Market Data
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【日経平均】
50212円27銭(▲1284円93銭=2.50%)
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【TOPIX】
3268.29(▲41.85=1.26%)
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【グロース250】
708.53(▲3.62=0.51%)
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【プライム売買高】34億4287万株(△3億8549万株)
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【売買代金】9兆0582億円(△3537億円)
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【値上がり銘柄数】420(前日:852)
【値下がり銘柄数】1145(前日:716)
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【新高値銘柄数】38(前日:137)
【新安値銘柄数】37(前日:24)
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【25日騰落レシオ】98.56(前日:95.86)
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■本日のポイント
1.日経平均は大幅続落、下落幅は一時2400円超に
2.米国株市場でAI関連や半導体関連への売りが目立つ
3.先物主導で下げ足加速、朝方の円高進行も嫌気される
4.後場は空売り買い戻しや押し目買いで下げ渋る展開に
5.SBGなど大商いで全体売買代金も9兆円台と高水準
前場と後場では雰囲気が変わった。
前引けが4万9104円で、大引けが5万212円と、1000円以上水準を切り上げている。TOPIX(終値は3268ポイント)は25日線(3226ポイント、5日時点)を割り込んだところで鋭角的に切り返しており、日経平均は25日線(4万8564円)を割り込むことなく下げ渋った。
大幅安になっても下値で買いが入れば、そろそろ当面の売りが出尽くしになるとの期待が高まるだろう。
本日の米国株が大崩れしなければ、あすの日本株には反転を期待した買いが入りやすくなるだろう。
■上値・下値テクニカル・ポイント(5日現在)
55174.09 ボリンジャー:+3σ(13週)
54758.57 ボリンジャー:+3σ(25日)
52693.79 ボリンジャー:+2σ(25日)
52174.56 ボリンジャー:+2σ(13週)
51162.21 6日移動平均線
51100.51 ボリンジャー:+2σ(26週)
50629.01 ボリンジャー:+1σ(25日)
50517.96 均衡表転換線(日足)
50212.27 ★日経平均株価5日終値
49175.03 ボリンジャー:+1σ(13週)
48564.23 25日移動平均線
48497.26 均衡表基準線(日足)
47990.23 均衡表転換線(週足)
46907.30 ボリンジャー:+1σ(26週)
46499.44 ボリンジャー:-1σ(25日)
46175.50 13週移動平均線
44746.35 均衡表基準線(週足)
44620.68 75日移動平均線
44509.03 均衡表雲上限(日足)
44434.66 ボリンジャー:-2σ(25日)
43175.96 ボリンジャー:-1σ(13週
終値は1284.93円安と昨日(914.14円安)に続いて下げ足を速めた。下向きに転じた5日移動平均線を下放れるとともにパラボリックが売りサイン点灯を開始し、短期的な弱気局面入りを示唆している。ローソク足はマド空けを伴って大陰線を引いたが、2423.62円安まで下ヒゲを伸ばした後に下げ幅をほぼ半減しており、下値での買い需要を確認する形にもなった。25日移動平均線との上方乖離率は3.39%(昨日6.49%)と、7営業日ぶりに買われ過ぎラインの5%を下回り、過熱感の後退が推察される。
【大引け概況】
5日の日経平均株価は大幅に続落し、前日比1284円93銭安の5万0212円27銭で終えた。
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前日の米ハイテク株安の流れを受け、東京株式市場の半導体関連株が軒並み大幅に下落した。日経平均の下げ幅は一時2400円を超え、心理的な節目の5万円を下回った。半面、好業績を発表した銘柄が買われ、相場の下値を支えた。
前日の米株市場を横目に、5日の日経平均は続落して取引を開始。前場は売り優勢の展開が続いて下げ幅を大きく広げる展開となったが、後場からはやや下げ幅を縮小して5万円に復帰して取引を終了した。
ナスダック総合指数・フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)の大幅安が、東京市場でハイテク株や半導体関連株の株価の重しとなった。また、日経平均は昨日4日ぶりに反落したが、25日移動平均線との乖離率は6.49%と依然として買われ過ぎとされる5%を上回っていたため高値警戒感から売りが出やすかった。
一方、主要企業の4-9月期決算発表が佳境となっており、好決算・好業績銘柄への物色意欲は続いた。
朝方からアドバンテストや東京エレクトロン、ソフトバンクグループ(SBG)などが売られ、日経平均を押し下げた。
午前に4万9000円台まで下げた日経平均は午後に下げ渋った。これまでの相場上昇に乗り遅れていた投資家が押し目買いを入れたとの指摘があった。決算発表が相次ぐなか、昼に今期業績見通しの上方修正を発表した三井物や大林組が後場に上昇に転じた。注目されていたトヨタが午後の決算発表後に下げ幅を広げる場面があったが、市場全体への影響は限定的だった。
市場関係者は「AIや半導体関連は期待が先行しすぎた面があり、当面は調整が入る可能性がある。今後はバリュー(割安)株などに注目が移っていくのではないか」とみていた。
東証株価指数(TOPIX)は続落した。終値は41.85ポイント(1.26%)安の3268.29だった。JPXプライム150指数は続落し、19.32ポイント(1.33%)安の1433.72で終えた。
東証プライムの売買代金は概算で9兆582億円、売買高は34億4287万株だった。東証プ
ライムの値下がり銘柄数は1145。値上がりは420、横ばいは50だった。
業種別株価指数(33業種)は非鉄金属、情報・通信業、電気機器などが下落。上昇はその他製品、卸売業、建設業など。
個別では、断トツの売買代金をこなしたソフトバンクグループが急落したほか、アドバンテスト、レーザーテック、ディスコ、東京エレクトロンなど半導体主力株が軒並み大きく水準を切り下げた。そのなか、ソシオネクストの下げの大きさが際立った。フジクラ、三菱重工業、日立製作所、第一三共なども下落。トヨタ自動車も軟調だった。ヒロセ電機が値下がり率トップに売り込まれ、帝人も大きく下値を探る展開に。
半面、任天堂が逆行高、サンリオも物色人気となった。ファーストリテイリング、野村総合研究所、セコムも堅調。東京電力ホールディングスが大幅高。TOB対象のブレインパッドが急騰、TOA、ティラド、日本ハム、日本精工なども値を飛ばした。住友ファーマ、パン・パシフィック・インターナショナルホールディングスも活況高となった。
東証スタンダード市場は米国で割高感が意識されていたハイテク関連銘柄が下落したことを受け、日経平均株価の大幅安によって投資マインドが悪化し、スタンダード市場にも利益確定の売りが出た。
スタンダードTOP20は続落。出来高は5億0063万株。
値上がり銘柄数385、値下がり銘柄数1045と、値下がりが優勢だった。
個別ではホリイフードサービス、ウェーブロックホールディングスがストップ高。千代田化工建設は一時ストップ高と値を飛ばした。アクシーズ、ホクリヨウ、守谷商会、ナカノフドー建設、金下建設など21銘柄は年初来高値を更新。シリウスビジョン、メディシノバ・インク、赤阪鐵工所、指月電機製作所、プライム・ストラテジーが買われた。
一方、福留ハム、ひらまつ、和弘食品、ハピネス・アンド・ディ、ケイブなど19銘柄が年初来安値を更新。アルメディオ、クオンタムソリューションズ、オリジナル設計、AIメカテック、トーシンホールディングスが売られた。
東証グロース市場は前日の米株式市場でハイテク株が下落したことなどを受けて投資家心理が後退。取引時間中には700を下回る場面もあった。午後に入ると好業績を発表した銘柄に買い戻しの動きが入り日経平均が下げ渋るなか、新興市場でも見直し買いが入り、次第に下落幅が縮小した。
東証グロース市場250指数は続落した。終値は前日比3.62ポイント(0.51%)安の708.53だった。グロース250、グロースCoreはともに続落。
グロース市場ではFFRIやQPS研究所が下落した。一方、Aiロボやイオレは上昇した。
値上がり銘柄数170、値下がり銘柄数401と、値下がりが優勢だった。
5日に東証グロース市場に新規上場したクラシコは15時1分に公開価格(1390円)の約2.4倍の3270円で初値を付け、終値は初値比245円(7.49%)高の3515円と高値引けとなった。
個別では免疫生物研究所がストップ高。豆蔵、Aiロボティクス、技術承継機構、ユニフォームネクスト、NEなど8銘柄は年初来高値を更新。Heartseed、イオレ、メディア総研、ユーソナー、令和アカウンティング・ホールディングスが買われた。
一方、Veritas In Silico、ダイブ、Chordia Therapeutics、MFS、PostPrimeなど37銘柄が年初来安値を更新。ジェネレーションパス、SM ENTERTAINMENT JAPAN、リンカーズ、旅工房、コンヴァノが売られた。
5日午前の日経平均株価は大幅に続落し、午前終値は前日比2393円15銭安の4万9104円05銭だった。
朝方から先物主導で日経平均は急速に下値を探る展開となり、フシ目の5万円台を大きく下回った。2400円近い下げで前場の安値圏で引けた。前日の米国株市場でハイテク株中心に大きく売り込まれた地合いを引き継ぎ、東京株式市場でもこれまで全体相場を牽引してきた人工知能(AI)関連や半導体関連の値がさ株に売りが広がり、全体を押し下げる格好となった。外国為替市場では急速にドル安・円高方向に振れており、これも下げを助長した。
前日の米株式市場では関連銘柄の割高感が意識され、ハイテク株を中心に売られた。AI銘柄とされるデータ分析プラットフォームのパランティア・テクノロジーズが大幅に下げたほか、米半導体大手エヌビディアも下落した。ハイテク株比率が高いナスダック総合指数は2%安、半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)は4%安となった。米ハイテク株安の流れを受け、東京株式市場でも東京エレクトロンやアドバンテスト、ソフトバンクグループ(SBG)が売られ、3銘柄で日経平均を1500円程度押し下げた。
市場関係者は「日経平均は10月に月間で7000円を超えて上昇するなど、AIや半導体がけん引する形で急伸した。調整するのは想定内で、今後も上下動を繰り返しながら5万円台を定着していくのではないか」との見方を示した。
後場の日経平均株価は、下げ幅を広げる展開が続くか。米国で著名な経営者と投資家が相次いで警戒感を示したことは国内の投資家心理にもネガティブに働いており、押し目買い意欲も後退している。前場時点の値下がり銘柄数は91.5%と幅広い銘柄が軟調に推移する中、引き続きAI関連株や半導体関連株の売りがふくらみそうだ。一方、主要企業の4-9月期決算発表が佳境となっており、好決算・好業績銘柄への物色意欲は続くか、注目しておきたい。
東証株価指数(TOPIX)は続落した。前引けは107.58ポイント(3.25%)安の3202.56だった。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で4兆4002億円、売買高は16億912万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1478と、全体のおよそ9割が下落した。値上がりは122、横ばいは13だった。
業種別では、非鉄金属、情報・通信業、機械などが下落した一方で、その他製品、陸運業の2業種のみ上昇した。
個別では売買代金で群を抜くソフトバンクグループが急落、アドバンテスト、レーザーテック、ディスコ、キオクシアホールディングスなど半導体主力銘柄も下げがきつい。TDK、フジクラ、ファナック、三菱重工業、日立製作所なども大幅安となった。JX金属、イビデンが安く、三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンクも下落した。
半面、任天堂が逆行高、サンリオ、ファーストリテ、ニトリHD、第一三共、塩野義、ZOZO、バンナムHD、JAL、ヤマハ、野村総合研究所、セコムなどの銘柄が上昇した。TOB対象のブレインパッドが急騰、日本ハム、日本精工が値を飛ばした。
東証スタンダード市場は前日の米国市場で割高感が意識されていたハイテク株が下落した流れを引き継ぎ、これまで日本株を押し上げていた人工知能(AI)や半導体関連銘柄を中心に売りが広がった。スタンダード市場でも投資家心理の悪化で売りが優勢になっている。
スタンダードTOP20は続落。出来高2億7611万株。
値上がり銘柄数157、値下がり銘柄数1258と、値下がりが優勢だった。
個別ではウェーブロックホールディングスが一時ストップ高と値を飛ばした。アクシーズ、トスネット、不二ラテックス、ヨシコン、オーナンバなど12銘柄は年初来高値を更新。メディシノバ・インク、シリウスビジョン、光陽社、共栄セキュリティーサービス、プライム・ストラテジーが買われた。
一方、ひらまつ、和弘食品、ケイブ、サインポスト、UNICONホールディングスなど15銘柄が年初来安値を更新。アルメディオ、AIメカテック、マリオン、トーシンホールディングス、日本電子材料が売られた。
東証グロース市場は前日の米ハイテク株の下落を受けて、東京株式市場でも高値警戒感から値がさの半導体関連株が弱含み、日経平均株価が大幅に下落した。新興市場でも投資家心理の悪化で売りが優勢になっている。
東証グロース市場250指数は続落した。前引けは前日比24.50ポイント(3.44%)安の687.65だった。取引時間中に700を下回るのは5月15日以来、約6カ月ぶり。
グロース250、グロースCoreはともに続落。
グロース市場ではタイミーやデータセクが下落した。一方、ハートシードやNEは上昇した。
値上がり銘柄数57、値下がり銘柄数521と、値下がりが優勢だった。
きょうグロース市場に新規上場したクラシコは、午前の取引では買い気配のまま推移し、初値はまだ付けていない。
個別では、免疫生物研究所がストップ高。ユニフォームネクスト、NE、旅工房、メディア総研は年初来高値を更新。JIG-SAW、フルッタフルッタ、令和アカウンティング・ホールディングス、Kudan、トライアルホールディングスが買われた。
一方、Veritas In Silico、ダイブ、Chordia Therapeutics、MFS、PostPrimeなど33銘柄が年初来安値を更新。リンカーズ、ジェネレーションパス、データセクション、コンヴァノ、地域新聞社が売られた。
【寄り付き概況】
5日の日経平均株価は続落で始まった。始値は前日比205円81銭安の5万1291円39銭。
前日に続き日経平均は先物主導で下値を探る動きとなっている。前日の米国株市場でAI関連や半導体関連の主力銘柄に利食い急ぎの動きが観測される状況となり、ナスダック総合株価指数が2%を超える下げとなった。半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は4%安と更に下げがきつい。
これを受け東京株式市場でもリスク回避ムードが強い。外国為替市場ではリスクオフを反映して円が買われる展開となり、1ドル=153円台の推移で円高方向に振れていることも警戒材料になっている。
東証株価指数(TOPIX)は続落している。
個別では、フジクラやディスコ、レーザーテクが下落している。一方、ファストリやコナミG、バンナムHDが上昇している。
5日の東京株式市場は、弱含みの展開が続きそうだ。
日経平均株価の予想レンジは、5万900円-5万1500円を想定。(4日終値5万1497円20銭)
米国株は下落。ダウ平均は251ドル安の47085ドルで取引を終えた。
現地4日の米国株式が下落した流れや、きのう4日の弱い動きもあり、売り先行スタートとなろう。売り一巡後は、落ち着きどころを探ることが見込まれる。反面、決算発表が本格化していることから、好業績銘柄への個別物色が中心になるとみられる。
為替相場は、ドル・円が1ドル=153円台の半ば(4日は153円58-60銭)と小動きの一方、ユーロ・円が1ユーロ=176円台の前半(同177円04-08銭)と円高方向にある。
シカゴ日経平均先物の円建て清算値は、4日の大阪取引所清算値比310円安の5万1200円だった。
【好材料銘柄】
■Heartseed <219A>
虚血性心疾患と拡張型心筋症による重症心不全を対象にした心筋再生医療「HS-005」の第1/2相企業治験開始に向けた治験届の30日調査が完了。治験開始が正式に可能になった。
■日本ハム <2282>
今期最終を13%上方修正。
■ホリイフードサービス <3077>
株主優待制度を新設。毎年11月末時点で500株以上を保有する株主を対象に、「ジャパネットクーポン」(保有株数に応じて1万~10万円相当)または「ホリイフード食事券」(同1万5000~15万円相当)のいずれかを贈呈する。
■JIG-SAW <3914>
7-9月期(3Q)経常は61%増益。
■日本精工 <6471>
今期最終を一転50%増益に上方修正。
■TOA <6809>
上期経常は98%増益で着地、今期配当を43円増額修正。
■ティラド <7236>
今期経常を一転21%増益に上方修正・最高益、配当も80円増額。また、発行済み株式数の10.50%にあたる69万2411株の自社株を消却する。消却予定日は11月24日。
■ヤマハ <7951>
今期最終を2%上方修正。また、発行済み株式数(自社株を除く)の4.4%にあたる2000万株(金額で150億円)を上限に自社株買いを実施する。買い付け期間は11月5日から26年3月31日まで。
■任天堂 <7974>
今期経常を21%上方修正、配当も52円増額。
■パーカーコーポレーション <9845>
今期経常を16%上方修正・2期ぶり最高益、配当も5円増額。
【主な経済指標・スケジュール】
5(水)
【国内】
日銀金融政策決定会合の議事要旨(9/18~19開催分)
10月マネタリーベース(8:50)
10年国債入札
《決算発表》
トヨタ、伊藤忠、三井物、ソフトバンク、日本製鉄、大林組、サンリオ、旭化成、川崎船、エーザイ、ヤマハ発、シスメックス、AGC、アズビル、エプソン、JR九州、BIPROGY、三菱自、メディパル、ALSOK、カカクコム、東武、MARUWA、ヤマダHD、スカパーJSA、全国保証、カルビー、コニカミノルタ、帝人、アイカ工、DTS、ヨドコウ、フジミインコ、エフ・シー・シー、文化シヤタ、MCJ、AZ-COM丸、富士急、グンゼ、テレ東HD、千代建、ニチコン、ゼリア新薬、KHネオケム、三洋化、静岡ガス
【海外】
米10月ADP雇用統計(22:15)
米10月ISM非製造業景況指数(24:00)
《欧決算発表》
アーム・ホールディングス
《米決算発表》
マクドナルド、クアルコム、フォーティネット、ロイヤルティファーマ
※株式スケジュールは予定の為、変更される場合があります。
4日のNYダウ工業株30種平均は続落し、終値は前日比251ドル44セント(0.53%)安の4万7085ドル24セントだった。
米金融大手ゴールドマン・サックスのソロモン最高経営責任者(CEO)はこの日、香港での会合で「相場が10~20%下がる可能性がある」と警鐘を鳴らした。AI成長見通しを背景に相場が最高値圏を維持する中、投資家心理が冷え込んだ。リスク回避の売りが膨らみ、ダウの下げ幅は一時400ドルを超えた。
市場参加者は「高値警戒感から小休止が入ってもおかしくない状況だ」(日系証券)と分析した。
ダウ平均の構成銘柄ではないが、AI銘柄とされるデータ分析プラットフォームのパランティア・テクノロジーズが7.9%下げた。前日夕に市場予想を上回る好決算や売上高見通しを発表したものの、バリュエーション(投資尺度)の高さを指摘する声が根強かった。株価は前日までに昨年末から2.7倍ほどとなっていた。
エヌビディアも下げた。「世紀の空売り」で知られる著名投資家マイケル・バーリ氏が率いるサイオン・アセット・マネジメントが2025年7〜9月期にエヌビディアとパランティアのプット(売る権利)オプションを新規取得していたことが売り材料視された。3日に米証券取引委員会(SEC)に提出した報告書で明らかになった。
ゴールドマン・サックスのデービッド・ソロモン最高経営責任者(CEO)とモルガン・スタンレーのテッド・ピックCEOが4日、ともに株式相場が10%以上調整する可能性に言及したと複数のメディアが報じた。米株相場の過熱感や割高感が既に意識されていたなか、大手金融機関の首脳陣の発言も市場心理の重荷となった。
パランティアの割高感やサイオンの持ち高と併せて「バリュエーションへの不安が市場のアニマル・スピリットを阻害している」との受け止めがあった。
4日には代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインの価格がおよそ4カ月ぶりに10万ドル台を割り込む場面があった。株と同じリスク資産とみなされる仮想通貨の急落は投資家心理の重荷となった。ダウ平均の構成銘柄ではないが、仮想通貨交換業のコインベース・グローバルが大幅安となった。
そのほかのダウ平均の構成銘柄では、セールスフォースやアマゾン・ドット・コム、マイクロソフトが売られた。キャタピラーやボーイングも下げた。半面、トラベラーズやメルク、コカ・コーラには買いが入った。
ナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反落した。終値は前日比486.086ポイント(2.03%)安の2万3348.637(速報値)だった。アルファベットやブロードコム、テスラなどが下げた。
【シカゴ日本株先物概況】
4日のシカゴ日経平均先物は下落した。12月物は前日比1365円安の5万1200円で終えた。この日は日米で主要株価指数が下落しており、シカゴ市場の日経平均先物にも売りが加速した。
シカゴ日経225先物 (円建て)
51200 ( -310 )
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
51265 ( -245 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
4日の英FTSE100種総合株価指数は小幅ながら3営業日ぶりに反発し、前日比13.59ポイント(0.14%)高の9714.96で終えた。外国為替市場でのポンド安進行を背景に英国外での売上高比率が高い一部銘柄に買いが入り、指数は取引終了にかけて持ち直した。
4日のアジア各国・地域やドイツ、フランスの株式相場が軟調に推移したことを受けて投資家が運用リスクを回避する姿勢を強め、FTSE100種指数も安く推移する場面が目立った。
FTSEの構成銘柄では、産業・エネルギー会社のメトレン・エナジー・アンド・メタルズが3.65%高、医療機器のコンバテックが2.60%高、商業用不動産大手ランド・セキュリティーズが2.03%高と上昇。半面、小売り大手JDスポーツ・ファッションは4.75%安、高級衣料のバーバリーは3.83%安、賭け屋大手エンテインは3.45%安となった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
4日のドイツ株価指数(DAX)は反落し、前日比183.30ポイント(0.75%)安の2万3949.11と約2週間ぶりの安値で終えた。4日のアジア主要株式相場や米国株相場の下落を受け、投資家がリスク資産とされる株式の買いに慎重姿勢を強めた。
米ハイテク株を中心に株価の割高感が意識されている。
個別では、化粧品大手バイヤスドルフとコメルツ銀行がいずれも1.46%高、製薬大手バイエルが1.08%高と買われた。一方、人工透析製品・サービスのフレゼニウスメディカルケアは9.85%安と急落し、スポーツ用品大手アディダスは2.71%安、通販大手ザランドも2.64%安と下落した。
■フランス・パリ株価指数
欧州株式市場でフランスの株価指数CAC40は6日続落し、前日比0.52%安の8067.53と3週間ぶりの安値で終えた。