東京株式(前引け)=130円安と続落、輸出や半導体に売り
5日午前の日経平均株価は続落し、午前終値は前日比130円17銭(0.35%)安の3万6917円44銭だった。
朝方はリスク回避ムードの強いなか、日経平均が700円近い下落をみせる場面もあったが、その後は戻り足となり一時プラス圏に浮上、前引け時点では130円安で取引を終えている。外国為替市場で1ドル=143円台前半まで円高が進んだことが嫌気されたが、その後はドルが買い戻されやや円安方向に押し戻されたことでセンチメントが改善した。半導体関連が安いものの、内需系の銘柄中心に買いが入り全体相場を支える形になった。前場の値上がり銘柄数は全体の8割近くを占めている
前日の米市場ではエヌビディアなどが下落し、東京株式市場でも値がさの東エレクやアドテストに売りが波及した。7月の米雇用動態調査(JOLTS)で非農業部門の求人件数が市場予想を下回り、米景気減速への警戒感も引き続き重荷となった。外国為替市場で円相場は1ドル=143円台半ばと、前日夕に比べて円高・ドル安で推移し、海外売上高の比率が大きい自動車や機械などに採算悪化を懸念した売りが出た。
半面、東証プライムの値上がり銘柄数は1299と全体の8割近くを占めた。値下がりは310、横ばいは36だった。東証株価指数(TOPIX)は朝安後上昇に転じ、前引けは10.34ポイント(0.39%)高の2643.83だった。市場では「半導体など大型ハイテク株が調整しているなかで、中小型株に循環的な物色が向かっている。値上がり数を考慮すると、相場の地合いは悪くない」との見方があった。
午前中、石川県で開催された金融経済懇談会にて、高田創日本銀行審議委員は、日銀が国債買い入れの減額計画を決めたことに関連し、「日銀のバランスシート規模は大きく、今後もかなりの期間にわたってバランスシートの縮小を続けることが予測される」「現時点で、最終的な国債保有残高やバランスシートをどこまで縮小するのかが望ましいかを議論するのは難しい」と指摘。そして、「株式、為替の変動を当面は動向を注視する」と市場に一定の配慮を行ったことで、株式市場、為替市場は過度な悲観論が後退した。今晩も米雇用関連の経済指標が発表されることで、為替の円高が進む可能性はあるが、年金筋の買い観測も聞かれることから、後場の日経平均は3万7000円水準でのもみ合いを想定する。
JPXプライム150指数は反発し、1.82ポイント(0.15%)高の1179.33で前場を終えた。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で2兆670億円、売買高は7億7488万株だった。
業種別では、保険業、医薬品、小売業、精密機器、電気機器などが下落した一方、倉庫・運輸関連業、ゴム製品、証券・商品先物取引業、陸運業、繊維製品などが上昇。
個別では、売買代金で上位3傑のレーザーテック、ディスコ、東京エレクトロンがいずれも下落、日経平均構成ウェイトの調整が入ることが意識されてファーストリテイリングの下げも目立つ。ルネサスエレクトロニクス、アドバンテストなどが安く、キーエンスも下落した。パン・パシフィック・インターナショナルホールディングスが大幅安、ジャパンマテリアルも売られた。このほか、中外製薬、シャープ、横河電機、ファナックなどが売られた。
一方、証券会社のポジティブなレポートを材料にアサヒグループHDが買われたほか、三菱倉庫、GSユアサ、日立造船が寄付きから上げ幅を拡大。三菱重工業が頑強、ソフトバンクグループも上昇した。日立製作所も買いが優勢。ACCESSが値上がり率トップに買われたほか、ベステラも値を飛ばした。FIG、ミガロホールディングスも物色人気。このほか、花王、大成建設、東レ、三菱ケミGなどが切り返す展開となった。
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