《マーケットストラテジーメモ》 9月 第2週
1日(月):
週末のNY株式市場で主要3指数は揃って反落。デル・テクノロジーズが9%安。エヌビディアは3.4%安で3日続落。AI関連銘柄が下落。月間では、S&P500が1.9%、NYダウが3.2%、ナスダック総合は1.6%昇。S&P500とは4カ月連続、ナスダックは5カ月連続で上昇。中国の電子商取引大手アリババの米国上場株は13%急騰。半導体大手マーベルが19%下落。7月の個人消費支出(PCE)価格指数は前年比2.6%上昇。伸びは6月と変わらず。
日経平均株価は529円安の4万2188円7と続落。8月8日以来の安値水準。半導体関連が軒並み下落。日経平均は下落幅を900円近くまで広げる場面があった。TOPIXは続落。東証プライムの売買代金は4兆244億円。オリンパス、ホンダが上昇。コナミG、ファナックが下落。日経平均は8月も上昇して5カ月連続で上昇。5カ月続伸は2015年1−5月以来10年ぶり。また2012年8−13年4月にかけては9カ月続伸。2009年3−8月は6カ月続伸。2005年5−6年1月月は9カ月続伸。
2日(火):
週明けのNY株式市場はレイバーデーで休場。
日経平均株価は121円高の4万2310円と3日ぶりに反発。商社や海運、鉄鋼といったバリュー(割安)株が多く含まれる業種の上昇が目立ち、日経平均の上げ幅は一時200円を超えた。TOPIXは3日ぶりに反発。東証プライムの売買代金は3兆9534億円。京セラ、三越伊勢丹が上昇。ダイキン、良品計画が下落。
3日(水):
3連休明けのNY株式市場で主要3指数は揃って続落。連邦高裁がトランプ大統領の関税の大半が違法と判断したことを受けたとの解釈。食品大手クラフト・ハインツが7%下落。一方、ペプシコは1.1%上昇。8月のISMの製造業購買担当者景気指数(PMI)は48.7。前月の48.0から小幅に上昇。6カ月連続で拡大・縮小の分岐点となる50を下回った。
日経平均株価は371円安の4万1938円と反落。約1カ月ぶりの安値水準。TOPIXは反落。東証プライムの売買代金は5兆79億円。塩野義、エーザイが上昇。良品計画や三菱重が下落。
4日(木):
水曜のNY株式市場で主要3指数はマチマチの展開。連邦地裁がアルファベット傘下グーグルに検索事業の売却を求めない判断を決定。
これを受け、アルファベットが9.1%上昇。アップルが3.8%高。両社株の上昇がS&Pとナスダックを押し上げた。NYダウは小幅安。ボーイングが2.1%下落。メイシーズは、通期業績見通しの上方修正を好感して20.7%急伸。一方、ディスカウントストアのダラー・ツリーは8.4%下落。7月の雇用動態調査(JOLTS)で求人件数は718万1000件。前月から17万6000件減少。
求人件数が10カ月ぶりの低水準に落ち込む一方、解雇件数は増加。新型コロナウイルスのパンデミック以降で初めて失業者数が求人数を上回った。市場予想は737万8000件だった。
日経平均株価は641円高の4万2580円と反発。前日の米ハイテク株高を背景に海外投資家による株価指数先物や主力銘柄の一角の買いが優勢の展開。アドテスト、フジクラなどAI(人工知能)関連銘柄が一段高。TOPIXは反発。東証プライムの売買代金は4兆3217億円。ソニー、サンリオが上昇。ニデック、良品計画が下落。25日線割れは1日で通過。
5日(金):
木曜のNY株式市場で主要3指数は揃って上昇。S&P500は終値で最高値を更新。半導体大手ブロードコムは引け後の決算発表を前に1.2%上昇。株価は時間外取引でも上昇した。アマゾンが4.3%高。メタが1.6%上昇。アメリカン・イーグル・アウトフィッターズが38%急伸。第3四半期の既存店売上高見通しが市場予想を上回った。8月のISM非製造業総合指数は52.0。
の50.1から上昇した。市場予想は51.0への上昇だった。
日経平均株価は438円高の4万3018円と続伸。8月19日以来の4万3000円台回。トランプ米大統領による自動車関税引き下げの大統領令への署名を受けて幅広い銘柄が買われ、上げ幅は一時600円を超えた。TOPIXは続伸。東証プライムの売買代金は4兆5583億円。アドバンテスト、トヨタが上昇。バンナム、任天堂が下落、
(2)欧米動向
8月の雇用統計で非農業部門雇用者数は2万2000人増。
市場予想の7万5000人増を大幅に下回った。
失業率は4.3%。
前月の4.2%から上昇し、約4年ぶりの高水準。
6月の雇用者は1万3000人減と、当初の1万4000人増から下方修正。
2020年12月以来4年半ぶりの減少となった。
7月分は7万3000人増から7万9000人増に上方修正された。
原則の背景は「関税措置のほか、大規模な不法移民取り締まりに伴う労働力人口の減少」。
過去3カ月間の雇用者数の伸び平均は月間2万9000人。
昨年同時期の8万2000人を大きく下回る。
時間当たり平均賃金は0.3%上昇。
前年比では3.7%上昇。
7月は3.9%上昇だった。
(3)新興国動向
上海総合指数は週間で1.2%安。
上海と深センの株式市場に上場する有力企業300銘柄で構成するCSI300指数は週間で0.8%安。
7月下旬以来の大きな下げとなった。
(兜町カタリスト 櫻井英明)