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毎日コラム
「バイオ戦略」
 
「バイオ戦略」
 
「政府10年ぶりバイオ戦略」の見出し。
政府がバイオ分野の戦略を策定したのは2008年まで遡る。
その後、遺伝子を効率よく改変する「ゲノム編集」、次世代シーケンサー(遺伝子解析装置)などの技術が急速に発展し、国際競争が激しくなった。
 
日本には優れた研究成果が多いが、産業化の実績は乏しい。
官民で危機感が募り、新たなバイオ戦略では産業化の支援を強く打ち出した。
近年、温暖化対策などが世界的な課題となり、バイオテクノロジーなどを全産業で活用する「バイオエコノミー」という考え方が広まっている。2030年まで産業化を支援するという。
 
バイオ分野では膨大なデータをAIなどで分析、利用するのが世界的な潮流だ。
バイオを量子コンピュータ、量子暗号などの量子技術、AIと並ぶ重要分野と位置づけている。
新しいバイオ素材や作物の新品種開発に必要なデータも共有・活用が進んでいないため、新戦略ではデータベースの拡充や統廃合に取り組む。ただ、既存のデータベースの検証から始める必要があり、複雑かつ膨大な作業が求められそうだ。
 
 
「日本に逆転できる潜在力がある9分野」将来に狙うべき9つの市場領域を提示した。
 
(1)高機能バイオ素材
(2)バイオプラスチック
(3)持続的一時生産システム(農業生産性)
(4)廃棄物、排水の有機処理
(5)生活改善ヘルスケア、機能性食品、デジタルヘルス
(6)バイオ医薬品、再生医療、細胞治療、遺伝子治療の関連企業
(7)バイオ生産システム(微生物・細胞利用)
(8)バイオ関連の分析・測定・実験システム(センサー・ロボット)
(9)木材活用大型建築、スマート林業
 
重要なのは市場で話題になる医薬系バイオだけがターゲットではないということ。
産業用や農林業用がメインということ。
その意味でさらに大きな分野がターゲットとなるだろう。
 
プラスチックごみ(廃プラ)問題への対策としても重要なバイオプラスチック、高機能バイオ素材のほか、バイオマスの活用として木造の大型建築を重点領域に選んでいる。

多くの企業が続々と参入していることもあり、今後の動きが注目される。
一部の銘柄をピックアップしたので紹介します。
 
コード 企業名 市場 概要
4584 ジーンテクノサイエンス マザーズ ノーリツ鋼機グループの創薬ベンチャー。バイオ新薬開発やバイオ後続品、再生医療分野の新規バイオ開発が事業の柱。主力の好中球減少症治療薬「フィルグラスチムBS」の販売が計画通りに推移。
6330 東洋エンジニアリング 東証1部 石油化学関連のプラントを建設。エンジニアリング大手3社の一角。エチレンや肥料、アンモニアなどのプラント建設に強み
3401 帝人 東証1部 合繊大手。アラミド繊維や炭素繊維、ポリカ樹脂で高シェア。電子材料、医薬品、在宅医療機器なども手掛ける。直近はM&Aを活用して自動車関連を強化。
4118 三菱ケミカルホールディングス 東証1部 総合化学最大手。生分解性プラスチック「BioPBS」を用いたストローが、4月1日から京急グループ全社で導入されたことに続き、5月にはワシントンホテルが運営するホテル内の飲食店舗・宴会場で同ストローに切り替える。
3103 ユニチカ 東証1部 フィルム・樹脂など非繊維に注力。生分解性のバイオプラスチック「テラマック」に注力。3月25日、テラマックのストロー向け樹脂グレード「TP−5040」を開発したと発表。TP−5040を用いたストローは、一定の柔軟性と剛性、及び加工性を併せ持つ最適な樹脂で、従来のプラスチック製と同様の使用感が得られるという。
4118 カネカ 東証1部 塩ビ大手。生分解性ポリマーPHBHを使用した製品の共同開発を矢継ぎ早に発表。まずは今秋をめどにセブン―イレブンなどで展開する「セブンカフェ」用のストローに導入される予定だ。
6090 ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ マザーズ 代謝成分解析技術を活かして製薬会社などを支援するメタボローム解析が主力。新プラン開発や中国開拓で事業拡大を狙う。期待のうつ病バイオマーカーは事業化に向け開発進む。
2931 ユーグレナ 東証1部 ミドリムシの機能性食品が主力。バイオ燃料開発やスキンケアブランド「one」等も手掛ける。いすゞ自動車などと資本提携。広告宣伝効率の見直しを図る。
4563 アンジェス マザーズ 国内では2019年3月に、「標準的な薬物治療の効果が不十分で、血行再建術の施行が困難な慢性動脈閉塞症における潰瘍の改善」を効能、効果または性能として、条件及び期限付販売承認を取得。
4564 オンコリスバイオファーマ マザーズ 放射線治療との併用療法では岡山大学で実施した医師主導臨床研究で高い治療効果が得られたことが発表されており、同社は先駆け審査制度を使って早期の上市を目指している。

 

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