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英明コラム 4月第4週 マーケットストラテジーメモ
「英明コラム 4月第4週 マーケットストラテジーメモ」


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《マーケットストラテジーメモ》4月4週
 
【推移】
 
22日(月):
欧米市場はグッドフライデーで休場。週間ベースでNYダウは0.6%高、2週ぶり反発。NASDAQは0.2%高、4週続伸(累計4.7%上昇)。S&P500指数は0.1%安、4週ぶり反落。NYダウは終値ベースの最高値更新まで270ドル。
週間ベースで日経平均株価は1.5%高、3週続伸(累計4.7%上昇)。TOPIXは0.7%高、2週ぶり反発。東証マザーズ指数は1.9%高、2週続伸(同2.3%上昇)、日経ジャスダック平均は0.2%高、2週ぶり反発。東証2部指数は0.9%高、2週ぶり反発。
 
日経平均株価は17円高の22217円と続伸。TOPIXも続伸。マイナスに転じた時間帯もあったが結局続伸。もっとも後場はナギ。欧米市場の連休と週末からの10連休を受けて小動きだった。「手掛かり材料がなく、海外勢もお休み。閑散相場でやる気が感じられない」という声が聞こえる。東証1部の売買代金は1兆6263億円と今年最低で19回目の2兆円割れ。大和ハウス、武田薬、資生堂が上昇。任天堂、ファーストリテが下落。
 
23日(火):
3連休明けのNYダウは売り物優勢の展開で反落。NYダウは48ドル安。米主要企業の1?3月期決算の発表が山場を迎えるため取引を見送るムード。一方NASDAQは0.21%の上昇で8000ポイントの大台を3日ぶりに回復。
昨年10月上旬以来の高値水準だ。S&P500も続伸。3月の中古住宅販売件数は年率換算で521万戸、市場予想の530万戸を下回って2カ月ぶりに低下。シカゴ連銀全米活動指数は予想のマイナス0.10に対しマイナス0.15だったが反応は限定的。
 
日経平均株価は41円高の22259円と小幅に3日続伸。前場はマイナス展開だったが大引けにかけて上昇幅を拡大した。実質的に受け渡しベースでの平成最終日かつ10連休前の最終日だったことから買い戻しの動きも見られた。東証一部の売買代金は1兆9461億円。今年10回目の2兆円割れ。ダイキン、テルモが上昇。ファーストリテ、ファナックが下落。
 
24日(水):
NY株式は大幅続伸。S&P500とNASDAQは終値ベースの過去最高値を更新した。S&P500の最高値更新は昨年9月20日以来。「FRBのハト派姿勢や米中貿易協議の進展期待。第1四半期企業決算の好スタートなどが背景」との解釈。年初来では17%上昇。予想よりも悪くない決算が景気減速感を打ち消した格好だ。
連休明けロンドン株式市場は7カ月近くぶりの高値に反発。独仏市場は8日続伸。
 
日経平均株価は59円安の22200円00銭と4日ぶりの反落。連休前の買い控えとの解釈。上に103円、下に100円超の動き。東証一部の売買代金は2兆3229億円。任天堂、資生堂が上昇。ユニー・ファミマ、日産が下落。200日移動平均線は横ばいになり微かに上向いた。上向きは昨年10月10日以来だ。
 
25日(木):
NY株式市場は主要3指数が反落。NASDAQはザラバの史上最高値を更新したもの引けはマイナス。「原油安を受けたエネルギセクターの軟調がS&P500の重荷」という見方だ。ただ時間外取引でマイクロソフトは約3%高、フェイスブックは約5%高。この先にアマゾン、インテルなどの決算が控えており市場は決算に一喜一憂状態だ。
ドイツのIFO業況指数は99.2と前月改定値の99.7から低下。NYが決算集中となる中で視点を外にそらそうという動きは活発化している。
 
日経平均は107円高の22307円と反発。日銀が緩和継続を「少なくとも2020年春ごろまで」とコメント。一部の投機筋が株価指数先物を買い戻した。
ただ、上値を追う投資家は見当たらず、買い一巡後はもみ合い。「金融政策より企業決算や景気動向に投資家の関心が高い」という見方だ。花王、ユニー・ファミマが上昇。ファナック、キーエンスが下落。これで今年の木曜は5勝10敗。平成の相場もあと1日。
 
26日(金):
NY株式市場で主要3指数はまちまちの動き。NYダウは続落。NASDAQは反発し史上最高値を更新した。前日に決算発表を行ったファイスブック、マイクロソフトが上昇。
素材の3M、半導体のザイリンクスが下落。新規失業保険申請件数(季節調整済み)は前週比3万7000件増の23万件。2017年9月上旬以来の大幅な増加。耐久財受注はコア資本財(非国防資本財から航空機を除く)の受注が前月比1.3%増。2018年7月以来の大幅な伸びで着地。金額ベースでは700億ドルと過去最高水準となった。
 
平成最後の立会いの日経平均株価は48円安の22258円と反落。ただ2時過ぎから下落幅を徐々に縮小。マイナス展開ながら190円近く戻した格好だ。「米半導体セクターの下落で売り込まれたが10連休を前に短期筋の買い戻し」という解釈。
 
日銀のETFの買い期待もあった。月足陽線基準は21509円、週足陽線基準は22217円をクリアした。「4月高は8月安」というアノマリーがある。もっとも「3月安は5月高」もアノマリーだ。東証1部の売買代金は2兆5756億円。京セラ、ファーストリテが上昇。アンリツ、任天堂、ZOZOが下落。
 
(2) 欧米動向
 
中間選挙の年の10月末から翌年4月末までの半年間のNYダウは1942年以降の全てのケースで上昇。
平均上昇率も約15%と大きい」というのもアノマリー。
因みに昨年10月末は25115ドル。
先週末が26559ドル。
平均上昇率の15%なら今週末は28997ドル。
昨年10月3日のザラバ高値26951ドルと終値ベースの高値26828ドルは上回ることになる。
アノマリーが必ずしも成就するわけではないが、もしそうなったら・・・。
「株というものは高いときには最上に、安いときには最低にみえるものだ」
この格言を噛み締めてみたいものだ。
 
結局、NY動向を受けて「月曜高、木曜安」のリズムは変わっていなかったというのが先週末までの9連休。
しかし・・・。
余計だったのが、というかタイミングを図ったように東京市場をカナリアにしたのは週末日曜のトランプ大統領のツイート。
「2000億ドル相当の中国製品に対する関税を10日から現在の10%から25%に引き上げる。
中国との通商協議は継続しているが遅すぎる。
中国側は再交渉しようとしている。
ノーだ」。
現在関税を課していない3250億ドル相当の中国製品についても、近く25%の関税を発動する考えだという。
関税引き上げの表明は大きな方向転換。
「貿易戦争が激化すれば金融市場に打撃が及ぶのはほぼ確実」という見方が台頭した。
日本では「こどもの日」の大人げないタイミングでの卑怯なツイート。
「ちゃぶ台返し」で10連休の終わりを台無しにしような格好だ。
 
(3)アジア・新興国動向
 
4月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は50.1と3月の50.5から低下。
市場予想は横ばいの50.5たった。
分かれ目となる50は2カ月連続で上回った。
4月の非製造業PMIは54.3と3月の54.8から低下。
ただ節目の50は依然として大きく上回った。
「第2四半期は比較的弱いスタート。
輸出受注や雇用が再び縮小」との観測だ。
 
世界の株式相場は主要24の株価指数のうち11指数が上昇(日本は休場)。
上位1位香港週間騰落率1.61%、2位台湾1.31%、3位フィリピン1.27%、
4位シンガポール1.05%、5位南アフリカ0.87%。
下位24位ポーランド▲2.24%、23位メキシコ▲1.55%、22位インドネシア▲1.28%、
21位トルコ▲0.88%、13位米国▲0.14%。
 
【展望】

スケジュールを見てみると・・・
 
5日(日)パナマ大統領選、新月、イスラム圏がラマダン入り(→6月4日)
6日(月)東京市場休場、10連休最終日、ロンドン休場
7日(火)令和相場スタート、米消費者信用残高、変化日
8日(水)マネタリーベース、ECB理事会
9日(木) 都心オフィス空室率、貿易収支、卸売売上高
10日(金)SQ、家計調査、米消費者物価指数、財政収支
 
4月24日(水)の日経平均は22200円00銭。
妙に丸まった奇跡的な数字。
平成のスタート時も奇跡的な数字だったことがあると記した。
19891月8日(日)に「平成」という新元号が発表された。
翌日9日(月)の日経平均終値は前日比469円高の30678円。
その後5日間での上昇幅は1088円。
同年12月29日の大発会の最高値38915円まで突っ走ったのが歴史。
興味深いのは平成4日目の1989年1月12日。
前日11日の日経平均は終値31143円45銭。
翌12日の日経平均終値は31143円45銭。
前日比0円00銭で変わらず。
思わぬ風景を相場は演出してくれることがあるような気がする。
 
平成の東証1部市場。
【上場企業数】1130(昭和最後の1988年末)→2140(平成31年4月26日)
【時価総額】462円→608兆円
【単純配当利回り】0.51%→1.86%
【日経平均株価】30209円54銭(昭和最終取引日1989年1月6日)→22258円73銭
平成30年間で7950円81銭(26.3%)の下落。
平成改元時から現在まで採用されている銘柄は225銘柄中77銘柄。
 
日経平均株価の過去10年のGW明けは4勝6敗、最高上昇率10.5%。
上昇したときの平均は4.09%。
下落率最高4.2%。
平均下落率2.5%。
 

(兜町カタリスト 櫻井英明)
 

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