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8月3週
今週の相場感
(2) 欧米動向
為替市場で流行しているのは「テーパリング(緩和縮小)」の言葉。 8月円高のアノマリーも頭をもたげてきた。 しかし6月米貿易収支の赤字幅は3年半ぶりの水準まで急減、 第2四半期の米GDP成長率は押し上げられる可能性が高い。 それでも無理矢理のドル安円高シナリオには多少の無理がありそうだが、力さえあれば無理を無理でなくすのもマーケット。 欧州ではフィッチがドイツの格付けAAAを確認。 コメントは「独政府は一部の主要な財政上の目標を達成した」。 優等生の面目活如だろうか。 一方でポルトガルの第2四半期の失業率は16.4%。 過去最悪だった前四半期の17.7%から2年ぶりに改善した。 しかし若年層の失業率は37.1%。 これまでの42.1%からは改善したという。 良い数字なのか悪い数字なのかは結構微妙だが・・・。

(3)アジア新興国動向
中国の7月の貿易統計で輸出額が増加。 中国の7月消費者物価指数は市場予想を下回ったことなどは好材料視されている。 基本的に減速予測の同国経済ながら株価は反転基調。世界市場の成長の邪魔はしない格好となっている。

【展望】
スケジュールを見てみると・・・。
12日(月)4〜6月GDP、企業物価指数、首都圏マンション発売、米財政収支
13日(火)6月機械受注、日銀金融政策決定会合議事要旨、米小売売上高、企業在庫、ユーロ圏鉱工業生産、毒ZEW景況感
14日(水)米卸売物価、ユーロ圏4〜6月GDP
15日(木)8月月例経済報告、米消費者物価、鉱工業生産、NY連銀景気指数
16日(金)米住宅着工、ミシガン大学消費者信頼感指数

物事は登場するファクターが増えるほど複雑になる。 そしてそのシナリオも倍々ゲームで多様化する。 ここがマーケットの思う壺なのではないかと考えることはしばしば。 複雑にした連立方程式の解を求めるよりは、単純な図式での思考の方が間違いは少ない。 だから、市場関係者やマスコミが提示する複雑なシナリオから枝葉を取り除くことも必要だろう。 得てしてマーケットは単純なファクターでしか動けないと言う方が正しいような気がする。 マーケットを覆っている手品の幕を明けて見れば少しはスッキリするのかも知れない。

現状の登場人物は・・・。 (1)米国の金融緩和の早期縮小の有無
(2)日本の消費税増税の実施の有無
(3)欧州景気の軟調
(4)中国の景気後退懸念とシャドーバンクの行方
(5)新興国経済の不振

といったところであろう。 5つもあるからアチコチ右顧左眄することは間違いない。 しかし欧州景気の軟調や中国の景気後退は既知のこと。 なんど言われても蒸し返しにしかならない。 そして新興国経済のインパクトは所詮刺身のツマ。 これがデフォルメされても長続きはしない。 ならば大きな課題とされているものは米国の金融緩和縮小の時期と日本の消費増税の有無。 (ただしどちらも真実の論点ではない気もするが・・)。 このシナリオを考えるために、右往左往というのが現状。 たった2つでも要素が大きいので結構難解な解ではある。 しかし枝葉を取り除いた幹だけを見れば・・・。 日本の景気を悪くする方向の増税をマーケットが望むのかどうか。 世界の市場に影響のあるドルの増刷を減らすことが出来るのかどうか。 あるいは、依然としてリーマンショック並みの相場動乱を望むものに分があるのかどうか。 この論点から行けば、リーマンショック後の世界経済の復活=アメリカ経済の堅調が望まれない訳はない。 枝葉の視点でなければそうなると思うのだが・・・。 中国のシャドーバンクの問題を持ち出す向きもあるが、むしろ日米の軋轢の方が懸念ではなかろうか。

裁定買い残は1183億円増加し3兆5656億円。 前週は500億円程度の減少だったが大方の味方に反して増加した。 前週末にかけての株価の戻しが奏功したというところだろうか。 もっとも昨日は株数で606万株の減少。 今週は今のところ減少だろうが、それでも裁定解消への怯えはまだ必要ないような気がする。 因みに・・・。 日経平均の25日移動平均線は14319円で3.45%マイナス乖離。 75日線は13909円で1.17%マイナス乖離。 200日線は11939円で15.79%プラス乖離。 25日線のセオリーから行けばまずは下値メドはマイナス4%乖離。 さほど下がある訳でもなさそうだが・・・。

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