相場概況(前引け)
大幅続落、円高加速が嫌気されて36000円割れ
東京株式(前引け)=大幅続落、円高加速が嫌気されて36000円割れ

 
17日午前の日経平均株価は大幅に続落し、午前終値は前週末に比べ753円22銭(2.06%)安の3万5828円54銭だった。
 
前場は主力株中心に大きく売り込まれ日経平均株価は続急落となった。18日に判明するFOMCの結果を前にFRBが大幅利下げに動く可能性が取り沙汰され、外国為替市場ではドル安・円高を誘発した。これを受けて先物主導で全体相場に仕掛け的な売りが発生し、日経平均を押し下げている。自動車や機械といった輸出関連株に採算悪化を懸念した売りが出た。前場中ごろには東京エレクトロンなど値がさの半導体関連株が下げ幅を拡大し、日経平均を押し下げた。
ただ、大型株の下げが目立つ一方で中小型株には買われる銘柄も少なくなく、値下がり銘柄数は全体の64%にとどまっている。
 
16日のNYダウ工業株30種平均は4日続伸した。米連邦準備理事会(FRB)が17〜18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で通常の2倍となる0.5%の利下げを決めるとの観測からおよそ2週間ぶりに最高値を更新した。一方で日米金利差の縮小観測から16日の外国為替市場では円相場が一時1ドル=139円台と約1年2カ月ぶりの水準まで上昇。足元では1ドル=140円台半ばまで上げ幅を縮めているが、東京株式市場はダウ平均の最高値より円高進行への警戒感が強く、ホンダやトヨタなど自動車株が軒並み下落した。
 
前引けにかけては半導体関連株が一段安となり、日経平均は下げ足を速めた。市場では「足元で上昇していた米ハイテク株が前日に下落したなか、FOMCを前にポジション調整の売りが強まったようだ」との声が聞かれた。
 
債券市場では、米金利低下を受けて10年債利回りが0.825%まで低下しており金融株の下げ要因となっている。16日時点のシカゴ・マーカンタイル・エクスチェンジ(CME)が算出するFed Watchツールでは、0.25%利下げ予想が33%、0.50%利下げ予想が67%とダブルスコアまで差が拡大した。
 
市場では、FOMCで0.25%の利下げに留まった際、史上最高値圏にある米国株が急落する可能性も指摘されており、日経平均の下押し要因となっているようだ。後場の東京時間も、為替市場を横目に見た神経質な地合いとなろう。為替が1ドル139円台に突入した場合、日経平均一段安の可能性は十分あるので警戒したい。
 
 
 
東証株価指数(TOPIX)は続落した。前引けは46.40ポイント(1.80%)安の2524.74だった。JPXプライム150指数も続落し、23.78ポイント(2.06%)安の1128.00で前場を終えた。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆9886億円、売買高は9億1565万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1048。値上がりは558、横ばいは37だった。
 
 
 業種別では、保険業、銀行業、電気機器、証券・商品先物取引業、輸送用機器などが下落した一方、海運業、水産・農林業、空運業、倉庫・運輸関連業、陸運業などが上昇した。
 
個別では、東京エレクトロン、アドバンテスト、ルネサスエレクトロニクス、レーザーテック、ディスコなど半導体製造装置関連が大きく値を下げたほか、ソフトバンクグループも下値を探る展開に。三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンクも売られた。このほか、りそなHD、第一生命HD、東京海上、野村、みずほなど金融株も売られた。エイチ・アイ・エスは大幅安。TDK、SUMCO、村田製作所などが下落した。
 
一方、三菱重工業が頑強な値動き、日本郵船、川崎汽船、商船三井など海運株がしっかりだったほか、国内証券会社が目標株価を引き上げたことで住友化学が堅調。このほか、サッポロHD、ニチレイ、イオン、日本ハムなど円高メリット銘柄の一角が買われた。イオンも堅調。マネジメントソリューションズがストップ高、エターナルホスピタリティグループも値を飛ばした。

 

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