相場概況(前引け)
55円高と続伸、海外勢の買い続く
東京株式(前引け)=55円高と続伸、海外勢の買い続く

 
10日午前の日経平均株価は続伸し、午前終値は前日比55円36銭(0.13%)高の4万1635円53銭と、9日に更新した史上最高値(4万1580円)を上回った。
 
きょう前場では、日経平均が続伸したものの上げ幅は限定的なものにとどまっている。朝方はマイナス圏で推移するなど不安定な値動きとなった。前日の米国株市場ではパウエルFRB議長の上院での議会証言を受け、ハイテク株中心に買いが続いた。NYダウは小幅安だったものの、ナスダック総合株価指数は6連騰でこの日も史上最高値を更新している。東京市場では前日に日経平均株価が約800円の上昇をみせていたことで目先筋の利益確定売りが上値を重くした。一方、下値では持たざるリスクを意識した機関投資家の買いが観測され底堅い。
 
トヨタやソニーGなど時価総額の大きい大型株への買いで東証株価指数(TOPIX)が一時、最高値を上回った。米ハイテク株の上昇が続いているのを支えに「海外投資家の日本株に対する買い意欲は引き続き強い」(国内証券のストラテジスト)との声があった。朝方は安く始まったファストリやソフトバンクグループ(SBG)など日経平均の寄与度の大きい値がさ株も上昇に転じ、日経平均を押し上げた。
 
 
為替は1ドル161円50銭台で推移しており、前日比では円安ドル高が進行している。パウエルFRB議長の議会証言内容がこれまでの発言内容とほぼ同じだったことで、早期の利下げ観測が後退。時間外の米10年国債利回りは4.30%とやや上昇している。今晩もパウエルFRB議長の議会証言は行われるが、「データ次第」という昨晩のスタンスはそのままが予想されるため材料視されないだろう。
 
昨日の東京株式市場は、パウエルFRB議長の議会証言に対する期待感が高まったことで先物の買戻しを誘ったと言われているが、期待に反して早期の利下げ観測は後退した。にもかかわらず、日経平均、TOPIXは史上最高値圏を維持したままである。昨日の大幅高の背景は、ショートカバーだけではなく、何かしらの投資資金が流入していると考える。一部では大型株を中心としたオイルマネーも流入しているとの話も聞こえる。後場の日経平均、TOPIXはじりじりとした上昇も期待できよう。
 


 

 
業種別株価指数では保険や証券といった金融株の上昇が目立った。割安株との位置づけから物色が向かいやすかった。長期金利が上昇したのも銀行などに利ざや改善を期待した買いを誘った。一方、機械、倉庫・運輸関連業、不動産業、卸売業、パルプ・紙などが下落した。
 
TOPIXは前引け時点では前日比2.61ポイント(0.09%)高の2898.16だった。JPXプライム150指数は続伸で前場を終えた。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で2兆1057億円、売買高は8億5065万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は489と全体の約3割だった。値下がりは1082、横ばいは73だった。
 
 
個別では、売買代金首位となったディスコが高いほか、ソフトバンクグループもしっかり。リクルートホールディングスが活況高、東京海上ホールディングスも買いを集めた。日東精工が値上がり率トップとなり、FPパートナーも大幅高。三菱自動車工業、スズキ、中外薬が上昇した。
 
半面、三菱重工業が利食われ、レーザーテックが下値を模索。日立製作所、ダイキン、アドテスト、豊田通商が下落した。クリーク・アンド・リバー社が急落、KOKUSAI ELECTRICも大幅安に売り込まれた。M&A総研ホールディングスも安い。

 

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