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【大引け概況】

8日の日経平均株価は小幅ながら4日続伸し、前日比61円55銭高の2万3391円87銭で終えた。4日連続で年初来高値を更新し、2018年10月10日以来およそ1年1カ月ぶりの水準を回復した。
 
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前日に中国商務省の報道官が、米中両国で制裁関税の段階的な撤回で一致したと会見で述べたことが協議進展への期待を高めた。投資家心理が上向く中、東京株式市場も上昇してスタート。日経平均は朝方に一時上げ幅を250円超に拡大。心理的節目の2万3500円を取引時間中として約1年1カ月ぶりに上回った。
 
ただ、中国政府の発表を受け、ただ、米国のナバロ大統領補佐官が「現時点では『第1段階』の合意条件として関税撤廃を含めることに合意はない」と米フォックスニュースのインタビューで述べたと伝わると、協議進展に対する期待感は急速にしぼんだ。同氏は対中強硬派として知られ、交渉の先行き不透明感が改めて意識されたことで日経平均は下落に転じる場面もあった。
 
10月以降、景気敏感株がけん引する形で相場の戻り基調が続いていたことから短期的な過熱感を意識した利益確定売りも出やすかった。
 
強気の投資家心理で上昇が続いてきた日本株だが、市場では「そろそろ調整局面に入ってきた」との指摘も出始めた。「米中協議で首脳会談の日程が決まるといった具体的進展がない限り、2万3500円以上の水準では上値が重くなる」とみられている。
 
JPX日経インデックス400は続伸した。終値は前日比28.43ポイント高の1万5213.42。東証株価指数(TOPIX)は4日続伸し、4.64ポイント高の1702.77で終えた。いずれも年初来高値を更新した。
 
東証1部の売買代金は概算で3兆1255億円、売買高は16億2680万株だった。株価指数オプションの清算に伴う特別な売買があった影響で、前日よりも膨らんだ。東証1部の値上がり銘柄数は1028と、値下がりの1022銘柄と拮抗した。変わらずは103銘柄だった。
 
 
業種別株価指数(33業種)は精密機器、鉄鋼、輸送用機器が上昇し、下落は化学、金属製品、不動産業など。
 
個別では、前日に19年4〜9月期決算を発表し、業績の上振れ期待が高まったテルモが大幅高となった。ソフトバンクグループ(SBG)が反発し合わせて2銘柄で日経平均を94円押し上げた。トヨタ自動車が年初来高値を更新。武田薬品工業やソニーが高く、三菱UFJフィナンシャル・グループや三井住友フィナンシャルグループといった銀行株も値を上げた。決算が好調だった三越伊勢丹ホールディングスが買われトレンドやリクルートも上昇。自社株買いが好感されキリンホールディングスが急伸。ホロンはストップ高となった。
 
半面、ファーストリテイリングや東京エレクトロン、任天堂、ダイキンが安い。資生堂が急落し、SUMCOが値を下げた。キーエンスやファナック、村田製作所も軟調だった。業績悪化が嫌気され楽天が安く、メルカリが一時ストップ安に売られた。バンナムHDが大幅安。ファミマも下げた。
 
 
東証2部株価指数は前日比11.20ポイント高の6839.17ポイントと続伸した。
出来高1億4137万株。値上がり銘柄数は213、値下がり銘柄数は210となった。
 
個別では、アイスタディ、ヨネックスが一時ストップ高と値を飛ばした。古林紙工、広栄化学工業、ソフト99コーポレーション、メタルアート、ユーピーアールなど9銘柄は年初来高値を更新。大日本コンサルタント、YE DIGITAL、アートスパークホールディングス、KTC、キョウデンが買われた。
 
一方、ワシントンホテル、ファインシンターが年初来安値を更新。プレミアムウォーターホールディングス、JMACS、富士ソフトサービスビューロ、ダイトーケミックス、松尾電機が売られた。