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06月1週
【推移】

30日(月):
メモリアルデーの3連休を控えたNYダウは44ドル高の17873ドルと反発。S&P500、NASDAQも4日続伸。ただ売買は低調で3市場の売買高は56億株だった。VIX(恐怖)指数は13.12まで低下。週間ベースではNYダウが2.1%、NASDAQは3.4%、S&Pは2.3%の上昇。注目されたFRBイエレン議長のハーバード大学での講演。結論は「今後数カ月で追加利上げが適切になるだろう」。これを受けてドルは上昇。第1四半期のGDP改定値の上方修正もドル高トレンドを後押し。 前日まで24〜26%で推移していた6月の利上げ確率は34%まで上昇した。「NYダウは5月10日の直近高値17938ドルまであと65ドル。ここ抜けて来れば4月20日からの下降トレンドは否定される」との声が聞こえる。

日曜日経朝刊では「設備投資7年連続増」の見出し。8.3%増は昨年の10.5%増に見劣りするという指摘もあるが増えていることは間違いない。利上げ方向の米国とマイナス金利の日本のどちらの通貨が買われるのかは自明。この他動的要因に増益、設備投資増が加われる。あとは個人消費増と言う最大の課題が控えているだけのこと。悪いスケジュールではない。何やら市場のコメントは弱気優勢。「暴落が起こった時に安値で買う資金を確保するために保有株を処分」。つまり手持ちの株を処分して、キャッシュを確保すると言う戦略。
もうひとつは「今の水準で株を買わないこと」。「高値圏で株を買ってしまうと下がった時に買う資金が少なくなる」。こういう声が増えてくると相場は居場所を上に変えることが多いのが経験則だが賢さと肌感覚の戦いみたいなものかも知れない。

日経平均株価は233円高の17068円と大幅に4日続伸。ただ東証1部の売買代金は1兆5604億円と低調で8日連続の2兆円割れ。トヨタ、TDK、ネクシーズが上昇。大林久美、ガンホー、Uアローズが下落。

31日(火):
安倍首相が来年4月の消費増税を19年10月まで2年半先送りする意向を示したことを好感。週末のイエレンFRB議長による「早期利上げ観測」が世界的ドル高傾向を生み、ドル円が一時111円台まで下落したことも追い風。もっとも内閣不信任案の動向や景気対策の規模などを材料に様子見モードも存在。

ようやく5月幻のSQ値16845円を抜けた日経平均株価。25日移動平均の16759円も抜けた。気になっていた3月月中平均の16897円も超えて17000円台復活。空売り比率は36%台まで低下。NYで囁かれているのはメモリアルデーの週の株高アノマリー。1971年以降、S&P500はメモリアルデーの1週間に平均0.54%上昇。3連休明け後で4営業日しかないのに週間では高い上昇率を見るという経験則。メモリアルデー通過後はボラティリティが上昇するとも言われる。アノマリーも罫線と一緒で皆が知り始めると、意外と効果を発揮するから面白いもの。
ようやく「今期」を迎えた東京株式市場。2か月経ってようやく3月権利配当落ち分を埋めた。TOPIXコア30や大型株指数の強さはお化粧の傍証になるのかも知れない。東証1部の売買代金も2兆8740億円と9日ぶりに2兆円を超えた。ただMSCIの銘柄入れ替えの影響が約1兆円と計算されており実質は2兆円割れの薄商い継続。

今年初めての5日続伸。5月9〜12日、4月19〜22日、3月1〜4日と今年は4日続伸までのリズムだった。少しの変化の兆しだろう。「年初から5ヶ月経って、ようやく5日連続高」との声もある。ただ空売り比率は株価上昇でも40%台復活。冷徹な目は25日線からの2.8%かい離を行きすぎと捉えていたのだろうか。
日経平均株価は166円高の17234円と5日続伸。ファナック、パナソニックが上昇。あすか薬、三菱総研が下落。

1日(水):
5月はNYダウが4カ月続伸、NASDAQは反発、S&P500が3カ月続伸。月間ではほぼ2年ぶりの上昇局面となった。WTI原油先物は月間ベースで4カ月連続上昇。こちらは5年ぶりの長期上昇局面。「経済統計は良好で原油相場は狭いレンジで推移しており、劇的なことは何もない。薄商いの中のじり安」との声。

日経では「新興市場値動き荒く」という見出しだが、新興市場の下落の影響は結構大きそうな気配。先週の信用買い残は431億円減少し2兆4899億円。救いは売買単価が918円→976円→1136円まで上昇したこと。株高は売買単価の上昇を伴うというのが経験則でもある。
風格が漂った印象の日経スクランブルの見出しは「日本株悩ますねじれ」。先進国ファンドから資金流出→先進国債券ファンドに資金流入=リスクオフ。一方で、リスクオフ局面で売られる筈の新興国債券と株式に資金流入。これがねじれだという。

興味深かったのは2月の上海でのG20財務相・中央銀行総裁会議。参加各国はドル安の密約を結んだのではないかとの観測。「新興国からの資金流出につながるドル高を止めて、ドル安の為替誘導。新興国経済を支える『官制リスクオン』の合意があったと考える海外勢は多い」。となると「成長鈍化が目立つ新興国からは資金流出が続く。ドル安誘導だから為替は円安に進まず、日本株はもっとも大きなあおりを受ける」。
今の日本株のガソリン切れを説明するには最もな説に映る。あれこれ焦点を暈していくのが市場の特性。特に外の目を利用するのは永田町も兜町も一緒だろう。
サミットがなければ消費増税延期の舞台も整わなかった。その消費増税延期を信じるかどうかの時間はもう過ぎた。次はその先にある金融政策との一体化だろう。

先月は外資件ベンダーの過大な緩和観測に日銀がへそを曲げた印象。今月は静けさが漂っているからサプライズにはふさわしいだろう。そのまた先は景気対策としての大型補正だろう。塚わなけらばリターンがないのが税金だとすれば、使い道をうまく考えるのが霞が関の役割。使い道に規制のないような知事のマネーと違って予算は創造と収益を生み出す筈。
消費増税延期での逸失利益は約4兆円。だったらその代替を搾取に求めるのではなく、成長の果実に求めたらいいのではなかろうか。税を徴収するのではなく税を創造する方向が見たいもの。社会保障充実のための1.3兆円を創造できない筈はなかろう。

大化の改新以来1370年も続いている租庸調の発想はそれこそ改新が必要だろう。後場の急落を見せた東京株式市場だった。先物の売り崩しという指摘も聞こえた。しかし手口面から見ると225でアムロやドイツは買い越し。売り手は野村・モルスタ・大和。TOPIXではソジェン、クレディとGSの売りが目立つ程度。腑に落ちない点もある。

消費増税再延期について一部のアナリストは「日本の追加緩和への積極性が薄れるとの懸念を高めた。日本の当局者の間に経済情勢をめぐる不安がいかに強いかが示された」との声。「増税再延期は、日本経済が改善していないことを改めて浮き彫りにした」とコメント。消費増税延期に対する海外の見方のギャップが昨日の下落要因だった可能性も少しはあろうか。
日経平均株価は279円安の16955円と6日ぶりの反落。ソフトバンク、スター精密が上昇。ツルハ、アジア投資が下落。

2日(木):
水曜に発表されたOECDの半年ごとの報告書「エコノミックアウトルック」。結論は「世界経済が自己実現的な低成長のわなに陥りつつある。そこでは超緩和的な金融政策が益よりも害をもたらすリスクがある。2008年の金融危機の後、需要回復や経済改革の進展が不十分だと先進国政府が批判の矢面に立たされた。成長押し上げでは金融当局が過度の負担を強いられてきたとしている。金融当局が資産購入を通じて資金供給し、一部ではマイナス金利を導入するなどした結果、一連の政策の効果は薄れつつあり、金融市場のボラティリティ(変動性)を招来する恐れもある」。

OECDのチーフエコノミスト、キャサリン・マン氏のコメント。「金融政策が主要な手段として、余りにも長く単独で活用されてきた。財政政策、構造政策の支援がほとんどない中、孤立無援の状態で景気てこ入れに努めた結果、利益とリスクのバランスは崩れつつある。負の循環回路が作動している。需要不足や世界的な不確実性、改革の進展の遅れが投資を阻害する一方、貿易の伸びも低調なままだ」。今年の世界の成長は3%増と2月18日の前回予想と同じ数字に据え置き。2015年の成長も3%増だったことから伸び悩みとなる。2017年は3.3%増へ加速の見通し。OECDは今回、今年の米国と日本の成長見通しを下方修正。ユーロ圏の見通しは上方修正した。
米国のGDP見通しは1.8%増。2月時点の2%増から引き下げられた。17年の見通しは2月時点と変わらずの2.2%増。ユーロ圏の今年の成長見通しは1.6%増。2月時点は1.4%増。17年は1.7%に据え置いた。今年と17年の中国の成長予想はそれぞれ6.5%増、6.2%増に据え置き。「世界経済が低成長のわなにとどまる期間が長期化すれば、負の循環回路から脱して市場の力を回復させ、高成長の軌道に経済を押し上げるのが一層難しくなる。負のショックがあれば世界は深刻な低迷に逆戻りする恐れがある」というコメントも見られる。

日本については「前例なき高水準の公的債務が主要リスクのひとつ」だと指摘。財政健全化目標達成のために消費税や所得税など様々な税率を引き上げて歳入増を実行に移さない限り、財政持続可能性に関する信認が失われ、世界経済に大きく波及するとの見方。

この見通しは、2017年4月の消費税率引き上げを前提。社会保障支出の増加抑制策や消費税率の漸増、所得税、法人税の課税ベース拡大、環境税引き上げなどの歳入増加策など、詳細かつ具体的な戦略を実行に移さない限り、財政の持続可能性に関する信頼が失われると警告。生産性を高め、経済成長率を2%に高めていくためには、大胆な改革が必要だと指摘。

環太平洋連携協定(TPP)や欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)、日中韓自由貿易協定(FTA)の締結が有益だとした。経済成長は、16年はプラス0.7%、17年は0.4%と予測した。
日経平均株価は393円安の16562円と大幅続落。マルハニチロ、ドンキが上昇。国際帝石、住友商事が下落。

3日(金):
運用資産が500兆円とも言われる米ブラックロック。欧米株の見通しをつ「中立」に引き下げ。米国株についてはバリュエーションの高さとFRBの利上げ確率の上昇が理由。「6月は株よりも債券を選ぶ」投資シナリオというのはどうなのだろう。「まだ債券ですか?」なのか「債券を売り抜けたいのですか」と質問してみたい。

ゴールドマンは「今後12か月でTOPIXは1450ポイントまで回復」とのレポート。しかし従来目標の1550ポイントからは下方修正した。マイナス要因は「外国人の大規模な売り」。プラス要因は「大規模な財政金融政策、円安の可能性、利益成長、事法・年金・日銀の買い」。

もっとも外国人売りは峠を越えた一方、国内投資家の潜在買い余力は最大23兆円との観測。自社株買い7兆円、公的年金9兆円、日銀7兆円。これは時価総額の5%になるとの指摘。もっともな指摘は売買代金に関してのもの。
「特定の市場参加者によって取引高がかさ上げされるよりも、2兆円割れが実需を反映した健全な状態。そう考えて薄商いを許容するべきだろう。
2014年8月11日から9月2日まで17日間の2兆円割れ。この時の日経平均は9連騰を含む13勝4敗で6%超の上昇だった。2014年7月2日から7月30日まで20日連続2兆円割れ。この時の日経平均は2.10%の上昇だった。邪魔が入らなければ安穏として平和な市場展開。高速取引と先物取引はまさにお邪魔虫の印象。
日経平均株kは79円高の16642円と3日ぶりの反発。ファーストリテ、アダストリア、ペプチドが上昇。キャノン、JDI、横河が下落。


(2) 欧米動向

今年はNYダウ誕生120周年(5月26日)だった。
最近では1000ドルごとに上値を切り上げるのに要した時間の指摘。
2013年5月に15000ドルに乗せてから18000ドルまでの平均は137日。
現在は17000ドル台で次の大台の背中すら見えずに既に360日以上経過。
上げ相場はリーマン以降8年目に達したというのだが・・・。

悪役はアップルとの指摘が聞かれる。
昨年3月19日に採用されてからの下落率は約20%。
シスコシステムズが採用されたのは09年だが、それ以前の上場来高値を上回っていない。
「ITセクターでダウ平均に採用されると企業としてのピーク」とも言われる所以。
因みに多くの銘柄が消えたダウで最初からいるのはGE。
アップルが指数採用後に約20%の上昇。
NYダウが温故知新だとしたら、東京は少しマネをする必要があるのかも知れない。

参議院選挙よりも盛り上がるだろうというのは米大統領選挙。
トランプ大統領の誕生確率は上昇してきた。
NYでの大統領選のアノマリーは3か月前の法則。
大統領選挙前の3ヶ月間のS&P500がプラスであれば与党(民主党)の勝利の可能性。
逆にマイナスであれば野党(共和党)の勝利の可能性。
2012年までの過去22回の大統領選で19回はこうなったという。
確率86%は結構大きい。

そして大統領選挙の年のNY市場。
傾向として「年前半よりも後半に上昇パターン」。
第2次世界大戦以降16回の大統領選の年を1〜4月と6〜12月に分けてみると・・・。
1〜4月の勝率は16戦8勝8敗。
6〜12月の勝率は16戦14勝2敗。
都合の良いアノマリーはNYでも東京でも世界中に存在する。


(3)アジア・新興国動向

ブルームバーグでは「中国株が再び、空売り投資家の標的となっている」との指摘。
覚えておいた方が良いかも知れない。
ただ、上がってなければ売りで儲けにくいのが株式市場。
そんな過熱水準ではないのだが・・・。

中国本土株に連動する香港最大級のETF「CSOP・FTSEチャイナA50ETF」対する空売り。
今月に入って約5倍に膨らみ、1年ぶりの高水準となった。
空売りが前回これほど増えた際は、その後に中国の強気相場が大幅な下げに転じた。
慎重な見方に十分な根拠があったことが証明された。
先行きに悲観的な投資家は人民元下落で中国株にあらためて売り圧力がかかるとの予想でポジションを構築。
人民元は今月昨年8月の実質切り下げ以降、5月は月間ベースで過去2番目の下落率。
中国経済の見通しは悪化。

米金融当局が利上げ準備を進めていることを受けたドル上昇が元安につながっている。
「米利上げの可能性が高まっていることで、人民元に下落圧力がかかっている」とコメント。

「CSOP・FTSEチャイナA50ETF」に対する空売り比率は25日に6.1%。
2015年4月以来の高水準となった。
昨年、中国株式相場がピークを付けたのは、その2カ月後。
同ETFへの空売り比率、今年4月末は1.3%。
米上場の「iシェアーズ中国大型株ETF」に対する空売り比率は25日に18%。
2年ぶりの高水準に急上昇した。1カ月前は3%にすぎなかったという。

【展望】

スケジュールを見てみると・・・

5日(日):新月
6日(月):イスラムラマダン入り、イエレンFRB議長講演、米中戦略・経済対話(北京〜7日)
7日(火):米消費者信用残高、大統領選予備選集中日、ユーロ圏GDP改訂値
8日(水):GDP改訂値、国際収支、景気ウォッチャー調査、中国貿易収支
9日(木):機械受注、マネーストック、都心オフィス空室率、工作機械受注、米卸売売上高、中国消費者・生産者物価、中国・香港・台湾休場
10日(金):メジャーSQ、企業物価指数、第三次産業活動指数、米財政収支、ミシガン大学消費者信頼感

週末:中国経済指標

相場に混在しているのは未来への期待と未来への不安。
上がるか下がるかの相場観とその結果がもたらす未来だろう。
一方、永田町の政策の中でも混在しているのがこの未来への不安だろうか。
社会保障の充実と言う名のもとに消費増税で行われているもの。
5%→8%に引き上げて総額1.35兆円で実現されたもの。
待機児童解消策5600億円。

これは喫緊の策。
そして国保の保険料減免の対象者拡大に600億円。
国保への財政支援2200億円。
低所得者の介護保険料の軽減220億円。
これをみると待機児童解消策が圧倒的に大きい

今回の8→10%の引き上げで1.3兆円実施される予定だったもの。
低所得者への介護保険料のさらなる軽減と国保への財政支援5000億円。
50万人分の保育の受け皿1000億円。
公的年金受給資格の短縮300億円。
低所得者に年6万円を給付で5600億円。
月に5000円ずつの支給で5600億円。

数が多くなると金額も大きい。
将来のために不安を取り除いてくれるのが政治。
だから国保の支援や年金資格の拡大は欲しいところ。
未来への期待ではなく未来への不安が大きいからこうなるのだろう。

不毛の傍証がこれらの社会保障というのは言い過ぎかもしれない。
以前、金融の世界で流行したのは自己責任原則。
これって投資の世界だけの話ではないだろう。
アリとキリギリスでキリギリスが勝つのは不公平という見方もある。

いずれにしても政治の世界での分配はなかなか難しそう。

5月最終週のアノマリーはNYのメモリアルデー。
1971年以降メモリアルデーの週のS&P500は平均0.54%の上昇。
月曜が休場だから4日間しか立ち会いがなくともしっかりという様相。
そしてメモリアルデー後にはボラティリティが上昇する傾向とも。

さて今年は・・・。
2014年末に142社が採用していた統合報告書。
2015年末には224社と1年で2倍。
興味深いのはリーマンショック時の2008年9月と現在との株価の比較。
単純な平均だが、統合報告発行企業の平均はTOPIXをアウトパフォーマンスしている。
従来は「どれだけをどうして儲けたのが」がメイン。
これからは「どうして儲け続けることができるのか」がメインストリームとなってくる。

★現在の優秀な経営者がマネジメントに参画できなくなる可能性。
★現在の事業を支えている事業の陳腐化。
★円滑な商慣行を支えていた商品・ブランドの毀損の可能性。
★木や水などが安価かつ安定的に調達できなくなる可能性。

これら非財務的要素は今後より必要になってくる。

一般的には・・・。
(1)知的資本(2)人的資本(3)製造資本(4)社会・関係資本(5)自然資本。

これに財務資本を加えた企業価値を見なくてはいけないということ。
その延長戦上でESG投資(環境・社会・ガバナンス重視)も登場してきた。
ESGをテーマとしたファンドの資産規模は世界で21.3兆円。
日本はまだまだですが、それでもようやく日本にもESGが根付く素地ができてきた。
従来投資家が重視してきたのはROEなど経営指標、中期計画、今期予想など。
これが今後は事業活動の方向性と将来の持続性が加わってくる。

例えば経営指標としてのROE、経営トップのメッセージとコミットメント、経営理念、長期戦略、価値創造プロセスモデル、ガバナンスの方針と体制。
非財務的要素が多くなってくることは間違いない。
従来は「そんなこと機関投資家の世界でしょ」だった。
しかしいずれはこの「非財務的要素」の視点が個人投資家の視点となってくる筈。
行く先は個人投資家との統合思考コミュニケーションの拡大ということ。

統合思考の図式=「企業ファン株主」と「ロイヤルカスタマー」の創造。
数字だけがウェイトを持っていたIRと経営の世界にストーリーが盛ち込まれる。
ということは投資判断の軸が変わるということ。

「これまで個人投資家からの質問は足元の話ばかり。
その印象は過去のものになりつつある。
投資家サイドの変化は確実に起こっている。
必要なのは統合思考で動きだすこと」。
どうしても学問チックに捉えられがちな「コーポレートガバナンス」とか「ESG」や「統合報告」。
必要なのは市場でどうあるべきかを想定して、あるいは自分の投資にどう影響するかを考えること。
そんなにややこしくはない。
結論は「常識的な報道規範とモラルを持ち、明確な未来予測図が描かれているかどうか」。

あるいは「社会に必要不可欠な存在と認められてもらえるかどうか」。

あるいは「投資家が夢を感じられて好きになってもらえるかどうか」。

好きか嫌いかは恋愛と一緒。
好きになる理由は意外と単純なものかも知れない。
無機質だった株式市場がヒトらしさを取り戻すツールになれば良いだろう。

(兜町カタリスト 櫻井英明)


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