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アフターランチ
「不可逆性」
「不可逆性」
 
「不可逆性」
 
前場の日経平均株価は250円21銭安の20404円92銭と大幅反落。
逆イールドの展開からNY株式市場でNYダウが今年最大の下げ幅を記録するなど主要株価指数が軒並み急落。
リスク回避の売りが先行。
一時20184円85銭(前日比470円28銭安)まで下落した場面もあった。
ただ売り一巡後は円高一服や時間外取引での米株価指数先物高を支えに下げ渋りの動き。
前日比マイナスながらほぼ高値水準での前引け。
「1ドル=105円を割り込まず、時間外の米株先物が上昇。
中国株の下げ幅縮小もあっての買い戻し」との見方だ。
東証1部の売買代金は1兆184億円。
値上がり192銘柄、値下がり1910銘柄。
富士通、トレンドが上昇。
SBG、リクルートが下落。
25日線からの5%マイナスかい離の20207円がポイント。
8%マイナスかい離が19569円。
ボリンジャーのマイナス2σが20372円。
マイナス3σが19992円。
PER11倍割れ水準は19448円。
PBRの1倍割れは20053円。
前引け段階で日足は長い陽線(20324円ー20404円)。
寄り付きは6日寄り付き値20324円がサポートした格好となった。
「NYが下げているから敢えて東京でヘッジする理由もなくなった」。
そんな声も聞こえる。
「先行したヘッジ売りの買い戻し」の市場展開なのだろうか。
 
 
40万部超のベストセラー「図書館の魔女」(高田大介著、講談社)を読んでいて妙に脳裏に残った一節。
「どんな手段に依るにせよ言葉たるものは必ず時の運行に従う。
言葉は一方通行で不可逆」。
「言葉は用いる手段の如何によらず、一条の線をなして、ただ一方向へのみ進む。
戻ることのないただ一本の線、まさしく時がそうであるように、言葉もまたそうある。
言葉は時とともにあり、時の中にしかない」。
「言葉は小から大ヘ階層構造を持って組み上がっていく。
有限の記号が漸次複雑さの度合いを増して、世界そのものの複雑さに拮抗しようとする」。
「開くべき最初の頁、たどり着くべき最後の頁がどこにあるかも判らない。
読み進むべき方向も明らかではない。
にもかかわず任意に頁を紐解いても、そこには一条の不可逆の線が刻まれているだろう」。
「ありとあらゆる言葉たちがただ一つの規則のみは遵守している。
そこには必ず順序を持ち、前後の別を持つ後戻りすることのない一本の線を成した言葉が刻まれている」。
読んだ瞬間に頁の残像とデフォルメされた活字が体内を電流のように駆け抜け脳髄に刻まれた。
特に「不可逆性」という言葉の意味するものは「株価も一緒だ」。
上か下かは別にして、株価はただ一方向へ進む。
罫線にすれば時間軸とともに左から右への方向だ。
水準そのものは高値や安値に近づくことがあるかも知れない。
しかし、それは元の水準とは違うもの。
同じ株価を再現しても、それは時間の進行とともに現れる新たな材料を消化したものに他ならない。
そして、日夜材料が湧いてくる以上、株価は不可逆。
だからこそ、瞬時を重要視することも求められるに違いない。
もちろん規則も順序がある。
そして前後の連続性もある。
しかし後戻りすることなく刻まれ続けているのが株価なのだ。
そして刻まれた株価を消すことも不可能。
不可逆性を無視しては未来投資も成立しないだろう。
不可逆だからこそ、消化材料を求め吸収し、成長するのが株価なのだ。
個人にとって最初と最後の頁はある。
それは買った時と売った時。
しかし市場には残念ながら最初の頁も最後の頁も存在しない。
永遠の時の刻み同様に株価も永遠。
だからこそ、連続性がある。
連続性は瞬間の積み重ねなのである。
市場は壮大な叙事詩というと言いすぎかも知れないが・・・。


(櫻井)

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