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【大引け概況】

8日の日経平均株価は大幅に3日続落し、前日比430円46銭安の2万4790円95銭で終えた。連日で昨年来安値を更新。心理的な節目の2万5000円も下回り、2020年11月以来1年4カ月ぶりの安値を付けた。
 
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朝方は、売りが先行した。原油高騰による世界景気の悪化懸念が続き、7日の欧米株式が続落した流れを受け、いったん2万4900円割れ水準に下落した。その後、時間外取引のNY原油先物が値を下げたことで日経平均は上げに転じる場面もあったが、買いは続かず再度軟化。時間外でNY原油先物が再上昇するとともに米株価指数先物が安くなり、下げ幅を拡大して大引け間際に2万4767円33銭(前日比454円08銭安)まで下押した。
 
原油関連銘柄など市況の強さを背景に最近上昇していた銘柄にも利益確定売りが出て下げ幅を広げた。ウクライナとロシアの停戦交渉は7日に開いた3回目も進展がみられなかった。10日に予定するトルコ、ロシア、ウクライナの外相会談についても期待薄との見方が強まっている。
 
日経平均は午前に上昇に転じる場面もあった。日本時間8日午前のニューヨーク市場で原油先物相場の上昇が一服したためだが、年金基金など長期の投資家による値ごろ感からの買いや、短期筋のショートカバー(売り方の買い戻し)が一巡した午後には再び売りに押された。
 
市場からは「後場から下げ足が強まった。時間外の米原油先物高、米株先物安をにらみ、短期筋が先物主導で売っている。日経平均2万5000円割れで、次の下値メドとして2万4500円がサポートになるかが問われる」との声が聞かれた。
 
東証株価指数(TOPIX)は3日続落し、前日比34.17ポイント(1.90%)安の1759.86と、昨年1月に付けた安値を下回り昨年来安値を更新した。JPX日経インデックス400は大幅に3日続落した。
 
東証1部の売買代金は概算で4兆768億円と、21年11月30日以来の高水準だった。売買高は18億7340万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1788と、全体の約8割を占めた。値上がりは346銘柄、変わらずは46銘柄だった。
 
業種別株価指数は33業種すべてが下落し、石油・石炭製品、鉄鋼、海運業、鉱業、非鉄金属の下落率が大きかった。

個別では、郵船、商船三井、ソフトバンクG、三井住友、川崎船が大幅に下落。海運などの市況関連株は原油価格の下落局面で利益確定売りが広がった。INPEX、出光興産、ENEOSが下落した。日本製鉄やJFE、三菱マ、大平金も下げが目立った。ただ、同時に値がさグロース(成長)株が買われる場面もあり、レーザーテックや東エレクは相対的に小幅な下落にとどまった。日野自はエンジン認証不正を嫌気した売りが継続。また、OATアグリオなどが東証1部下落率上位に顔を出した。
 
一方、キーエンスやソニーGはやや伸び悩んだもののプラスで引け。サイバーやエムスリーが上昇。シャープやAGC、ダイキンも高い。NRIは前日に開催した豪州事業に関する説明会の内容が好感されたようだ。また、ホクシンは木材価格の上昇から思惑買いが入ったとみられ、アジア投資などとともに東証1部上昇率上位に顔を出した。
 
 
東証2部株価指数は前日比124.15ポイント安の6817.38ポイントと3日続落した。
出来高1億1323万株。値上がり銘柄数は77、値下がり銘柄数は352となった。
 
個別ではJESCOホールディングス、弘電社、クシム、プレミアムウォーターホールディングス、パレモ・ホールディングスなど68銘柄が昨年来安値を更新。東邦金属、伊勢化学工業、内海造船、技研ホールディングス、玉井商船が売られた。
 
一方、ソケッツ、東京ラヂエーター製造がストップ高。京福電気鉄道は昨年来高値を更新。ぷらっとホーム、図研エルミック、ユーピーアール、日本食品化工、セブン工業が買われた。