29日の東京株式市場は、軟調な展開が続きそう。
日経平均株価の予想レンジは、4万500円-4万1200円を想定。(28日終値4万998円27銭)
ダウ平均が下落した一方、S&P500とナスダックは上昇した。ダウ平均は64ドル安の44837ドルで取引を終えた。
きのう28日の日経平均株価は、前週に大幅に上昇した反動が強く利益確定売りに押された。日経平均の短期的な過熱感を解消する間は、好業績銘柄への個別物色が中心になりそう。
為替相場は、ドル・円が1ドル=148円台の半ば(28日は148円28-30銭)とやや円安方向にある一方、ユーロ・円が1ユーロ=172円台の前半(同173円11-15銭)と円高に振れている。
シカゴ日経平均先物の円建て清算値は、28日の大阪取引所清算値比115円安の4万795円だった。
【好材料銘柄】
■Veritas In Silico <130A>
米国で「RNAの機能を制御する化合物のスクリーニング方法」に関する特許査定を受領。
■美樹工業 <1718>
今期経常を27%上方修正、配当も100円増額。
■ジェリービーンズグループ <3070>
中長期保有株主に対する株主優待を拡充。25年7月末以降に200株以上かつ半年以上継続保有する株主に、優待品を1点追加で贈呈する。また、25年1月末以降に200株以上かつ1年以上保有する株主に、優待品1点+5000円相当の優待ポイントを追加で贈呈する。
■ベルテクスコーポレーション <5290>
8月31日現在の株主を対象に1→2の株式分割を実施。
■川岸工業 <5921>
今期経常を36%上方修正、配当も35円増額。
■日本車輌製造 <7102>
今期経常を19%上方修正。
【主な経済指標・スケジュール】
29(火)
【国内】
2年国債入札
配当・優待権利付き最終売買日
《決算発表》
キーエンス、アドバンテ、NEC、コマツ、JR東海、野村HD、シマノ、ANA、SCSK、中部電、清水建、ヤクルト、アコム、小糸製、群馬銀、日ガス、トクヤマ、エクセディ、十六FG、キッセイ薬、松井証、池田泉州、ゲンキードラ、SMS、黒崎播磨、トーエネク、日道路、小森、東エレデバ、PI、カンロ、不二家、JFE-SI、ゼンリン、一工薬、杉本商、トーメンデバ、サンワテクノス、北電事、東洋証、SBIリーシンク、コア、イントラスト、サイバトラスト、カノークス、SMK、ドリコム、大光銀、FDK、東北鋼
【海外】
FOMC(~7/30)
米5月S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数(22:00)
米6月雇用動態調査(JOLTS)求人件数(23:00)
米7月消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)(23:00)
米7年国債入札
《米決算発表》
ボーイング、P&G、メルク、シスコ、スターバックス、ペイパルHD、ビザ
※株式スケジュールは予定の為、変更される場合があります。
28日のNYダウ工業株30種平均は反落し、前週末比64ドル36セント安の4万4837ドル56セント(速報値)で取引を終えた。
米国がEUに課す関税について、15%に引き下げることで双方が27日に合意した。
EUは米国からの7500億ドル相当のエネルギー購入や6000億ドル超の対米投資も約束した。
市場では、高関税を巡る不透明感の後退が好感された半面、対米投資などの合意内容が「不明瞭」(市場参加者)との見方が広がり、売り買いが交錯。開催中の米中関税協議の動向を見極めたいとの思惑も重なり、ダウはおおむねマイナス圏で推移した。
今週は、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策会合に加え、7月の米雇用統計などの経済指標や、アマゾン・ドット・コムといった巨大テック企業の決算発表が控える。重要イベントが相次ぐ中、様子見ムードが漂ったことで相場の上値が抑えられた。
一方、生成AI(人工知能)の成長見通しが引き続きナスダック相場を押し上げた。
相互関税の上乗せ分の発動猶予期限は8月1日に迫っている。トランプ米大統領は28日、個別で交渉をしていない貿易相手に対する関税率が15〜20%になる可能性が高いとの認識を示した。
ダウ平均は上げる場面があった。米政府が日本に続いてEUと合意し、高関税や貿易摩擦が世界経済の停滞を招くとの警戒が薄れた。米中についても、28〜29日に開く閣僚級の貿易協議で関税引き上げ停止の90日間延長に合意する見通しだと香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストが報じている。
午後に入ると売りが広がり、ダウ平均は下げ幅を広げた。
7月の米雇用統計や6月の米個人消費支出(PCE)物価指数、4〜6月期の米国内総生産(GDP)速報値といった注目度の高い経済指標の発表も相次ぐ。米国株の割高感や過熱感も意識されやすいなか、利益確定や持ち高調整の売りが出た。
ダウ平均の構成銘柄ではトラベラーズやアムジェン、ベライゾン・コミュニケーションズが売られた。ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)やコカ・コーラも安い。一方、アナリストが投資判断を引き上げたナイキは大幅高だった。エヌビディアやIBMも上げた。
ナスダック総合株価指数は4日続伸した。前週末比70.268ポイント高の2万1178.585(速報値)と、連日で過去最高値を更新した。
韓国サムスン電子と大型の半導体製造契約を結んだテスラが高い。アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)など半導体株への買いも目立った。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数は小幅に6日続伸し、最高値を更新した。
【シカゴ日本株先物概況】
28日のシカゴ日経平均先物は下落した。9月物は前週末比575円安の4万0795円で終えた。
この日は上昇基調が続いた日経平均株価が利益確定の売りに押され、シカゴ市場の日経平均先物にも売りが優勢となった。
シカゴ日経225先物 (円建て)
40795 ( -115 )
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
40845 ( -65 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
28日の英FTSE100種総合株価指数は続落し、前週末比38.87ポイント(0.42%)安の9081.44で終えた。米国と欧州連合(EU)の貿易交渉が合意に達したことで投資家心理が上向き、取引開始直後にFTSE100種指数は最高値を上回る場面もあったが買いの勢いは続かなかった。
FTSEの構成銘柄では、前週に上昇が目立っていた通信大手BTが5.07%安と急落。防衛大手バブコック・インターナショナル・グループが3.16%安、流通大手マークス&スペンサーが2.70%安で続いた。一方、石油大手BPは2.21%高、通信大手エアテル・アフリカは1.64%高、商業用不動産大手ランド・セキュリティーズは1.03%高となった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
28日のドイツ株価指数(DAX)は続落し、前週末比247.14ポイント(1.02%)安の2万3970.36で終えた。DAXが2万4000を下回って終えるのは7月4日以来、約3週間ぶりとなる。
米国と欧州連合(EU)が貿易交渉で合意に至ったものの、詳細については不透明な点が残り、警戒が根強い。関税率などについて最悪の選択肢は回避されたものの、企業活動や欧州景気に悪影響が及ぶとの懸念もくすぶる。
個別では、高級車メーカーのポルシェが4.09%安、自動車大手フォルクスワーゲン(VW)が3.58%安、防衛大手ラインメタルが3.29%安と下げを主導。半面、半導体大手インフィニオン・テクノロジーズは1.43%高、不動産大手ボノビアは1.09%高、航空機エンジン大手MTUエアロ・エンジンズは1.06%高で終了した。
■フランス・パリ株価指数
フランスの株価指数CAC40は反落し、前週末比0.43%安で終えた。