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《マーケットストラテジーメモ》10月2週

【推移】

10日(火):
週末のNY株式は小動き。NYダウとS&P500は反落したがNASDAQは9日続伸。終値ベースの過去最高値を6日連続で更新した。

注目された雇用統計。米非農業部門雇用者数は3.3万人減で着地した(市場予想は9万人増)。雇用がマイナスになったのは2010年9月以来、7年ぶりだがハリケーンの影響の結果であり影響は意外と限定的。「向こう数カ月間は復興・清掃活動で雇用の伸びが拡大する」という声も聞こえる。失業率は4.2%(予想4.4%)と2001年2月以来の低水準まで改善。時間当たり平均賃金は前月比プラス0.5%(予想:プラス0.3%)。年間で2.9%増と、16年12月以来の大幅なプラスとなった。12月の利上げ確率は90%まで上昇。来年の利上げ回数も3回となってきた。

為替市場が気にしたのは雇用統計よりも北朝鮮の地政学的リスク。北朝鮮を訪問したロシア下院議員のコメント。「北朝鮮は長距離ミサイル発射実験を計画しており、同国は米国の西海岸が射程距離に入る」を材料視したとの解釈。

週明けのNY株式市場でNYダウは小幅続落。「コロンバスデーの祝日で市場参加者が少なく、積極的な取引は手控えられた」との解釈。GEの下落が響き1銘柄でNYダウを約7ドル押し下げた格好。NASDAQは10日ぶりに反落。こちらは主力のアルファベット(グーグル)やアムジェンなどバイオ関連株の下落が響いた。

今週は4日立ち会い。衆院選よりも北朝鮮リスクへの解釈次第の動きだろう。「月末の企業決算に意識が向かい、業績期待を支えに下げづらい地合い」という楽観論も聞こえる。空売り比率は36.6%まで低下。東証1部の単純平均株価が2754.77円と権利落ちを埋められないのが気にかかる。
しかし外国人投資家は10週間ぶりの買い越し。加えて4月14日安値の空売り期日も上昇期待材料だ。

日曜日経では「主要国10年ぶりそろって成長」の見出し。OECDの予測からの記事だ。「欧州経済が持ち直し、ブラジルやロシアなどの新興国も不振から脱した。リーマン・ショック後の世界的な金融緩和が景気を支え、けん引役の米国と中国は内外需とも底堅い。生産性の低下で世界の成長率は3%台と力強さを欠くが、設備投資や貿易の伸びに期待がかかる」。これが相場の底流だ。日経平均株価は132円80銭高の20823円51銭と6日続伸。終値ベースでは2015年7月21日の20824円以来の水準。TOPIXは高値引けとなった。衆院選での自民党優勢の報道や北朝鮮の地政学リスクの低下などを背景にジリ高の展開。後場の上昇材料は午後2時に内閣府が発表した9月景気ウォッチャー調査。現状判断DIは前月比1.6ポイント上昇して51.3。50を超えたのは6月以来3カ月ぶり。「先週までの5連騰のうち後半3日間の日足は陰線。
NY株高が支えとはなったものの上値は重かった。NY株がフォローしてない中での強い陽線。地合いの改善がうかがえる」という指摘もある。2015年ザラバ高値は20952円。終値ベースでの高値10868円までは「あと45円」と迫った。ドル建て日経平均は185.02と年初来高値を更新(6月6日が183.84)。

東証1部の売買代金は2兆5442億円と拡大。値上がり銘柄数は1421と全体の70%。値下がりは523銘柄。アルテック、ソフトバンク、豊和工、パソナ、東エレが上昇。神戸鋼、エスクローAJ、三井松島が下落。アベノミクススタート以来の高値奪還に期待感が高まる。

11日(水):
NY株式市場は反発。主要3指数は最高値を更新した。ダウの上昇に貢献したのは小売のウォルマート。2019年度の米国内ネット通販売上高が約40%急増するとの見通しと今後2年間で200億ドルの自社株買い計画を好感。株価は4%超上昇し2年ぶりの高値となった。IMFが発表した世界経済見通しでは2017音の成長率を3.6%と上方修正。これも追い風となった。8月のドイツ貿易統計で輸出が1年ぶりの大きな伸び。加えてECBのラウテンシュレーガー専務理事が来年の資産買い入れ縮小と将来的な買い入れ終了の必要性をコメント。ユーロ・ドルは1週間ぶりの高値となった。

内閣府が11日発表した8月機械受注(船舶・電力を除く民需)は前月比3.4%増。市場予想は同1.0%増だった。株価が上がっているときはいつまでも上がり続けると錯覚。株価は下がっているときはいつまでも下がり続けるという誤解。どうしても株価のトレンドの方向に解釈が向かってしまうのは多くの専門家も一緒。それでも日経朝刊で表現されたように「今年末の日経平均は21000円予想」。これが「強気?」というほどささやかな強気である。
もっとも先月は19500円だったからそれでも「清水の舞台」を飛び降りたのだろう。興味深いのは日経朝刊「大機小機」の「ウィドウ・メーカー・ディール」。金利上昇に賭ける取引は今まで戦いに破れ未亡人ばかりになってしまうというブラックジョーク。「海外投資家が何度も挑んだが、成功した試しがない」という。「株高・低金利の居心地の良い市場のどこかに投機を仕掛ける筋がいるかも知れない」。日銀が国債のがぶ飲みを中止すれば勝ち目のない思惑も陽の目を見るかも知れない。

一方で「東証1部、割安株に資金。PBR1倍割れ銘柄34%に急減」の見出し。2007年11月以来約9年11ヶ月ぶりの水準まで低下したという。「欧米の長期金利が上昇し、成長株から割安株に資金を振り向ける動きが拡大。自動車や非鉄などの底上げが進んでいる」。
日銀のETF買いも背景にあるというが、今月は1回もETFを買っていない。本当に低PBRが良いのがどうか。バブルの末期に設定された低PBR銘柄中心の投信は1年で倍になったことが甦る。もうひとつ面白いのは「ファンド攻勢、株底上げ」の見出し。塩漬け株は当然割安株。そこをパフォーマンス狙いの海外ファンドが狙っているという指摘。
ありがたいことである。「ファンドの動きは短期の値幅取りの資金も呼び寄せ、投資家の収益機会を増やす。そこで得られた資金が日本株を20年ぶりの高値、そしてもう一段の上値を追う原資となる」。

日経平均株価は57円76銭高の0881円27銭と7日続伸。第2次安倍晋三政権の発足以降の高値を上回り1996年12月5日以来、約20年10カ月ぶりの高い水準となった。7日続伸は16年12月6〜16(9日続伸)以来のこと。TOPIXは3日続伸。07年7月31日以来約10年2カ月ぶりの高値を付けた。

東証1部の売買代金は2兆3703億円。東証1部の値上がり銘柄数は879と全体の43%。値下がりは1045銘柄。ユニファミマ、東京海上、MS&AD、ユニチャーム、ファナック、富士通が上昇した。スズキ、マツダ、SUBARU、JFE、東レ、村田製、神戸鋼が下落。東証2部株価指数は3日ぶりに反落。225先物の20890円というのが上値の蓋だった。
1時頃は売り板400枚、2時過ぎには500枚。2時半過ぎに売り板300枚、買い板350枚になった。そこで一気に20910円まで取りに行ったという格好だ。デイトレを賛美するわけではないが「板の動き」というのは結構重要なもの。「買い板が売り板を上回ると上値を取りに行く。買い板が売り板の倍になればほぼ確実に上を取る」。結構役に立つものである。

12日(木):
NY株式市場では主要3指数が続伸し連日の過去最高値更新となった。特にS&P500では不動産、ユーティリティー、消費財関連株などディフェンシブセクターが上昇。
一方で金融株セクターが下落した。「セクター間の入れ替えが指数を押し上げている」と言う解釈だ。FOMC議事要旨が想定内の内容だったことから国債価格はほぼ変わらずの動き。12月利上げの確率は88%。

水曜の日経平均は2015年6月24日の終値20868円を上回った。20年10カ月ぶりの高値。もっとも値上がり879銘柄、値下がり1045銘柄。指数寄与度の高い銘柄への傾斜は否定できない。日足では2日連続で陽線となっており指数の動きは強い。ドル円の動きにほとんど左右されなくなってきたことから「海外離れの自主路線」という解釈もある。「株式市場は2年超の調整が一巡。いち早く安倍政権の第2幕を期待する展開に入った」という気の早い声も聞こえる。

日経平均採用銘柄のEPSは1422円と増加継続だ。1株あたり時価も今週2000円台に乗せて2007円。11日現在の信用買い残は2兆5813億円。あと1兆円程度の増加余地はあろう。売り残は212億円増加し1兆140億円。4月17日安値(18224円)信用売り方期日通過は来週火曜。

日経では「21年ぶりの高値」の見出し。「外国人、企業の収益力評価」とある。18年3月期の純利益は過去最高を更新の見通し。「企業の利益は21年前の4倍に膨らんでいる」という指摘もある。企業の自社株買いが前期5.7兆円。今期は4.9兆円の見通し。外国人もアベノミクススタート以降13兆円の買い越しだ。「物価の上昇も株高に寄与」という従来の常識からは逸脱した指摘も見られる。もっともインフレならば目先は株高というのは古典的常識でもある。「どうせならデフレ脱却宣言でもした方がいい」と言う市場関係者もいる。

日経平均株価は73円45銭高の20954円72銭と8日続伸。8日続伸は16年12月6〜16日(9日続伸)以来。1996年11月29日(21020万)以来、約20年10カ月ぶりの高値水準となった。「SQ算出を控え、2万1000円など権利行使価格を意識した買いも入った」と言う声も聞こえる。日経平均は直近8営業日で600円近く上昇したため更なる上値を追う動きは少なく大台超えは翌日以降に持ち越し。

東証1部の売買代金は2兆5847億円。東証1部の値上がり銘柄数は1130で全体の56%。値下がりは804銘柄。コマツ、SMC、ソフトバンク、東エレク、OLC、資生堂、オリックスが上昇。塩野義、第一三共、大 塚HD、旭化成、住友鉱、パナソニック、三菱UFJ、SOMPOが下落。TOPIXは1700.13と続伸。日経平均は8日続伸で新高値。TOPIXは4日続伸で1700ポイント台乗せ。2007年7月31日の1706ポイント以来の高値水準となった。新高値銘柄も184まで増加し週末のSQを前にして堅調な展開。
衆院選の各種マスコミ調査で与党優勢との報道を好感。「マーケットに残っていた一抹の不安は解消。NY株の連日の最高値更新にも煽られる形となった」との声が聞こえる。8日続伸で上昇幅は600円弱。100円以上の上昇は2日だけ。「ジリジリと小幅な上昇だから25日移動平均線(20220円)との乖離率は3.62%」という見方。25日線は日々50〜60円上昇しているからそれ以上の上昇をしないと乖離率は上昇しないことになる。

13日(金):
NY株式市場は小幅下落。決算を発表したJPモルガン・チェースとシティが足を引っ張った。「融資の伸びが引き続き低迷していること。信用の質に関する懸念がやや拡大したことを市場は心配している」という解釈だ。また第3四半期の国内加入者数が9万人減少したAT&Tも下落。ハリケーンの影響や有料テレビ市場の競争激化が背景とされた。
卸売物価指数(PPI、最終需要向け財・サービス)は前月比0.4%上昇。前年同月比で2.6%上昇し、2012年2月以来の大幅な伸びとなった。

債券市場は堅調展開。ただ「日本時間今夜発表予定のCPIを見極めよう」という姿勢も見られる。「北朝鮮の地域で地震のような動きがあった」との観測も安全資産志向となった。明るい材料だが見えないフリの印象。ダウ輸送株指数は61ポイント高の10038ポイント。逆行高で初めて1万ポイントを突破した。

10月6日時点の裁定買い残は4週ぶりの減少で前週比1811億円減の2兆2948億円。裁定売り残は3週ぶりの増加で768億円増の5424億円。信用と併せて需給は悪くない。日経平均採用銘柄のEPSも1425円に乗せてきた。ドル建て日経平均は186.71と前日の185.93を上回り新値追い。「衆院選まではブル基調」という見方が支配的だ。週明け16日は株高の特異日でもある。10月8連騰。

「個人投資家さんからは、あまり自分の持っている銘柄は上がっていないとの声もチラホラ・・・2013年5月に大きな下落があった時の4月にこんな声が聞こえていましたが・・・」。そんな免罪符も登場してきた。

SQ値は20957円62銭。ちなみに9月メジャーSQ値は19278円。昨年7月のSQ値が20055円だった。相当な差となってきた。「ほら、やっぱり」というのは小売りの回復。日経朝刊では「百貨店、宝飾伸びる」。
そして「株価上昇、富裕層動かす」。「株高による資産効果」という久々に聞く声。「日経平均が2万円を付けた6月頃から伸びが顕著」と高島屋の社長のコメント。低所得者層へのバラマキは重要であることは間違いない。景気寄与度も少ない。富裕層の動向こそが景気を左右するのが現実。ポピュリズムでは残念ながら景気は良くならない。嫌われるからあまり指摘されないが、これも現実。税金をたくさん払っている人からまず減税するなんて発想は出てこないものだろうか。「消費増税凍結で今後生まれる人ひとりの負担は541万円ずつ負担増」。計算上はそうかも知れない。でもあくまでも計算。経済・景気は生き物だという感覚も重要だろう。

日経平均株価は200円46銭高の21155円18銭と9日続伸。ドル円の112円10銭台を物ともせずの上昇。週足は5週連続陽線となった。TOPIXは5日続伸となった。昼休みの間に先物が急伸。一時21200円台まで280円近く上昇した局面もあった。SQ値20957円62銭に対しては大きく1勝。SQで変化ではなくSQで加速になった印象。「225オプション11月限では、コール・プレミアムが軒並み高。権利行使価格2万 2000円、2万2500円のコールの売買高が膨らんだ」との声が聞こえる。「日経平均のスキューが低下する一方、ボラティリティ―は適度に上昇。従来の相場とは明らかに雰囲気が異なり、アップサイドを意識する動き。

国内メディアの世論調査で衆院選の波乱への懸念が後退したことが大きい」という指摘がある。9月の中国貿易統計は良好な世界経済を確認する内容。「世界的に輸出数量の伸びが続いていることから、日本株が為替離れしてもおかしくない」という声もある。ボリンジャーのプラス2σが21164円。「それ以上の上値は出来過ぎ」という見方もある。新高値は200銘柄を超えた。

東証1部の売買代金はミニSQということもあり3兆2810億円と増加。東証1部の値上がり銘柄は1206と全体の59%。値下がり銘柄は723と全体の35%。ソフトバンク、ファーストリテ、SUMCO、豊和工、東エレ、IDOM、サイゼリヤ、松屋が上昇。神戸鋼、トヨタ、リクルート、イワキ、ベクトルが下落。

(2) 欧米動向
2017年のノーベル経済学賞は米シカゴ大学のリチャード・セイラ─教授が受賞した。
専門は「行動経済学」。
必ずしも合理的ではない人間の行動を説明できるようにしたというのがその功績。
「あるものを買うときと一度買ったものを売る時では同じものでも評価が変わる」ということはよくある。
そしてコレが株式市場や株価の真実の一面だろう。
従来の経済学は、人間は合理的に判断をするもの、効率的に動くものというのが主流。
でも「人は合理的には行動しない」という傍流の学説が脚光を浴び始めたことになる。
その結果起こることは「欲望と欲望のぶつかり合う株式市場」の解釈は心理を読むということ。
重要なのは「結論の出ないことは考えない」。
海外のことを持ち出して警戒感が醸し出されることはよくあること。
しかし、ややこしいことで株価が動くことはめったにない。
証券業界に40年近く棲息して身につけた技術で誇れるものは「他人の意見を聞かない」。
大切なのは枝葉末節ではなく本質。
やはり「シンプル・イズ・ベスト」だ。

週間新規失業保険申請件数は前週比1.5万件減の24.3万件。
約1カ月ぶりの低水準となった。
市場予想は25.1万件。
失業保険受給者総数は26週連続で200万人を下回った。
アマゾンは今年の年末商戦向けに米国内で12万人を臨時、雇用すると発表。
全米小売業協会が発表した今年の年末商戦の小売売上高(自動車・ガソリン・外食除く)。
前年比3.6〜4%増の6787.5億〜6820億ドルの見通し。
オンライン販売による小売売上高は11〜15%増の約1400億ドルになる見通し。

先週発表の経済指標をまとめてみると・・・。

日銀短観では全規模全産業の業況判断指数(DI)26年ぶりの高水準。
大企業、中堅、中小を合わせた全規模全産業の業況判断DIは、前回6月調査から3ポイント改善のプラス15。
1991年以来の高さ。
米ISM製造業景気指数、9月は13年ぶりの高水準。
IMFは世界成長率見通しを3,6%に上方修正。
世界全体の2017年の成長率予想を4月と7月の見通しから0.1ポイント引き上げ。
3.6%とした。
同じく18年も0.1ポイント上方修正し3.7%。
引き上げたのは日本や中国、欧州新興国、ロシアの成長率見通し。
米国は17年を7月見通しから0.1ポイント引き上げ2.2%。
18年を0.2ポイント上げ2.3%とした。


(3)アジア・新興国動向

先週の世界の株式相場は主要25の株価指数のうち22指数が上昇。
上位1位韓国週間騰落率3.31%、2位日本2.24% 、位トルコ2.01%、
4位ロシア1.97% 、5位ポーランド1.96% 、17位米国0.43%。
下位25位メキシコ▲0.64% 24位マレーシア▲0.49%、 23位フランス▲0.15%、
22位香港0.06% 、21位イタリア0.09%。


【展望】
スケジュールを見てみると・・・

週末:セーリングワールドカップ開催(愛知)
 16日(月):首都圏新規マンション販売、米NY連銀製造業景気指数、日米経済対話第2回会合、中国消費者物価、生産者物価
17日(火):米鉱工業生産、対米証券投資、独ZEW景況感
18日(水):訪日外客数、米住宅着工件数、ベージュブック、中国共産党全国代表大会(5年に1度)
19日(木):貿易統計、米CB景気先行総合指数、フィラデルフィア連銀製造業景況感、EU首脳会議、中国各種経済指標
20日(金):黒田日銀総裁が全国信用組合大会で挨拶、米中古住宅販売、APEC財務大臣会合
週末:衆院選投開票、第2四半期決算発表スタート

興味深いのはTOPIXの浮動株比率の見直しによるリバランス。
10月30日に実施予定だ。
観測では浮動株比率低下銘柄売りと浮動株比率上昇銘柄の買い。
その差額は約7500億円に及ぶという。
そして恩恵は大型株売の余波での中小型株。
結構面白くなってくるかも知れない。

アベノミクス以来のザラバ高値を更新した。
1996年6月当時のTOPIXの業種別時価総額からは7割の増加。
(東証1部の上場企業数は2029社と6割増。
時価総額は365兆円→635兆円。270兆円の増加。
EPSは391円→1420円、BPSは8000円→16000円)。

比べてみると・・・。
増加は「電機」、「機械」、「情報通信」など。
減少は「輸送用機器」、「銀行」、「医薬品」、「不動産」などだった。
○増加セクター
電機機器 53.5兆円 2015年6月比△2.2兆円
情報通信 30.8兆円        同△4.3兆円
化学   27.9兆円        同△4.6兆円
機械   21.4兆円        同△1.5兆円
卸売   17.8兆円        同△1.1兆円
食品   17.7兆円        同△1.3兆円
サービス 16.5兆円        同△4.3兆円
建設   13.0兆円        同△2.7兆円
その他製品 8.7兆円        同△2.6兆円

●減少セクター
輸送用機器 35.7兆円 2015年6月比▲8.6兆円
銀行    30.0兆円        同▲8.4兆円
医薬品   17.7兆円        同▲0,9兆円
不動産    9.2兆円        同▲2.0兆円
保険     9.1兆円        同▲1.6兆円
電気ガス   6.6兆円        同▲1.7兆円
鉄鋼     4.8兆円        同▲0.9兆円

ちなみに1996年12月の時価総額上位。
NTT、トヨタ、東京三菱、住銀、第一勧銀、
富士銀、興銀、三和銀、松下電産、野村。
直近の時価総額上位。
トヨタ、NTT、ソフトバンク、三菱UFJ、ドコモ、
KDDI、JT、キーエンス、ゆうちょ銀、任天堂。

トレンドに追随する姿に変わりはない。
でも、上がり続ける株はない。
倒産しない限り下がり続ける株もない。
限界はある。
その限界を知っておけばいたずらに恐れることはないし騒ぐこともない。
逆に言えば株価が下がった時こそ買いのチャンス。
株価が上がっときは警戒のタイミングということ。
例えば日経平均株価の限界。
(1)昨年末の日経平均の2割以内が上下の限界値(2割下は買いゾーン、2割上は売りゾーン)。
(2)みずほの売買高が5億株を超えたら日経平均は反転する
(3)一般的週刊誌の見出しが「株高」になったら下落。「暴落」となったら反発。

(兜町カタリスト 櫻井英明)


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