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【大引け概況】


31日の日経平均株価は3日続伸した。終値は前日比220円85銭(0.61%)高の3万6286円71銭で、この日の高値圏で終えた。
 
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前日の米国市場では、主要ハイテク企業の決算発表前に利益確定売りが先行し、ナスダック指数やSOX指数は下落した。また、取引終了後に決算を発表したグーグルの親会社アルファベットや半導体大手アドバンスト・マイクロ・デバイセズが時間外取引で急落したことも響き、値がさハイテク株中心に売り先行で始まり、日経平均の下げ幅は一時350円を超えた。
 
午前の取引では心理的節目の3万6000円を下回る水準で推移していたため、押し目買いを入れる動きが広がった。決算シーズンを迎え、コマツなど業績の堅調さが確認できた銘柄が買われたほか、日銀による早期の金融正常化の思惑で三菱UFJなど銀行株が午後に上げ幅を広げたことも相場を押し上げた。東証株価指数(TOPIX)は1990年2月以来、33年11カ月ぶりの高値を付けた。
 
市場予想を上回る四半期決算を発表した銘柄に物色の矛先が向かい、日経平均は大引けにかけて上げ幅を広げた。自社株買いの発表で株主還元を強化する姿勢を示したキヤノンが一時7%高となるなど、好決算銘柄を物色する動きは活発だった。
市場関係者は、「3万6000円を割り込んだ水準では個人を含めた国内投資家の押し目買い意欲が強かった」と指摘した。トヨタなど時価総額の大きい主力株が午後に上げ幅を広げ、中長期の海外投資家による資金流入も観測された。
 
日銀が31日公表した22〜23日の金融政策決定会合の「主な意見」で金融政策の正常化が近いとの見方が改めて強まった。国内金利が上昇基調を強めるとの見方から、金利上昇が収益拡大につながりやすい銀行株が買われた。
 
 
投資家の関心はFOMCの結果と、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の会見内容に移っている。その上で、声明文から利上げバイアスが取り除かれるのか、パウエル議長の会見で利下げ開始時期についてどこまで踏み込んだ発言があるのか、米景気がソフトランディングに向かう自信をさらに深めているのかなどが焦点となろう。また、国内主要企業の決算発表も本格化しており、業績動向を確認したいと考える投資家も多い。目先は決算を受けた選別色の強い展開が続くことになりそうだ。

 
 
TOPIXは反発した。終値は24.17ポイント(0.96%)高の2551.10と1990年2月以来、33年11カ月ぶりの高値を付けた。JPXプライム150指数は3日続伸し、8.92ポイント(0.79%)高の1141.60で終えた。
 
東証プライムの売買代金は概算で4兆5332億円、売買高は17億1296万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1225。値下がりは399、横ばいは34だった。
 
日経平均の月間上昇率は8.43%と、2023年11月(8.51%)以来2カ月ぶりの大きさだった。TOPIXの月間上昇率は7.80%で、20年11月(11.11%)以来3年2カ月ぶりの大きさとなった。
 
 
業種別株価指数(33業種)は銀行業、電気・ガス業、不動産業などが上昇。下落は鉱業、石油・石炭製品など。
 
個別では、決算を受けてコマツ、キヤノンが買われたほか、コマツの上昇が刺激材料となり、先週末に決算発表した日立建機も買われた。ファストリやTDK、ホンダ、ソニーG、信越化も買われた。また、10年債利回りが今年最高水準の0.75%まで上昇したことから、りそなHD、三菱UFJのほか、ふくおかフィナンシャルグループ、千葉銀行など地銀株も上昇した。他では、24年3月期第3四半期最終損益が黒字転換したことで、第一工業製薬がストップ高となった。
 
一方、24年3月期業績予想の下方修正と期末配当予想の減額が嫌気されてアルプスアルパインが急落。また、太陽誘電、横河電機、ファナック、キーエンス、東エレクやアドテストも下落した。ソフトバンクグループ(SBG)やダイキンも売られた。他では、24年12月期業績が連続減益見通しとなったことでVコマースが大幅反落となったほか、アンリツも通信計測の受注減少を要因とした通期業績下方修正が嫌気されて売られた。