13日の東京株式市場は、続伸後はもみ合いか。
日経平均株価の予想レンジは、3万8000円-3万8800円を想定。(12日終値3万7644円26銭)
米国株は上昇。ダウ平均は1160ドル高の42410ドルと4桁の上昇となった。
現地12日の米国株式が大きく上昇した動きを受け、朝方から買い先行スタートとなろう。
為替相場は、ドル・円が1ドル=148円台の前半(12日は147円91-93銭)、ユーロ・円が1ユーロ=164円台の半ば(同164円25-29銭)とやや円安方向にある。円安傾向を受け、輸出関連銘柄を中心に堅調な値動きが見込まれる。
シカゴ日経平均先物の円建て清算値は、12日の大阪取引所清算値比1060円高の3万8760円だった。
【好材料銘柄】
■ASJ <2351>
前期最終を2.1倍上方修正・18期ぶり最高益、配当も1円増額。
■オールアバウト <2454>
今期経常は10倍増益へ。
■アグレ都市デザイン <3467>
今期経常は6%増で2期連続最高益、前期配当を3円増額・今期は4円増配へ。また、株主優待制度を拡充。1000株以上かつ2年以上継続保有の区分を新設し、QUOカード1万円分を贈呈する。
■ドリコム <3793>
今期経常は18倍増益、3期ぶり5円で復配へ。
■クレハ <4023>
今期最終は28%増益へ。また、発行済み株式数(自社株を除く)の11.26%にあたる560万株(金額で150億円)を上限に自社株買いを実施するほか、6月30日付で549万1000株を消却する。
■資生堂 <4911>
1-3月期(1Q)最終は黒字浮上で着地。
■リプロセル <4978>
前期経常を一転黒字に上方修正・最高益更新へ。
■Laboro.AI <5586>
上期経常が3.1倍増益で着地・1-3月期も73%増益。
■楽天銀行 <5838>
今期経常は28%増で6期連続最高益更新へ。
■高周波熱錬 <5976>
今期経常は10%減益、前期配当を1円増額・今期は16円増配へ。また、発行済み株式数(自社株を除く)の7.87%にあたる270万株(金額で20億円)を上限に自社株買いを実施する。買い付け期間は5月13日から26年3月31日まで。
■守谷輸送機工業 <6226>
今期経常は3%増で3期連続最高益、前期配当を5円増額・今期は4円増配へ。
■鉱研工業 <6297>
今期経常は38%増益、前期配当を3円増額・今期は3円増配へ。
■大崎電気工業 <6644>
今期経常は6%増益、13円増配へ。
■スポーツフィールド <7080>
1-3月期(1Q)経常は27%増益で着地。
■アップガレージグループ <7134>
今期経常は22%増で9期連続最高益、前期配当を3円増額・今期は4円増配へ。
■セレンディップ・ホールディングス <7318>
今期経常は2.5倍増で3期連続最高益更新へ。
■ヤギ <7460>
今期経常は1%増で2期連続最高益、21円増配へ。
■日新 <9066>
MBO(経営陣が参加する買収)による株式の非公開化を目指す。米ベインキャピタル系のBCJ-98がTOB(株式公開買い付け)を実施する。TOB価格は1株8100円で12日終値を27.6%上回る水準。買い付け期間は5月13日から7月8日まで。
■イーレックス <9517>
今期最終は61%増益へ。
【主な経済指標・スケジュール】
13(火)
【国内】
日銀金融政策決定会合の主な意見(4/30~5/1開催分)
4月マネーストックM2(8:50)
30年国債入札
《決算発表》
ソフトバンクG、ホンダ、大和ハウス、住友不、りそなHD、INPEX、オリンパス、カプコン、キリンHD、ニトリHD、ネクソン、住友電、フジクラ、大林組、サントリーBF、サンリオ、ダイフク、ゼンショーHD、大成建、日産自、ヤマハ発、出光興産、三菱ケミG、大日印、ヤクルト、ホシザキ、ユー・エス・エス、アズビル、ミツコシイセタン、KOKUSAI、王子HD、NXHD、東ソー、三井化学、サッポロHD
【海外】
独5月ZEW景況感指数(18:00)
米4月消費者物価指数(CPI)(21:30)
※株式スケジュールは予定の為、変更される場合があります。
12日のNYダウ工業株30種平均は大幅に反発し、前週末比1160ドル72セント(2.81%)高の4万2410ドル10セントと、3月26日以来の高値で終えた。
米中高官は10、11両日にスイスで米高関税政策を巡り協議した。ベセント米財務長官が12日、米中両国が関税率を115%引き下げ、90日間の交渉期間で合意したと発表。米中対立が緩和に向かい景気後退リスクが低下するとの観測が広がり、アマゾン・ドット・コムやアップルなどハイテク銘柄が相場をけん引した。
ダウは今月に入ってから12日までの8営業日で1700ドル超上昇し、先月の下げを帳消しにした。市場参加者は「一段高には規制緩和しかない」とみている。トランプ米政権は発足当初こそ規制緩和に前向きとされていたが、高関税政策ばかり打ち出す姿勢に失望感が広がっていた。
14日までに、米国は累計145%の関税率を30%に、中国は125%を10%にそれぞれ下げる。引き下げた関税のうち一部は90日間停止し、協議を続けるという。10〜11日に開いた米中協議後の共同声明によると、米国は相互関税を当初の34%に戻し、上乗せ部分の24%を90日間停止して基本税率の10%にする。違法薬物対策の名目で課した20%の追加関税を含めると累計で30%になる。
トランプ米大統領は前週末に中国への関税率は「80%がよさそうだ」との考えを示していた。同水準を大幅に下回る税率となり、「トランプ氏が関税を交渉戦術として利用していたということに市場は極めて楽観的に反応した」と受け止められた。
「中国という貿易大国との引き下げ合意となり、投資家心理がかなり上向いた」との声も聞かれた。今後の協議には課題も残るとみられるが、貿易摩擦の激化で経済が大きく悪化するとの懸念が後退した。
投資家のリスク選好姿勢が強まったことで米債券市場では債券に売りが出て、長期金利が一時4.47%とおよそ1カ月ぶりの高水準を付けた。外国為替市場では米景気の先行き懸念が和らいだことで、ドルが主要通貨に対して上昇。対円では1ドル=148円半ばと4月上旬以来の円安・ドル高水準となった場面があった。
個別銘柄ではハイテク株への買いが目立った。市場では「供給網を巡る懸念が大幅に和らぐことになる」(ウェドブッシュ証券)との見方があった。エヌビディアは5.4%高、アップルは6.1%高、アマゾン・ドット・コムは8%高と軒並み上昇した。消費関連株や景気敏感株も広く上昇し、ナイキが7.3%、キャタピラーが5.1%、ゴールドマン・サックスが4.2%上げた。
一方、コカ・コーラやマクドナルド、トラベラーズといったディフェンシブ株は売られた。トランプ米大統領は12日、薬価を引き下げるための大統領令に署名し、米国の患者が製薬会社から医薬品を直接購入できる仕組みを構築する方針を公表した。値下げが収益を下押しするとの見方から、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)が下落した。薬価交渉の仲介事業を傘下に持つ医療保険株の重荷となり、ユナイテッドヘルス・グループも下げた。
ナスダック総合株価指数は大幅に4日続伸した。前週末比779.428ポイント(4.34%)高の1万8708.344(速報値)と、2月下旬以来の高値で終えた。テスラが6.7%高、メタプラットフォームズが7.9%高と目立った。
S&P500種株価指数は大幅に反発した。前週末比184.28ポイント(3.25%)高の5844.19で終え、3月上旬以来の高値となった。
NYダウ 42410.10 ( +1160.72 )
S&P500 5844.19 ( +184.28 )
NASDAQ 18708.34 ( +779.42 )
米10年債利回り 4.470 ( +0.087 )
NY(WTI)原油 61.95 ( +0.93 )
NY金 3228.0 ( -116.0 )
VIX指数 18.39 ( -3.51 )
【シカゴ日本株先物概況】
12日のシカゴ日経平均先物は上昇した。6月物は前週末比1290円高の3万8760円で終えた。この日は米中が互いに課した追加関税の大幅引き下げで合意したことを受けて米株式相場が大幅に上昇し、シカゴ市場の日経平均先物にも買いが優勢となった。
シカゴ日経225先物 (円建て)
38760 ( +1060 )
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
38820 ( +1120 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
12日の英FTSE100種総合株価指数は続伸し、前週末比50.18ポイント(0.58%)高の8604.98と4月2日以来の高値で終えた。米中両政府が互いに課す高関税を90日間大幅に引き下げると発表し、世界経済への悪影響が抑えられるとの見方が出た。インドとパキスタンが停戦で合意するなど地政学リスクに対する警戒がやや和らいだのも投資家心理の支えとなった。
銅先物やアルミニウム先物の相場上昇を背景に、スイスのグレンコアをはじめ資源関連に買いが優勢となった。一方で公益や日用品など、景気動向に左右されにくいディフェンシブ銘柄に売りが出た。
FTSEの構成銘柄では、金融大手スタンダード・チャータードが9.60%高、資源大手グレンコアが6.08%高、産銅大手アントファガスタが5.77%高と急伸。他方、産金大手フレスニロは5.80%安、同業エンデバー・マイニングは5.49%安、流通大手マークス&スペンサーは3.32%安となった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
12日のドイツ株価指数(DAX)は3日続伸し、終値は前週末比67.22ポイント(0.28%)高の2万3566.54と最高値を更新した。米中両政府が12日、互いに課している高関税を90日間大幅に引き下げることで合意したと発表した。貿易問題を巡る米中の協議が続くとの観測も支えに、貿易摩擦が世界景気を下押しするとの懸念が後退した。
個別では、半導体大手インフィニオン・テクノロジーズが8.19%高、商用車大手ダイムラー・トラックが5.17%高、郵便・物流大手ドイツポストが4.75%高と相場をけん引。半面、防衛大手ラインメタルは5.90%安、エネルギー大手イーオンは4.28%安、不動産大手ボノビアは3.32%安と売られた。
■フランス・パリ株価指数
フランスの株価指数CAC40は3日続伸し、前週末比1.37%高の7850.10と4月2日以来の高値で終えた。フランスのLVMHモエヘネシー・ルイヴィトンをはじめ消費関連が買われた。製薬のサノフィ株は午後に水準を切り上げ、上昇に転じた。食品のダノン、防衛向けの電子機器システムを提供する仏タレスや保険のアクサが下落した。