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【大引け概況】
14日の日経平均株価は反落し、前日比130円62銭安の2万9620円99銭で終えた。
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きょうの東京株式市場は、日経平均が朝方軟調気味にスタートした後、急速に水準を切り下げる展開。前日の欧州株市場は総じて堅調で独DAXが最高値を更新、米国株市場でもS&P500指数が最高値を更新した。
 
しかし、東京株式市場はこの流れを引き継げなかった。2万9000円台半ばでは押し目買いが入るものの、戻りも鈍い展開となり後場終盤は手仕舞い売りで下げ幅を広げた。大阪府などで新型コロナウイルス感染者数の拡大が再加速していることなどが市場心理を冷やしている。ワクチン普及の遅れなども警戒され、押し目に買い向かう動きも限定的だった。米長期金利の急低下を背景に為替市場でドル売りの動きが強まり、1ドル=108円台後半まで円高が進んだことも嫌気された。
 
日経平均が心理的な節目の3万円に接近していたこともあり、朝方から幅広い銘柄に利益確定売りが出た。米当局は13日に米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)製コロナワクチンの使用について、血栓症を理由に一時中止を勧告。J&Jは欧州での配布を遅らせる方針を明らかにした。
 
日本国内では大阪府の新規感染者が13日に初めて1000人を超えた。変異株を含め全国で感染が再拡大しており、専門家からは「第4波を迎えている」との指摘が聞かれる。経済正常化が遠いとの見方から投資家は運用リスクを避ける姿勢を強めた。
 
もっとも相場の下げは限られた。米ナスダック総合株価指数が前日に1%超上昇しており、東京市場でも値がさのハイテク株に買いが入り相場を下支えした。
 
JPX日経インデックス400は反落。終値は前日比61.13ポイント安の1万7572.44だった。東証株価指数(TOPIX)も反落し、6.37ポイント安の1952.18で終えた。
 
東証1部の売買代金は概算で2兆2534億円。売買高は10億3628万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1376と、全体の約6割を占めた。値上がりは739銘柄、変わらずは76銘柄だった。
 
業種別株価指数(33業種)では海運業、繊維製品、非鉄金属の下落が目立った。一方、鉄鋼、精密機器、ゴム製品などが上昇した。
 
個別では、ファーストリテイリングが下落したほか、日本電産も軟調。日立製作所ファナックなども売りに押された。グレイステクノロジーが値下がり率トップに売り込まれ、J.フロント リテイリングも大幅安となった。エスプール、北の達人コーポレーションなども大きく下げた。東電HD、郵船、大塚ホールディングスも安い。
 
半面、東芝が売買代金トップで大幅高、任天堂も買いが優勢だった。レーザーテック、東京エレクトロンなど半導体製造装置関連が買われたほか、楽天グループも上昇した。富士フイルムホールディングス、エプソンが高く、日本製鉄も堅調。日本電子はストップ高に買われ、フィル・カンパニー、前澤工業も値を飛ばした。