東京市場でも買い安心感が広がった。半導体関連など日経平均寄与度の高いハイテク系値がさ株に買いが集まり、全体指数を押し上げた。取引時間中は7月3日につけた年初来高値3万3753円を上回って推移する場面もあったが、その後は伸び悩む形になった。
 
年末ラリーで米国株の上昇が続いているうえ、日銀は大規模金融緩和を継続するとの観測から幅広い銘柄に買いが入った。米通信大手TモバイルUS株を無償取得すると発表したソフトバンクグループ(SBG)が大幅高となり、指数を押し上げた。
 
フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は過去最高値を更新した。東京株式市場でも半導体関連株を中心に電気機器、精密機器など値がさのハイテク株が買われた。海運株や、原油高を受けた石油株の上昇も目立った。
 
日銀が取引開始前に発表した12月の金融政策決定会合の「主な意見」で、委員らの利上げに慎重な意見が目立った。市場では早ければ来年1月にもマイナス金利解除に動くとの予想もあったが、日銀の慎重姿勢で政策正常化が遅れるとの見方が強まった。
 
日経平均が7月に付けた高値が近づくと買いの勢いは弱まり、伸び悩む場面もあった。高値更新は明日以降に持ち越された形だが、市場の先高感は根強い。ピクテ・ジャパンの糸島孝俊ストラテジストは「円高警戒の後退に加え、米国のインフレや金利上昇懸念が薄れている。2024年に始まる新たな少額投資非課税制度(NISA)への期待感も追い風」とみていた。
 
日経平均は大幅に続伸し、掉尾の一振への期待感が再び盛り上がりつつある。残り2日で、日経平均が終値でバブル後の戻り高値を更新してくれば、新春相場に期待が持てるとの声もあり、戻り高値更新をきっかけに一段と先高感が高まってくる可能性がある。ただ、懸念材料は米景気の動向だ。足元でインフレ沈静化を示す経済指標が相次いでいるが、米景気がソフトランディング(軟着陸)するのか、リセッション(景気後退)入りするのかで、見方は大きく変わるだけに警戒が必要との見方もあるだろう。
 
 
 
東証株価指数(TOPIX)は4日続伸した。終値は26.54ポイント(1.13%)高の2365.40だった。JPXプライム150指数も4日続伸し、11.78ポイント(1.12%)高の1064.03で終えた。
 
東証プライムの売買代金は概算で3兆5187億円、売買高は13億8435万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1492と全体の約9割を占めた。値下がりは132、横ばいは35だった。
 
業種別株価指数は33業種すべて上昇し、海運業、石油・石炭製品、鉄鋼、電気・ガス業、鉱業が上昇率上位になった。
 
個別では、4000億円を超える断トツの売買代金をこなしたレーザーテックが高く、東京エレクトロン、ソシオネクスト、アドバンテストなど半導体関連株が物色人気に沸いた。ソフトバンクグループが大きく上値を伸ばしたほか、商船三井、川崎汽船、日本郵船など海運株も人気。任天堂、三菱重工業も買われた。テルモ、トヨタも買われた。ブイ・テクノロジーが急騰、イーレックス、アトラエも大幅高。サイボウズの上げも目立つ。
 
半面、JT、第一三共が冴えず、トレンドマイクロも売りに押された。霞ヶ関キャピタルが下落、J.フロント リテイリングも下値を探る展開に。象印マホービン、中国塗料が軟調、マクニカホールディングスも利益確定売りが優勢だった。