【大引け概況】
1日の日経平均株価は4日続落し、終値は前日比381円78銭安の4万4550円85銭だった。9月11日以来、約3週間ぶりの安値で終えた。
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寄り付き後は戻りを試す動きが出たが、為替のドル安・円高圧力や利益確定売りも重なって終日マイナス圏で軟調推移となった。国内の機関投資家から下期や四半期入りに伴うリバランスに絡む売りが出たほか、日銀が発表した9月の全国企業短期経済観測調査(短観)を横目に10月の利上げを意識した懸念も引き続き投資家心理の重石となった。
また、米国で今日以降発表されるADP雇用統計、新規失業保険申請件数、雇用統計など雇用・労働関連指標や、国内で4日に投開票が行われる自民党総裁選の結果などを確認したいとして積極的に買い進む動きが限定的だった可能性もある。
日経平均は夏場にかけて上昇基調を強めて先週9月25日も最高値を更新した後とあって、利益確定売りや、国内の機関投資家からは下期や四半期入りに伴うリバランス(資産配分の調整)に絡んだ売りが出やすかった。半導体関連や電子部品、重工など最近まで堅調だった銘柄を中心に幅広い銘柄が下落した。
米連邦政府の予算は期限までに「つなぎ予算」が成立せず失効し、米政府機関の一部が閉鎖されると主要メディアが伝えた。今週末3日に予定していた9月の米雇用統計などの経済指標発表が遅れる可能性も指摘されている。米利下げの継続を見通すうえで重要な指標とあって、市場では影響を見極めようと手控えムードも広がった。米株価指数先物も日本時間1日の取引で軟調な推移となった。
寄り付き前に日銀が発表した9月の全国企業短期経済観測調査(短観)で大企業製造業の景況感を示す業況判断指数(DI)は2四半期連続で改善した。市場では10月の日銀利上げ観測は維持されたとの受け止めが多く、短期筋の株価指数先物への売りを促す場面もあった。
日経平均の4日続落は7月下旬以来となる。高値からはやや調整したとあって、下値では値ごろ感が出てきたとみた買いが入った。医薬品株のほか、ゲーム・キャラクターといったIP(知的財産)関連の銘柄では上昇が目立った。
さて、東京株式市場は引き続き利益確定売りが優勢のまま下半期相場を迎えている。歴史的な高値圏にあり期末・期初には特有の売りが出ているようだが、国内では日銀の利上げを織り込む動きも表れている様子。取引時間中に米政府機関が「つなぎ予算」不成立により一部閉鎖されることが伝わったが、前場までの下げで概ね織り込んでおり、そこまで荒れる動きは見られなかった。
東証株価指数(TOPIX)は反落した。終値は前日比42.86ポイント(1.37%)安の3094.74だった。9月4日以来、約1カ月ぶりの安値となった。JPXプライム150指数も反落し、15.27ポイント(1.12%)安の1343.88で終えた。
東証プライムの売買代金は概算で5兆2869億円、売買高は23億1082万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は全体の約9割にあたる1480と4月7日以来の多さだった。値上がりは124、横ばいは11だった。
業種別株価指数(33業種)は銀行業、不動産業、輸送用機器、非鉄金属などが下落。上昇は医薬品、その他製品。
個別では、売買代金首位のソフトバンクグループ(SBG)が安く、SCREENホールディングス、東京エレクトロン、TDK、ファナックが下落した。三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンクも下値を探った。東京海上ホールディングス、リクルートホールディングスなども軟調。日東電工、ベイカレント、ソニーG、フジクラ、ニトリHD、信越化学工業、三菱商事、KDDI、トヨタなどの銘柄が下落した。
ミガロホールディングスが値下がり率首位となり、日本ヒューム、日鉄鉱業、三井松島ホールディングスなども大きく利食われた。
一方、中外製薬、ファーストリテイリング、コナミグループ、任天堂、サンリオが上昇した。大塚ホールディングス、ダイキン、アドバンテスト、第一三共、任天堂、豊田通商、協和キリン、ネクソン、キーエンス、アステラス製薬、京セラ、京成などの銘柄が上昇した。
Link-Uグループが大幅高。インフロニア・ホールディングスが値上がり率トップに買われ、中国電力、四国電力なども値を飛ばした。
9月30日のNYダウ工業株30種平均は3日続伸した。前日比81ドル82セント高の4万6397ドル89セントで終え、22日以来の最高値更新となった。
連邦政府は、2025会計年度(24年10月~25年9月)末を迎えた。医療関連予算を巡り与党共和党と野党民主党の交渉が行き詰まり、政府機関の一部が閉鎖に追い込まれる可能性が高まっている。リスク回避の動きから売り買いが交錯し、ダウはマイナス圏に沈む場面も目立った。
一方、消費者の景況感悪化を示す民間経済指標の発表を受け、米連邦準備制度理事会(FRB)による年内利下げ観測が維持された。金融緩和によって米景気が下支えされるとの期待感が広がり、相場の下値は限定的だった。
ダウ平均の構成銘柄ではないが製薬大手ファイザーとトランプ米政権が薬価引き下げで合意し、関税に絡んだ不透明感が後退したことが好感され、製薬銘柄の買いが膨らんだことも相場を支えた。
米政府は他の製薬会社とも協議している。ファイザーと同じような合意に達するとの思惑から、ダウ平均の構成銘柄ではメルクやアムジェン、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)に買いが入った。
ダウ平均は安く推移する場面があった。米国では10月から始まる新しい会計年度の歳出をまかなう「つなぎ予算」が成立するめどが立っていない。政府機関が一部閉鎖に陥れば、一時的な経済活動の混乱が予想されるほか、経済指標の発表が遅れる可能性がある。積極的に買いを入れる雰囲気に乏しかった。
30日発表の9月の米消費者信頼感指数は94.2と、前月改定値から3.6ポイント低下し、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(96.0)を下回った。消費者心理の悪化は相場の重荷だった。
そのほかのダウ平均の構成銘柄では、アナリストが目標株価を引き上げたエヌビディアが上昇した。ベライゾン・コミュニケーションズやIBM、キャタピラーにも買いが入った。半面、セールスフォースやアメリカン・エキスプレス、ゴールドマン・サックスが下落した。
ダウ平均は月間で853ドル(1.8%)高となり、5カ月連続で上昇した。
ナスダック総合株価指数は3日続伸した。前日比68.855ポイント(0.30%)高の2万2660.009(速報値)で終えた。データ分析プラットフォームのパランティア・テクノロジーズや半導体のブロードコムが上昇した。
ナスダック総合は月間で5.6%高となり、6カ月続けて上昇した。6カ月連続の上昇は2020年11月〜21年4月以来。
【シカゴ日本株先物概況】
9月30日のシカゴ日経平均先物は下落した。12月物は前日比315円安の4万4855円で終えた。この日は米株式相場が堅調に推移したものの、日経平均株価は下落しておりシカゴ市場の日経平均先物には売りが優勢となった。
シカゴ日経225先物 (円建て)
44855 ( -75 )
シカゴ日経225先物 (ドル建て) 44940 ( +10 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
9月30日の英FTSE100種総合株価指数は3日続伸した。終値は前日比50.59ポイント(0.54%)高の9350.43と、8月22日につけた最高値
前日にCEO交代の計画を公表した製薬の英GSKに買いが続くなど、ヘルスケア関連の銘柄が買われた。航空機エンジン大手ロールス・ロイス・ホールディングスといった防衛・航空関連や通信株にも買いが優勢で、原油先物の値下がりを受けた石油株の下げを補った。
FTSE100種指数は9月の月間で1.8%上昇し、7〜9月期では6.7%上昇した。四半期でみると7〜9月期まで3四半期連続で上昇し、2024年末比では14.4%高い水準となった。
FTSEの構成銘柄では、通信大手エアテル・アフリカが5.35%高、生活用品大手レキット・ベンキーザーが3.85%高、製薬大手GSKが3.72%高と相場をけん引。一方、賭け屋大手エンテインは3.53%安、投資持ち株会社パーシングスクエア・ホールディングスは2.37%安、石油大手BPは2.04%安となった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
9月30日のドイツ株価指数(DAX)は上昇した。終値は前日比135.66ポイント(0.57%)高の2万3880.72と月初以来、約1カ月ぶりの高値となった。
米国で政府運営を続けるための「つなぎ予算案」を巡る調整が難航しており、期限切れに伴い米政府機関の一部が閉鎖されるリスクが警戒されている。事態の推移を見極めたいと慎重な雰囲気が出ているものの、投資家のリスク選好意欲は根強い。
個別では、航空機エンジン大手MTUエアロ・エンジンズが4.57%高、不動産検索サイト大手スカウト24が2.11%高、食品加工機器大手GEAグループが2.03%高と上昇。半面、商用車大手ダイムラー・トラックは1.88%安、スポーツ用品大手アディダスは0.94%安、通販大手ザランドは0.80%安と売られた。
■フランス・パリ株価指数
欧州株式市場でフランスの株価指数CAC40は3日続伸し、前日比0.19%高で終えた。