動画再生
【大引け概況】
2日の日経平均株価は反落し、前日比182円25銭安の2万7753円37銭で終えた。
 
本日のマーケット動画
時間:00:01:03 容量:13.52M

過去のマーケット動画はこちら
 
 10月7日(2万7678円21銭)以来およそ2カ月ぶりの安値となった。新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」の感染拡大への警戒感が強く、リスク回避目的の売りが優勢となった。日経平均は300円近く下げる場面があった。
 
昨日の米国市場は米国で初のオミクロン株感染確認を受けダウ平均は大幅続落した。株価水準はおよそ2カ月ぶりの安値。前日に600ドルを超える下げを示現したため前半は500ドル高と大きくリバウンドしたが、米国でオミクロン株が見つかったことで後半相場は一気に再反落した。米国で水際対策が強化されることで経済への影響を懸念する売りが増えている。恐怖指数とされるVIXは1月以来の30超えで急速に不安が高まっている様子がうかがえる。
 
米国でオミクロン型の感染者が初めて確認され、前日の米株式相場は大幅に下落した。この流れを引き継ぎ、東京株式市場も売りが先行した。経済活動の再開が滞りかねないとの見方から、空運株や鉄道株、百貨店株などが下落した。
 
もっとも、日経平均の下値は堅かった。株価の水準が下がったため、割安感が出てきたとの判断から主力銘柄の一角に押し目買いが入った。日本時間2日の米株価指数先物の堅調な動きも投資家心理を支えた。
 
市場では「騰落レシオが売られすぎとされる水準にまで低下するなど、下げ一巡感を思わせる指標もみられるなか、反転へのキッカケ待ちの状況にあるとみられる」との声が聞かれた。
 
 
東証株価指数(TOPIX)は反落し、10.37ポイント安の1926.37で終えた。8月23日(1915.14)以来の安値水準だった。JPX日経インデックス400も反落した。
 
東証1部の売買代金は概算で3兆1477億円。売買高は13億4849万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1431、値上がりは667、変わらずは86だった。
 

業種別株価指数(全33業種)では鉱業、空運業、精密機器の下落が目立った。上昇は海運業、電気・ガス業、ゴム製品など。
 
個別では、米国での金融引き締めや米中摩擦への懸念からソフトバンクGが5%超の下落で年初来安値を更新した。東エレク、レーザーテック、ソニーG、村田製、HOYA、マネックスG、太陽誘電、アドバンテスト、エムスリーなどのハイテク株やグロース株の下げが目立った。また、国土交通省による国際線の新規予約停止要請が伝わったことでJAL、エイチ・アイ・エス、エアトリなどの旅行関連から、JR東日本やJR東海などの陸運株が大きく売られた。決算が懸念払しょくに繋がらなかった伊藤園、前日開催の経営方針説明会が物足りないとされた三菱ケミHDは急落。
 
一方、外資証券による目標株価の大幅引き上げを受け、郵船、商船三井、川崎汽船の海運株の上げが目立った。三菱UFJ、三井住友、東京海上HDなど金融株が上昇し、任天堂、リクルートHD、キーエンス、ダイキン、ファストリなども買われた。資生堂、花王、7&I-HD、アステラス製薬、中外製薬などのディフェンシブ銘柄も上昇したものが散見された。大規模な自社株買いを発表したアドウェイズが急伸し、商品価格の改定実施を発表した日本ハム、証券会社の投資判断格上げや目標株価引き上げが材料視された東京ガス、カシオ、日本ケミコンなどが大きく上昇した。
 
東証2部株価指数は前日比80.03ポイント安の7276.49ポイントと7日続落した。
値上がり銘柄数は117、値下がり銘柄数は286となった。
 
個別では、マーチャント・バンカーズがストップ安。技研ホールディングス、三井金属エンジニアリング、大盛工業、クシム、日本ケアサプライなど55銘柄は年初来安値を更新。ナガホリ、神島化学工業、カクヤスグループ、SIGグループ、ヴィスが売られた。
 
 一方、西部電機、ヨネックス、ビーイングホールディングスが年初来高値を更新。玉井商船、AMGホールディングス、FRACTALE、兵機海運、高砂鐵工が買われた。