【寄り付き概況】
31日の日経平均株価は反落して始まった。始値は前日比385円18銭安の3万8140円77銭。
前日の米国株市場ではNYダウが大幅反発したものの、ハイテク株に売りが目立つ地合いとなり、ナスダック総合株価指数は3日ぶりに反落した。特に半導体関連株の下げが目立つ展開で、東京市場もその影響を受けやすい状況にある。
一方、きょう結果が判明する日銀の金融政策決定会合では国債買い入れの減額に加え、追加利上げを決定する可能性が意識されており、全体相場は足もと波乱含みの地合いとなっている。外国為替市場で利上げ観測を背景に円高が急速に進んでいることもネガティブ材料。取引時間中は日経平均やTOPIXが上下にボラティリティの高い展開となることが予想される。
日経平均は11日に付けた史上最高値(4万2224円)から短期間で4000円ほど下落していた。市場では「最近の日本株は日銀の追加利上げへの警戒も含めて下げていた。ある程度の織り込みは進んでいたため、一段と下値を探る展開にはなっていない」との見方があった。
10時現在の東証プライムの売買代金は概算1兆1826億円、売買高は5億2443万株だった。
個別では、OLCや村田製、資生堂が安い。一方、みずほFGや三菱UFJ、三井住友FGなど銀行株は高い。
31日の東京株式市場は反落後、弱含みの展開か。
日経平均株価の予想レンジは、3万7900円-3万8200円を想定。(30日終値3万8525円95銭)
米国株はまちまち。ダウ平均が上昇した一方、S&P500とナスダックが下落した。
きょう、日銀の金融政策決定会合の結果が発表される。従来から予想されていた国債買い入れを減額する量的引き締めに加え、政策金利を現在の0-0.1%から0.25%に引き上げ案が有力と一部で報じられており、日米金利差の縮小を見込み、為替市場ではドル・円が1ドル=152円台の後半(30日は154円89-90銭)、ユーロ・円が1ユーロ=165円台の前半(同167円57-61銭)と大幅に円高方向に振れている。輸出関連株を中心に軟調な動きが見込まれる。
シカゴ日経平均先物の円建て清算値は、30日の大阪取引所清算値比385円安の3万8105円だった。
【主な経済指標・スケジュール】
31(水)
【国内】
植田日銀総裁会見
日銀展望レポート
6月鉱工業生産(8:50)
6月商業動態統計(8:50)
7月消費動向調査(14:00)
《決算発表》
日立、第一三共、みずほ、デンソー、武田、三菱電、住友商、アドバンテ、豊田織機、豊通商、パナソニックH、JR東日本、りそなHD、商船三井、アイシン、旭化成、中部電、東ガス、ZOZO、東電力HD、大東建、小野薬、東洋水産、JAL、エプソン、積水化、TOTO、ヤマハ、ソシオネクスト、サイバエージ
【海外】
中国7月製造業購買担当者景気指数(PMI)(10:30)
パウエルFRB議長会見
米7月ADP雇用統計(21:15)
米6月中古住宅販売仮契約(23:00)
《米決算発表》
メタ・プラットフォームズ、クアルコム、ボーイング、イーベイ、マスターカード、デュポン、オートマティックデータ、ヘス、ヒューマナ、ガーミン、ベリスク・アナリティックス、マリオット・インターナショナル、クラフト・ハインツ、アルトリア・グループ、ノルウェー・クルーズ・ライン・ホールディングス、ブンゲ、Tモバイル、ウォーターズ
《欧決算発表》
ArmHoldings
《アジア決算発表》
サムスン電子
※株式スケジュールは予定の為、変更される場合があります。
30日のNYダウ工業株30種平均は反発し、前日比203ドル40セント(0.50%)高の4万0743ドル33セントで終えた。
米連邦準備理事会(FRB)が9月にも利下げを始め、米経済がソフトランディング(軟着陸)に向かうとの期待が株式相場の支えとなった。一方で、決算を発表した一部の銘柄に売りが出た。ハイテク株の下げも目立ち、ダウ平均は小幅に下げる場面があった。
この日マイクロソフトの決算が発表されるのに備え、同社や半導体大手エヌビディアなど人工知能(AI)関連の銘柄を手放し、金融やエネルギー、医療保険を買う動きが広がった。金融株などの影響が大きいダウ平均が値上がりした一方、ナスダックは下落した。
午前発表の7月の米消費者信頼感指数は100.3と6月改定値の97.8から改善し、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(99.5)も上回った。米景気が底堅さを保っているとの見方につながった。6月の米雇用動態調査(JOLTS)では非農業部門の求人件数が818万4000件と、QUICK・ファクトセットがまとめた市場予想(800万件)を上回った。
市場では、米経済が減速するなかでも底堅さを保っていると受け止められた。相対的な出遅れ感があるとみられている景気敏感株の一部に買いが入った。中小型の内需株を中心に構成するラッセル2000株価指数は反発して終えた。
ダウ平均は下落に転じる場面があった。朝に発表した2024年4〜6月期決算で売上高が市場予想を下回ったプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)が5%近く下落した。業績見通しを引き下げたメルクは9.8%安で終えた。午後にはイスラエルがイスラム教シーア派組織ヒズボラの幹部を標的にレバノンの首都を空爆したと伝わった。リスク回避の姿勢が強まり、株売りが広がる場面があった。
FRBは31日午後に結果を公表する米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を据え置く公算が大きい。次回9月の会合で利下げを始めるとの見方が根強く、市場にはパウエル議長の記者会見で政策見通しを探りたい雰囲気があった。週内発表のアップルなど大型ハイテク企業の決算の内容を見極めたい市場参加者も多い。一部のハイテク株には持ち高調整の売りが目立ち、マイクロソフトやアマゾン・ドット・コムが下げた。
他のダウ平均の構成銘柄では、ゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースといった金融株が上昇した。マクドナルドやアメリカン・エキスプレスなどの消費関連の一角にも買いが入った。アナリストが目標株価を引き上げたトラベラーズも高かった。一方、インテルとキャタピラーが下げた。
ナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反落した。前日比222.784ポイント(1.28%)安の1万7147.417と、6月上旬以来の安値で終えた。エヌビディアが7%安で終えるなど半導体株の下げが目立ったほか、テスラにも売りが出た。
【シカゴ日本株先物概況】
30日のシカゴ日経平均先物は下落した。9月物は前日比225円安の3万8105円で終えた。
NYダウ平均は、米IT大手の決算発表を控える中、反発した。この日は米ナスダック総合株価指数が下落し、シカゴ市場の日経平均先物に売りが及んだ。
シカゴ日経225先物 (円建て)
38105 ( -385 )
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
38165 ( -325 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 8274.41(-17.94)
30日のFTSE100種総合株価指数は4営業日ぶりに反落し、前日比17.94ポイント(0.21%)安の8274.41で終えた。主要企業の決算など個別の材料を踏まえた売買が交錯した。
中型株で構成するFTSE250種株価指数は反発した。前日比0.84%高の2万1432.51と2022年3月下旬以来、約2年4カ月ぶりの高値で終えた。
FTSEの構成銘柄では、医療機器のコンバテックが5.80%安、賭け屋大手エンテインが5.46%安、減収減益の決算を公表したディアジオが5.08%安と下げを主導。
一方、24年4〜6月期決算とあわせて自社株買いを発表した金融大手スタンダード・チャータードは5.94%高と急伸し、高級衣料のバーバリーが3.70%高、エンジニアリング会社ウィアーグループが3.63%高で続いた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 18411.18(+90.51)
30日のドイツ株価指数(DAX)は反発し、前日比90.51ポイント(0.49%)高の1万8411.18で終えた。欧州で好調な決算を公表したイタリアの大手銀インテーザ・サンパオロ株が上昇し、ドイツの銀行株にも買いが波及した。
31日以降に米国や英国で金融政策が発表される。内容を確認したいとの雰囲気もあり、指数上昇の勢いは限られた。
個別では、医療機器のザルトリウスが3.73%高、ドイツ銀行が2.23%高、航空機大手エアバスが2.13%高と買われた半面、日用品大手ヘンケルは1.36%安、医療機器のシーメンス・ヘルシニアーズは1.32%安、セメント大手ハイデルベルクは0.55%安で取引を終えた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 7474.94(+31.10)
フランスCAC40種指数は0.42%高だった。四半期決算が好調だった銘柄を中心に買いが入った。