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【市況】ダウ続落91ドル安、ハイテク決算控え様子見 |
30日のNYダウ工業株30種平均は続落し、前日比91ドル51セント(0.21%)安の4万2141ドル54セントで終えた。
半導体銘柄などが軟調で、エヌビディアは1%超下げた。アドバンスト・マイクロ・デバイシズは10%超安。人工知能(AI)向けサーバーを手がけるスーパー・マイクロ・コンピューターは33%下落。同社のガバナンスに懸念があり、監査を担っていた大手会計事務所のアーンスト・アンド・ヤング(EY)が辞任したと報じられた。この日決算を発表したキャタピラーも値下がりした。
一方で前日に堅調な2024年7〜9月期決算を発表した米グーグルの親会社アルファベットは上伸。売上高は前年同期比15%増、純利益も34%増と好調だった。ビザも好業績を受けて3%近く上昇した。
この日公表された米統計は強弱入り交じる内容だった。民間雇用サービス会社ADPが発表した10月の全米雇用報告によると、非農業部門の民間就業者数は、前月比23万3000人増と、市場予想(ロイター通信調べ)の11万4000人増を上回った。
また、米商務省が発表した7〜9月期の実質GDP(国内総生産)速報値は、季節調整済み年率換算で前期比2.8%増となった。伸び率は前期(3.0%)から小幅に縮小し、市場予想も下回ったものの、プラス成長は10四半期連続で米経済の底堅さが示された。
四半期決算を発表した銘柄を中心とする売買が目立った。半導体株全体が売られ、投資家心理の重荷となった。通常取引終了後のハイテク大手の決算発表を前に様子見姿勢の投資家も多く、取引終了にかけて下げ幅を広げた。
主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)は3%安となった。
ダウ平均は200ドル超上げる場面もあった。ビザが3%近く上昇した。前日夕発表の24年7〜9月期決算が市場予想を上回り、アナリストによる目標株価の引き上げも相次いだ。同業のアメリカン・エキスプレスも買われた。そのほか、メルクやアマゾン・ドット・コムなどが買われ、指数を下支えした。
30日夕のマイクロソフトやメタプラットフォームズといった主力企業の決算発表を前に「人工知能(AI)関連の需要を確認したい雰囲気が強い」との声が聞かれた。11月1日には10月の米雇用統計の発表、来週には米大統領選挙の投開票や米連邦公開市場委員会(FOMC)を控える。相次ぐ重要イベントを前に積極的な売買は見送られやすいとの指摘もあった。
ナスダック総合株価指数は5営業日ぶりに反落した。前日比104.817ポイント(0.56%)安の1万8607.931で終えた。前日に最高値を更新した後で高値警戒感がくすぶるなか、半導体企業の決算を受けた売りが業界全般に広がり、エヌビディアやクアルコム、マイクロン・テクノロジーなどが下げた。半面、前日夕に発表した決算が市場予想を上回ったアルファベットは買われた。
【シカゴ日本株先物概況】
30日のシカゴ日経平均先物は上昇した。12月物は前日比125円高の3万9295円で終えた。同日は日経平均株価が上昇し、シカゴ市場の日経平均先物にも買いが優勢となった。
NYダウ平均は、企業決算や経済指標がまちまちな内容となる中、続落した。
シカゴ日経225先物 (円建て)
39295 ( -195 )
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
39385 ( -105 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
30日のFTSE100種総合株価指数は続落し、前日比59.98ポイント(0.72%)安の8159.63で終えた。英GSKとアストラゼネカといった時価総額が大きい製薬株が下げ、指数を下押しした。
GSKは30日公表した2024年12月通期の業績見通しで、全体の業績については従来予想を維持したもののワクチンの売上高予想を下方修正した。情報関連サービスの英RELXや、ユニリーバといった日用品株も下げた。30日に増益決算を公表した英スタンダードチャータードなど銀行の一角が買われた。衣料小売りの英ネクストなど小売り関連に買いが入った。
リーブス英財務相が30日に秋季予算案を提示した。経済成長へ向けた公共投資が進むとの受け止めから、住宅建設株に買いが増える場面があった。
FTSEの構成銘柄では、鉱業大手アングロ・アメリカンが3.93%安、製薬大手GSKが3.07%安、同業アストラゼネカが2.84%安と下げを主導。一方、賭け屋大手エンテインは8.64%高、金融大手スタンダード・チャータードは4.13%高、特殊化学品大手クローダ・インターナショナルは3.12%高と買われた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
30日のドイツ株価指数(DAX)は続落し、前日比220.73ポイント(1.13%)安の1万9257.34で終えた。主要企業による決算発表が相次ぐなか、市場予想を下回る見通しなどが出て投資家心理を冷やした。ソフトウエアの独SAPやシーメンスといった主力株に売りが優勢だった。
米アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が29日公表した2024年10〜12月期の売上高見通しが市場予想をわずかながら下回ったのを受け、半導体の独インフィニオンテクノロジーズが下落した。
個別では、医療機器のザルトリウスが3.52%安、半導体大手インフィニオン・テクノロジーズが3.48%安、商用車大手ダイムラー・トラックが2.61%安と下げた半面、30日に24年7〜9月期決算を公表した自動車大手フォルクスワーゲン(VW)は1.08%高、コメルツ銀行は0.62%高、分子診断大手キアゲンは0.45%高で引けた。
■フランス・パリ株価指数
フランスの株価指数CAC40は続落し、前日比1.10%安で終えた。低調な企業業績などを手掛かりに売りが膨らんだ。
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