【大引け概況】
6日の日経平均株価は大幅に続伸し、終値は前日比1005円77銭高の3万9480円67銭だった。
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前日の米株式市場では、NYダウは427ドル高と反発した。米株高を好感して日経平均株価も上昇してスタートした。
5日の米株式市場でのハイテク株高の流れを受け、東京株式市場でも朝方から東エレクやアドテストなど値がさの半導体関連株が買われて日経平均を押し上げた。米サプライマネジメント協会(ISM)が発表した10月の非製造業(サービス業)景況感指数は56.0と2年3カ月ぶりの高水準となり、市場予想も上回った。景況感の改善のほか、米連邦準備理事会(FRB)による利下げ継続観測も株買いを誘い、ダウ工業株30種平均も反発した。
また、米大統領選は開票序盤で激戦州のジョージア州でトランプ氏が優勢と伝わるとドル高・円安が進行するとともに、日経平均株価も上伸。その後も、トランプ氏優勢の報道が続き、為替市場では一時1ドル=154円台に乗せ前日夕方に比べ2円近いドル高・円安が進んだ。
日経平均株価も前日に比べ1100円超の3万9600円台まで上昇する場面があった。半導体関連株や銀行株、防衛関連の大手重工株などが買われた。ただ、買い一巡後は利益確定売りも膨らみ、午後2時頃にかけやや上昇幅は縮小したが、激戦州のノースカロライナやジョージアなどでのトランプ氏の勝利が伝わると再び値を上げた。米議会選挙も共和党が上院の多数派を奪還したと報じられ、大統領と上下両院の議会選も共和党が勝利する「トリプルレッド」に対する期待が高まった。結局、トランプ氏の勝利を織り込む格好で日経平均株価は1005円高で取引を終えた。
ただ、買い一巡後は伸び悩む場面もみられた。場中に決算を発表したホンダは2025年3月期(今期)の連結純利益(国際会計基準)が前期比14%減の9500億円になる見通しを明らかにした。10%減の1兆円を見込んでいた従来予想から下方修正し、市場予想の平均であるQUICKコンセンサスの1兆696億円(10月25日時点、17社)を下回ったことで、株価は下げ幅を午後に拡大し、日経平均の上値を抑えた。
注目を集めたトヨタは、2024年4〜9月期の連結決算(国際会計基準)で純利益が前年同期比26%減の1兆9071億円だった。市場予想の平均であるQUICKコンセンサス(10月25日時点、7社、2兆3444億円)を下回ったが、株価は上昇して終わった。市場では「系列のデンソーなどの決算が良くなかったので、トヨタの決算が良くないことは市場で織り込み済みだった」との声が聞かれた。
さて、東京株式市場は米株高に円安と良好な外部環境が揃い日経平均は大きく上昇。今月1日の大幅な下げ(1027円安)を完全に埋めてきた。さらに、米大統領選でトランプ氏勝利の流れが見えてきた中盤以降は一段高へ。一足早いトランプラリーを演じている。当面はマイナス材料がなく日経平均は上値4万円を捉えてくる11月相場となりそうだ。
東証株価指数(TOPIX)は続伸した。終値は51.66ポイント(1.94%)高の2715.92だった。JPXプライム150指数も続伸し、25.60ポイント(2.15%)高の1216.84で終えた。
東証プライムの売買代金は概算で5兆6352億円、売買高は24億5518万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1099。値下がりは486、横ばいは62だった。日経平均は15時25分時点では3万9426円52銭で、クロージング・オークションを経て54円15銭上昇した。
個別銘柄では、トランプトレードの影響で、三菱重工業、IHI、日本製鋼所、川崎重工業など防衛関連の一角が上げ幅を拡大。IHIは強い決算も発表したことからストップ高となった。また、一部証券会社のポジティブなレポートを受けてアドバンテストも大幅高したほか、ディスコ、レーザーテックが値を上げ、時間外の米10年国債利回りが4.4%台まで上昇したことなどが刺激材料となり、三菱UFJフィナンシャル・グループや三井住友フィナンシャルグループ、りそなHD、みずほFG、千葉銀行など銀行株も買われた。日立製作所や三菱電機が高く、信越化学工業やコマツ、HOYAが上昇した。ソニーグループやトヨタ自動車、任天堂も高い。
半面、決算の内容や成長率鈍化などが嫌気されてメルカリが急落したほか、構造改革などが影響し通期営業赤字に下方修正したコニカミノルタも売られた。トランプ氏が勝利した場合の関税引き上げ懸念でホンダや日産自動車、SUBARUといった自動車株が下落。日本郵船や商船三井が値を下げ、村田製作所やヤマハ発動機、住友林業が下落した。
6日の東京株式市場は、堅調な展開か。
日経平均株価の予想レンジは、3万8300円-3万9000円を想定。(5日終値3万8474円90銭)
米国株は上昇。ダウ平均は427ドル高の42221ドルで取引を終えた。
日経平均株価は現地5日の米国株式が反発した動きから、きのう5日の好地合いが継続し、買い先行スタートとなりそう。ただ、注目される米大統領選挙の行方が不透明ななか、積極的な売買は期待しにくく、上値では戻り待ちの売りに押される場面も想定される。
為替相場は、ドル・円が1ドル=151円台の半ば(5日は152円27-28銭)と円高方向にある一方、ユーロ・円が1ユーロ=165円台の後半(同165円80-84銭)と小動き。
シカゴ日経平均先物の円建て清算値は、5日の大阪取引所清算値比310円高の3万8970円だった。
【好材料銘柄】
■アグレ都市デザイン <3467>
上期経常が305倍増益で着地・7-9月期も4.6倍増益。
■クラウドワークス <3900>
今期営業は20%増益へ。また、株主優待制度を拡充。25年12月末時点で300株以上を1年以上継続保有する株主に対し、QUOカード1万円分を贈呈する。24年12月末は上場10周年記念株主優待を実施する(8月に発表)。
■綜研化学 <4972>
今期経常を51%上方修正・最高益予想を上乗せ。
■じもとホールディングス <7161>
上期経常を一転10%増益に上方修正。
【主な経済指標・スケジュール】
6(水)
【国内】
日銀金融政策決定会合の議事要旨(9/19~20開催分)
《決算発表》
トヨタ、伊藤忠、ホンダ、ダイキン、NTTデータG、郵船、ニトリHD、シスメックス、キッコーマン、ヤマハ発、オムロン、IHI、JFE、ミネベアミツミ、JR九州、ALSOK、SBIレオス
【海外】
FOMC(~11/7)
米30年国債入札
《米決算発表》
クアルコム、アメリカン・エレクトリック・パワー、CVSヘルス、トリンブル、センプラ・エナジー
※株式スケジュールは予定の為、変更される場合があります。
5日のNYダウ工業株30種平均は反発し、前日比427ドル28セント(1.02%)高の4万2221ドル88セントで終えた。
この日発表された経済指標が米景気の強さを示す内容で、市場で投資リスクの高い株を買う動きが強まった。金融や半導体の銘柄を中心にほぼ全面高となった。
市場では、投開票日を迎えた米大統領選の結果にかかわらず、経済について「底堅さを示唆する指標が相次ぎ、連邦準備制度理事会(FRB)による緩やかな利下げも見込まれる」(日系大手証券)と、強気な見方が出ている。
政治分析サイト「ファイブサーティーエイト」の最終集計では、大統領選の勝者が民主党候補のハリス副大統領になる確率が50%、共和党のトランプ前大統領は49%と互角となっている。接戦となり、結果判明に時間がかかるとの予想は多い。僅差による票の再集計など選挙後の混乱への懸念もくすぶった。
一方、過去の選挙を振り返ると投開票日と結果判明後は相場が上昇しやすい傾向があり「結果が想定の範囲内で出れば選挙を巡る不透明感が払拭され、株は買われやすくなる」との見方があった。議会選挙も接戦が予想され「大統領と上下両院の支配政党が異なる『ねじれ議会』となれば、財政悪化が抑制されるなど投資家には好まれる」との観測もみられた。
5日午前に米サプライマネジメント協会(ISM)が発表した10月の非製造業(サービス業)景況感指数は56.0と、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(53.7)に反して前月(54.9)から上昇した。個別指数では「雇用」が、拡大と縮小の分かれ目とされる50を上回る水準に改善した。景気鈍化への懸念もくすぶるなか「サービス業の伸びが加速したことは株式相場にとってポジティブだ」と受け止められた。
FRBは6〜7日に開く米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利下げを決めるとみられている。米経済が底堅さを維持するなかで緩やかながらも利下げが継続するとの観測も、景気敏感株を中心に買いが入りやすかった。
個別銘柄では、前日に下げが目立ったインテルの上昇率が3%を超えた。ゴールドマン・サックスやキャタピラー、アメリカン・エキスプレスといった景気敏感や消費関連株の買いも目立った。アマゾン・ドット・コムも高い。半面、4日に組合員投票で新たな労働協約が承認され、ストライキが終結したボーイングは安い。シェブロンやメルクも下げた。
ナスダック総合株価指数は反発した。前日比259.187ポイント(1.42%)高の1万8439.171で終えた。エヌビディアやブロードコムといった半導体株のほか、テスラが買われた。
【シカゴ日本株先物概況】
5日のシカゴ日経平均先物は上昇した。12月物は前日比595円高の3万8970円で終えた。この日は日米株式相場がともに上昇し、シカゴ市場の日経平均先物にも買いが広がった。
シカゴ日経225先物 (円建て)
38970 ( +310 )
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
39040 ( +380 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
5日のFTSE100種総合株価指数は3営業日ぶりに反落し、前日比11.85ポイント(0.14%)安の8172.39で終えた。米大統領選挙の成り行きを見極めたいと様子見の雰囲気が広がる中、午後に製薬大手アストラゼネカ株に売りが膨らみ、指数を下押しした。
FTSEの構成銘柄では、2024年7〜9月期に20億ポンド超の資金流出があったと公表したシュローダーが13.70%安と急落したほか、中国部門の幹部が医療保険詐欺事件に関与した疑いがあると報じられた製薬大手アストラゼネカも8.40%安と大きく売られた。
一方、投資会社メルローズ・インダストリーズは5.19%高、プライベート・エクイティ会社3i(スリーアイ)グループは4.34%高、通信大手BTは3.69%高となった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
5日のドイツ株価指数(DAX)は反発し、前日比108.42ポイント(0.56%)高の1万9256.27で終えた。5日に投開票日を迎えた米大統領選挙に市場の関心が高い。様子見の雰囲気が広がるなか、5日の米株式相場が上げ幅を広げる場面があり、投資家心理を支えた。
前日終値を下回る場面があるなど、上値を追う勢いは限られた。
個別では、セメント大手ハイデルベルク・マテリアルズが2.74%高、防衛大手ラインメタルが2.56%高、航空機エンジン大手MTUエアロ・エンジンズは2.16%高と買われた半面、郵便・物流大手ドイツポストは4.04%安、化学大手BASFは2.13%安、自動車部品大手コンチネンタルは1.20%安で取引を終えた。
■フランス・パリ株価指数
フランスの株価指数CAC40は反発し、前日比0.48%高で終えた。