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【大引け概況】


22日の日経平均株価は3日ぶりに反落し、前日比310円26銭(0.92%)安の3万3264円88銭で終えた。
 
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21日のNYダウ平均は102.35ドル安と3日続落。パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長が下院での議会証言で年内の追加利上げの必要性を再表明したことが嫌気された。前日の米ハイテク株安を背景に、値がさの半導体関連株に利益確定売りが出て指数を押し下げた。
すぐにプラス圏に浮上した後、再びマイナス圏に沈んで下げ幅を3桁に広げるも、急速に戻して前引けでは小幅ながらプラスを確保した。
しかし、後場は半導体株が一段安となった上に、ANYCOLORやABEJAなど、直近で人気となっていたグロース系の銘柄が崩れたことから、指数は下方向に勢いがついた。値下がりに転じる銘柄も増えて、終盤にかけては下げ幅を300円超に拡大した。
 
半導体関連ではアドテストと東エレクが大幅安となり、2銘柄で日経平均を188円押し下げた。ソフトバンクグループ(SBG)やファストリなどの値がさ株も下げた。
 
半導体関連株はこのところの日本株上昇をけん引してきた。市場では「6月末にかけては年金基金のリバランス(資産の再配分)に伴う売りが出て、7月上旬には日本株の上場投資信託(ETF)の分配金捻出に伴う売り圧力がかかる。半導体株はこれまで堅調だった分、利益確定売りの対象となりやすい」(国内証券)との声があった。
 
日経平均は朝方には上昇する場面もあった。日本株の根強い先高観から、下落局面では押し目買いが入った。米著名投資家のウォーレン・バフェット氏による商社株投資が引き続き好感され、伊藤忠や三菱商、三井物、住友商、丸紅の5大商社株はそろって上場来高値を更新した。
 
市場では「日経平均株価はPERで15倍台に上昇しているが、期待が先行していただけに、先行きの業績が見通すことができるまで、上値の重い展開となりそう」との慎重な見方があった。
 
東証株価指数(TOPIX)は小幅続伸し、終値は前日比1.49ポイント(0.06%)高の2296.50だった。商社株や銀行株が買われ、指数を支えた。
 

 


東証プライムの売買代金は概算で4兆940億円。売買高は14億5273万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は970と、全体の5割強を占めた。値上がりは800銘柄、横ばいは63銘柄だった。
 
個別では、レーザーテック、アドバンテスト、東エレク、ルネサス、ディスコ、スクリンの半導体株が軒並み大幅安、ソシオネクストはレーティング格下げもありストップ安まで売られた。ソフトバンクG、ソニーG、キーエンス、SMC、ファナック、エムスリーの値がさ株や、ニデック、TDK、村田製、イビデンなどハイテクも全般下落した。ネットプロHD、ANYCOLORなどグロース株の一角も大きく売られた。
 
一方、景気敏感株が全般買い優勢で、三菱UFJ、みずほFGの銀行、東京海上HD、SOMPOの保険、オリックス、三菱HCキャピタルの金融、三菱商事、丸紅、伊藤忠の商社、INPEX、石油資源開発の鉱業、三菱マテリアル、DOWAの非鉄金属などが高い。高浜原発の再稼働時期が決定したと発表した関西電力、目標株価が引き上げられた三井ハイテックは上昇。業績予想を上方修正したテスHD、自社株買いを発表したインフォマートは急伸。米ブラックロックなどが暗号資産(仮想通貨)のビットコイン現物投資型の上場投資信託(ETF)を米国で上場申請するとの報道を契機に足元でビットコイン価格が上昇していることを手掛かりにマネックスG、セレスなどが大幅高となった。