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06月3週
【推移】

12日(月):
週末のNY株式市場はマチマチの展開。主要3指数ともに日中最高値を更新する場面があったがNYダウは3日続伸。NASDQとS&P500は3日ぶりの反落となった。

特にアップルなどITセクターの下落が大きかったことからNASDAQは大幅下落。
アップルは3.9%安。新型「アイフォーン」に搭載されるモデム半導体のダウンロード速度。競合他社の高額スマートフォンに劣るとのブルームバーグの報道が影響した格好。フェイスブックとアルファベットも3%超安、マイクロソフトは2.3%安。エヌビディアは6.5%安。空売り専門の投資情報会社のネガティブな株価見通しを嫌気した。「ローテーションの動き。
資金はハイテクセクターから他のセクターにシフトした」という声が聞こえる。国債価格は下落(利回りは上昇)。英国選挙やコミ─証言に向いていた市場の目はFOMCにシフトしたという指摘もある。
メイ英首相が率いる英国の与党・保守党が総選挙で過半数割れとなりポンドが急落。ドル指数を押し上げた。

メジャーSQは通過。東証1部の売買高は3兆2000億円と増加。SQ値19997円も上回った。日経平均は週間では約164円の下落。週足は3週ぶりに陰線。骨太の方針を見て「小粒感」。英国保守党の選挙劣勢を見て「離脱プロセスの遅れにつながる」。なんだかなあ〜という感じ。

週明けの日経平均株価は104円安の1万9908円と反落。2万円を再び割り込んだ。もっとも安値は25日線水準で止まっており、ここがサポートラインとなった格好。東証1部の売買代金は2兆3132億円。TOPIXも小幅反落。三菱商、日揮、富士フイルム、積ハウス、JT、NTT、エーザイ、アステラスが上昇。ソフトバンク、東エレク、アドテスト、ファナック、任天堂、コメダが下落。

13日(火):
週明けのNY株式市場は軟調展開。NYダウは4日ぶりに反落した。アップルやマイクロソフトなどハイテク株の下落が継続。「投資家心理を冷やした」との解釈。VIX(恐怖)指数は11.46%まで上昇した。先週末に3.87%下落し昨年1月7日以来の下落率を記録していたアップル。

週明けも2.38%安と大幅に3日続落。アイフォンの販売が懸念されておりみずほ証券などの投資判断引き下げも影響した。もっとも日足チャートは長い下ヒゲ。「底入れ感」という指摘もある。
ネットフリックスが4%超の下落。フェイスブック、アマゾン、アルファベット(グーグル)なども軟調。週末に6%超の急落を見せたエヌビディアは小幅反発。イメルトCEO退任を発表したGEやIBMなど値動きが冴えなかった銘柄は逆に堅調展開。セクター間の巻き戻しのような動きも見られた。FOMCを控え「低リスク通貨」とされる円は強含み。ユーロは対ドルで4日ぶりに反発。金が4日続落しており地政学等リスクは低下している印象。資金流入が続いてきたIT株と並んで上昇してきたビットコインも急落。「大きな資金移動の予兆」という声も聞こえる。週末のNY市場でのFAAMG株急落のあおりを受けた格好で軟調となった週明けの東京。NYほどITセクターが市場をけん引してきた訳でもないのに不思議な構図となった。ここまで冴えなかったセクターの自動車や金融がしっかりしてきたのは主役の交代場面なのかも知れない。

日経平均が続落。TOPIXは反発。ともに極めて小幅な展開で高いのか安いのか不明瞭だった火曜日。値上がり銘柄1106に対し値下がり銘柄748。TOPIX構成33業種中プラスは22業種(石油、不動産、建設、鉱業、海運等)。マイナスは11業種(鉄鋼、精密、証券、非鉄金属、電気等)。日経平均は25日移動平均がサポートとなったことだけは確かだった。

大引けの日経平均株価は9円安の1万9898円と小幅に続落。世界的にITハイテク株が急落する流れが日本市場でも続いたとの解釈。
セクターローテーションの動きもあり、資源株や不動産株など出遅れ株に資金が流入し、指数を下支えしたとの声も聞こえる。「値がさ株が下げる一方で、内需株を中心に幅広い銘柄に買いが入った。

東証1部の値上がり銘柄数は1106と値下がりの748を上回っておりTOPIXは反発。住友不、菱地所、任天堂、クボタ、ANAHD、旭化成が上昇。電産、キーエンス、アドテスト、富士フイルムが下落。

14日(水):
NY株式市場は反発。NYダウとS&P500は終値ベースの史上最高値を更新した。背景はハイテクセクターへの買い戻しと利上げ期待。過去2で約1年ぶりの下げを記録したハイテク株。特にFAANG5銘柄で時価総額を一気に13兆円も減少したが持ち直した。「直近2日の値下がりはファンダメンタルズではなく心理的な要因」との楽観論も聞かれる。
VIX(恐怖)指数は10.45%まで低下。ダウ輸送株指数は上昇、SOX指数も上昇。FOMCでの利上げ期待から金融セクターも上昇した。

9日時点の信用取引買残は2兆4736億円。前週比598億円増加。2週ぶりの増加となった。信用売り残は前週比429億円減の9886億円。減少は3週ぶり。東芝やみずほFGなどの売り残が減少したのが目に付く。

日経平均は3連敗。NYダウの史上最高値更新を受けても後場の大引けにかけての軟調展開。需給(売り・買い)の主体が夕刻勢というのが今年に入っての相場の特徴」とう声も聞こえる。セクター的には内需優勢の展開で円安への期待感はない。「それでも日経平均は2万円近辺。円安の助けがなくても19000円水準は正当化できる」という指摘もある。

大引けの日経平均株価は15円安の1万9883円と小幅に3日続落。朝方に取引時間中としては3日ぶりに2万円の大台を回復したがFOMCの結果発表を前にIT関連銘柄を中心に下落。大引けにかけてマイナス転換した。
東証1部の売買代金は概算で2兆2075億円。ユニファミマ、ドンキHDは、小野薬、任天堂、ANAHD、JR東日本、京セラ、HOYA、楽天が上昇。東芝、旭化成、ユニチャーム、JXTGが下落。

15日(木):
NY株式市場はマチマチの展開。NYダウは続伸し史上最高値を更新した。FOMCは想定通りに利上げで通過。金融セクターの上昇がNYダウの上昇につながった。ただハイテクセクターの下落でNASDAQとS&P500は反落。利上げとFRBのタカ派的姿勢が米景気に及ぼす影響の懸念からハイテクセクターは売られたとの解釈。「利上げがGDPを鈍化させて将来の業界の利益を圧迫するとの心配から売られている」との声が聞かれる。5月の消費者物価指数予想に反して前月比下落。5月小売売上高は1年4カ月ぶりの大幅な落ち込みを記録。これもやや悪材料視された上に原油先物価格の下落も響いた。年内あと1回の利上げができるかどうかが判断材料となっており、債券市場は小動き。

FOMC声明は「最近の低調な経済指標は一時的。利上げは続ける方針。4兆ドル規模のバランスシートを縮小する計画」。「早ければ9月にも政策正常化へのプロセスを開始する可能性」と解釈された格好。政策引き締めに向けたプロセスは遅れる可能性があるとみられていたことからするとある程度サプライズ。FOMCを通過した事実だけは残った。

9日時点の裁定取引買い残4週連続で減少。前週比1669億円減の1兆6800億円。裁定売り残は2週連続の減少。前週比1520億円減の880億円。メジャーSQ週だったことから減少幅が多かった。FOMCは「利上げ且つ年内あと1回の利上げ、且つバランスシート縮小の計画」で着地し通過。

大引けの日経平均株価は51円安の1万9831円と4日続落。「米利上げペースの鈍化で円高・ドル安が進むとの見方から売りが出た」との解釈。円高・ドル安が進み、日本株相場の重荷となり国内外の機関投資家は様子見姿勢を強めた格好。

東証1部の売買代金は2兆4775億円。任天堂、小野薬、大東建、ハウス、JR西、ユニチャーム、資生堂、ソニー、塩野義が上昇。第一生命HD、T&D、JFE、住友鉱、ブリヂストン、新日鉄住金、りそなHD、三菱UFJ、三菱電、マツダが下落。

16日(金):
NY株式市場は下落。ハイテクセクターが引き続き軟調。FRBの利上げも米国経済の重石になるとの解釈が台頭した格好。一方で公益セクターや不動産セクターは堅調な展開。「不動産と公益事業が他のセクターよりも好調な時は、株式市場の関心が金利に集まっている証拠だ」という指摘が聞こえる。ハイテクセクターは年初来17.3%上昇。前週末9日の日中高値から12日までおよそ5%下落。FANGに代表されるハイテクセクターが急落する中、セクターへの圧力や波及は続く可能性は高いと見られている。「
ハイテクセクターのRSIは5月がピーク。1999年終盤、2007年終盤、2014年終盤に過度に買われ過ぎの領域に達した後、ボラは上昇した」という声も聞こえる。昨日まで4日

続落の日経平均株価。それでも新高値銘柄数は110(前日144)。新安値32(前日9)。3ケタの新高値はまだ救いがあると見ることもできる。1週間前のSQ値19997円は今週上値の壁になっている。空売り比率は36.7%だから売り叩く意欲はまだ感じられない。
大引の日経平均株価は111円44銭高の19943円26銭と5日ぶりの反発。ドル円の111円台を好感した格好で終始買い物優勢の展開となり一時2日ぶりに2万円を、上回る場面もあった。
東証一部売買代金は3兆1900億円と先週金曜日のSQ以来の水準に拡大した。NTT、ソフトバンク、資生堂、パナソニックが上昇、東エレ、ファナック、すかいらーくが下落。タカタは終日売買停止となった。東証2部株価指数は続落。

(2) 欧米動向


水曜日経朝刊の見出しは「米商業モール苦境」の見出し。
サブは「ネット通販に押され・・・」。
アメリカの代表的な商業施設のショッピングモールが苦戦しているという。
デッドモールと言う表現も登場。
「昔はせいかつに必要なものは全部ここで揃った。
コミュニティにとっても大切な場だった」。
そんな怨嗟の声も聞こえてくる。
今後5年で最大4分の1のモールが米国から消える」というクレディの分析。
興味深いのはREITの動向。
小売商業用対象のREIT価格は下落し、ネット通販に必要不可欠な倉庫のREITの価格は上昇。
「優勝劣敗が鮮明」とされる。
アメリカで起こったことは日本でも起こるというのが通説。
かつてウォールマートやJCペニーなどを対象としたREITは我が世の春だったが・・・。
昔日の面影になるのだろう。

(3)アジア・新興国動向

中国の5月の電力消費量は前年比5.1%増の4968億キロワット時。
一方で5月の原油生産は前年比3.7%減の1626万トン(日量383万バレル)。
データの公表を開始した2011年以降で最も低い水準とマチマチの数字。
ただ1〜5月に都市部で599万人の新規雇用を創出。
失業率は全国・主要31都市とも引き続き5%を下回っており堅調と見るべきだろう。

【展望】
スケジュールを見てみると・・・

19日 (月):貿易統計
20日(火):米1〜3月経常収支
21日(水):日銀金融政策決定会合議事録、全産業活動指数、訪日外客数、米中古住宅販売
22日(木) :米CB景気先行指数、EU首脳会議、ECB拡大理事会
23日(金):東京都議会選挙告示(7月2日投票)、米新築住宅販売

【6月】

18日(日)フランス下院選第2回投票、海王星逆行開始
19日(月)パリ国際航空ショー(〜25日)、変化日
20日(火)ザ・コンシューマー・グッズ・フォーラム・サミット(〜23日ベルリン)変化日
21日(水)ECB理事会、上げの特異日
22日(木)EU首脳会議(ブリュッセル・〜23日)
24日(土)新月
25日(日)ラマダン終了
29日(木)上げの特異日
30日(金)変化日、通常国会会期末

昨年3月以来メジャーSQ値はズ〜と前回を上回って推移しており9月SQ値にも期待したいところ。
今週は、全営業日で日経平均が2万円台をつけた。
ただ2万円より上で終えたのが2日、下で終えたのが3日、週末値が20013円。
2万円を挟んだ動きが続いており値固めをしたいところだ。
「誰が上を買うのか」というテーマは続く。

昨年も6月を境に主役セクターがガラリと一変したことも市場の記憶には残っていよう。
「中長期の視点では、良い押し目買いのタイミング」という声もある。
時間軸を長くすれば右肩上がりに変化はなかろう。
問題はその長い時間軸を許容し我慢できる投資家がどれだけいるかということ。
せっかちな投資家にとっては、市場の息吹の変化は結構重要なファクターとなる。

(兜町カタリスト 櫻井英明)


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