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[3300] AMBITION

[09月24日更新]

アンビションDXホールディングスは上値試す、25年6月期も大幅増益・増配予想

 アンビションDXホールディングス<3300>(東証グロース)は不動産デジタルプラットフォーマーとして、賃貸DXプロパティマネジメント事業、賃貸DX賃貸仲介事業、売買DXインベスト事業、インキュベーション事業、その他事業を展開している。25年6月期も大幅増益、そして大幅増配予想としている。中期経営計画の目標値を上方修正しており、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は急伸して18年6月の高値に接近している。25年6月期大幅増益・増配予想を好感した形だ。目先的にはやや過熱感だが、指標面は依然として割安感の強い水準であり、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。
 
■不動産ビジネスを変革するデジタルプラットフォーマー
 
 同社はビジョンに「DXによって不動産ビジネスを変革し、デジタルとリアルを融合した唯一の不動産デジタルプラットフォーマーになる」を掲げ、不動産物件サブリースやプロパティマネジメントなどを行う賃貸DXプロパティマネジメント事業、賃貸物件仲介などを行う賃貸DX賃貸仲介事業、ハイクオリティ新築デザイナーズマンション開発・販売や買取再販などを行う売買DXインベスト事業、ベンチャー企業投資を行うインキュベーション事業、その他事業(システム開発の海外子会社を含む不動産DX事業、少額短期保険事業、ZEH・ライフライン事業、内装事業など)を展開している。
 
 24年6月期末時点の主要連結子会社は、神奈川県内で賃貸管理・賃貸仲介を行うアンビション・バロー、システム開発を行うベトナムのAMBITION VIENTNAM、不動産賃借人向け少額短期保険業を行うホープ少額短期保険、東京圏プレミアムエリアを中心に不動産開発・販売等を行うヴェリタス・インベストメント、首都圏で賃貸仲介を行うアンビション・エージェンシー、不動産販売代理を行うVISION、学生向け賃貸仲介を行うアンビション・レント、法人向け賃貸仲介を行うアンビション・パートナー、ベンチャー企業投資を行うアンビション・ベンチャーズ、太陽光関連など住宅設備環境商材販売を行うDRAFT、内装・リフォーム工事を行うフレンドワークスなどである。なお24年7月に子会社化した賃貸物件管理業のDRS、SPN、LTDの3社については24年10月1日付で吸収合併する。
 
 24年6月期の事業別構成比は、売上高(外部顧客への売上高)が賃貸DXプロパティマネジメント事業48%、賃貸DX賃貸仲介事業2%、売買DXインベスト事業47%、インキュベーション事業0%、その他3%、営業利益(全社費用等調整前)が賃貸DXプロパティマネジメント事業42%、賃貸DX賃貸仲介事業0%、売買DXインベスト事業58%、インキュベーション事業1%、その他▲1%だった。
 
 収益特性として、売買DXインベスト事業は物件によって業績が変動する可能性があるが、ストック型の賃貸DXプロパティマネジメント事業が安定収益源となる。なお24年6月期のARR(Annual Recurring Revenue=年間経常収益)は181億71百万円、全社売上高に占める構成比は43%だった。
 
■賃貸DXプロパティマネジメント事業
 
 賃貸DXプロパティマネジメント事業は、顧客(不動産所有者)から家賃保証付きで借り上げた物件を一般消費者に賃貸するサブリース事業、不動産所有者の入居者募集代理業務や入退去時の原状回復業務等を行うプロパティマネジメント事業を展開している。
 
 自社グループのリーシング力や入居者の利便性向上策などによって高入居率を維持することで、より高い保証家賃の設定を実現するとともに、独立系のサブリース事業者として、自社で賃貸仲介事業部門を保有していない投資用不動産販売会社からの受託も行っている。一般消費者に対しては、敷金・礼金・保証料0円で引越時の初期費用を抑える「ALL ZERO PLAN」や、敷金・礼金・保証料・初回家賃・香辛料0円の「SUPER ZERO PLAN」といった賃料プランを設定することで、高入居率を維持している。また電子契約等を活用した高度な賃貸管理によって従業員1人あたり管理戸数増加を図るなど、業務効率化・仲介会社の利便性向上・顧客満足度向上を目指してDX施策を推進している。
 
 24年6月期末時点の管理戸数は前期末比1.0%増の2万5224戸(うちサブリースが2.8%増の1万4300戸)となった。また24年6月期末時点の入居率は95.5%と、業界平均(89.4%、出典:タス「賃貸住宅市場レポート」東京都空室率)を大きく上回る水準となっている。管理戸数の増加、高い入居率の維持、家賃改定に加え、クラウド管理システム「AMBITION Cloud」を活用した生産性向上が収益を牽引している。
 
■賃貸DX賃貸仲介事業
 
 賃貸DX賃貸仲介事業は、基本として営業店舗を構え、賃貸物件を探している一般消費者に対して、賃貸DXプロパティマネジメント事業で管理する物件(自社物件)および他社が管理する物件(他社物件)を紹介し、賃貸物件の仲介・斡旋および当該業務に付随する引越等の業者を斡旋する。
 
 一般消費者にとって「問合せしやすい」「適切で円滑な進行」をコンセプトに、DXを活用したWEB集客、リモート接客、VR内見、電子契約など非対面サービスを強化するとともに、AI×RPAツール「ラクテック自動入力」の導入により業務効率化・販管費抑制を推進している。
 
■売買DXインベスト事業
 
 売買DXインベスト事業は、主に東京圏のプレミアムエリア(目黒区、渋谷区、新宿区、港区、品川区、中央区)において、新築投資用ワンルームマンションを中心とするハイクオリティ新築デザイナーズマンションの開発・販売、および買取再販・リノベーション販売を行っている。さらに、一口1万円から投資できる不動産投資クラウドファンディングサービス「A funding」の運営(20年1月開始)も行っている。
 
■インキュベーション事業・その他事業
 
 インキュベーション事業は、同社グループが展開する不動産DX事業と親和性の高い事業を行うベンチャー企業への投資、資本業務提携、投資先企業の支援などを行っている。投資先企業のIPOによって収益を得るほか、同社の新事業を創出する役割や、同社の業務システムへの先端技術の早期導入につなげる役割なども担っている。24年6月期末時点の投資企業は累計31社で、このうち6社が上場した。
 
 その他事業は、システム開発の海外子会社を含む不動産DX事業、少額短期保険事業、ZEH・ライフライン事業、内装事業などを行っている。
 
■特徴・強みと不動産DXプロダクト
 
 同社は基本方針に「不動産ビジネスを一気通貫で構築できるDXプラットフォームを構築し、快適な住まい体験を提供する」を掲げている。そして全ての不動産業務においてデジタルとリアルを融合し、多彩なDXプロダクトを開発・活用することによって、大幅な生産性向上や入居者の顧客満足度向上・LTV(顧客生涯価値)最大化を図っていることが特徴・強みである。
 
 主要な不動産DXプロダクトとしては、不動産賃貸管理業務を網羅したDXで生産性向上を実現するクラウド管理システム「AMBITION Cloud」、「AMBITION Cloud」の中核を担うサービスの一つでブロックチェーン技術を活用した電子契約システム「AMBITION Sign」、賃貸仲介業務をDX化するAI×RPAツール「ラクテック自動入力」、鍵の受け渡しから日々の生活サービスまで入居者をサポートするChatGPT搭載アプリ(LINEサービス)の「AMBITION Me」、お部屋探しユーザーとコンシェルジュ(不動産仲介営業)を繋ぐマッチングアプリ「ルムコン −Room Concierge−」などがあり、さらなる機能・サービス強化や新プロダクトの開発を推進している。自社の基幹システムについても自前で構築することを目指している。
 
 なお24年7月には、次世代AIモデル「Gemini 1.5」を介したナレッジデータベースの利活用として、多用途RAGソリューションを開発し、利用を開始した。24年9月にはアンビション・ベンチャーズが、不動産業界における革新的なサービスの創出を目的として、IoTプラットフォーマーであるアクセルラボと資本業務提携した。
 
■中期経営計画の目標値を上方修正
 
 中期経営計画(24年6月期〜26年6月期)の業績目標については、24年6月期実績が当初目標を大幅に上回ったため、24年8月13日付で上方修正して最終年度26年6月期の目標を売上高641億14百万円、営業利益42億50百万円、経常利益37億30百万円、親会社株主帰属当期純利益27億35百万円とした。
 
 基本戦略にはトップラインの非連続成長、DXによる利益率の向上、新規事業の創出、経営基盤の抜本的強化を掲げ、トップラインの非連続成長では大型案件獲得に向けたリソース低下、M&A・アライアンス・ベンチャー投資の加速・業容拡大、DXによる利益率の向上ではDX推進による業務効率化および中核事業の売上拡大と生産性向上、新規事業の創出では自社グループで開発・実装した外部ニーズの高いデジタルプロダクトの外販、不動産周辺領域への積極的なM&A・アライアンスの推進、経営基盤の抜本的強化ではベトナムでのオフショア開発やアライアンス構築などによるシステム開発体制の強化、人材教育と優秀な人材の採用体制強化を推進する。
 
■25年6月期も大幅増益・増配予想
 
 25年6月期の連結業績予想は、売上高が24年6月期比26.7%増の532億94百万円、営業利益が29.4%増の35億26百万円、経常利益が23.7%増の31億01百万円、親会社株主帰属当期純利益が39.1%増の22億79百万円としている。配当予想は上場10周年記念配当を含めて24年6月期比68円増配の105(期末一括=普通配当55円+上場10周年記念配当50円)としている。連続大幅増配で予想配当性向は31.7%となる。
 
 ストック型ビジネスである賃貸DXプロパティマネジメント事業が管理戸数増加、高い入居率維持、家賃改定、生産性向上によって堅調に推移するほか、売買DXインベスト事業において回転率の良い買取再販の大幅伸長を見込み、全体として大幅増収増益予想としている。
 
 重点施策として、賃貸DXプロパティマネジメント事業では関西・中部地方の物件獲得強化、物件ごとのマネジメント強化、DXサービスのバージョンアップ、賃貸DX賃貸仲介事業では法人契約の増加、付帯サービスの強化、売買仲介件数の増加、DXのさらなる促進、売買DXインベスト事業では1件あたり販売単価の増加、付加価値の高い物件の仕入強化、その他事業ではDRAFTにおけるコールセンター活用、ホープ少額短期保険におけるパートナー企業とのタイアップ商品開発や販路拡大などを推進する。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。
 
■株価は急伸して18年6月の高値に接近、上値試す
 
 株価は急伸して18年6月の高値に接近している。25年6月期大幅増益・増配予想を好感した形だ。目先的にはやや過熱感だが、指標面は依然として割安感の強い水準であり、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。9月20日の終値は1808円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS327円86銭で算出)は約6倍、今期予想配当利回り(会社予想の105円で算出)は約5.8%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS881円93銭で算出)は約2.1倍、そして時価総額は約126億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
 
[03月03日更新]

AMBITIONは売り一巡、不動産テック企業を目指し20年6月期増益予想

 AMBITION<3300>(東マ)は東京23区中心の不動産コミュニティーデベロッパーである。マンションサブリースと投資用マンション開発・販売を主力として、ITを活用した不動産テック企業を目指している。3月2日にはAI・ロボット開発のヘッドウォータースとの資本業務提携を発表した。20年6月期増益予想である。収益拡大を期待したい。株価は地合い悪で急落して昨年来安値圏だが、売り一巡して出直りを期待したい。

■東京23区中心の不動産コミュニティーデベロッパー

 東京23区中心の不動産コミュニティーデベロッパーである。マンションサブリースのプロパティマネジメント事業、および投資用マンション開発・販売のインベスト事業(子会社ヴェリタス・インベストメント)を主力として、賃貸仲介、少額短期保険、民泊などの不動産関連事業も展開している。

 19年6月期セグメント別営業利益構成比(連結調整前)は、プロパティマネジメント事業30%、賃貸仲介事業1%、インベスト事業72%、その他▲3%だった。

 プロパティマネジメント事業は、不動産所有者から家賃保証付きで借り上げた物件を一般消費者に賃貸するサブリース(転貸)が主力である。東京23区中心に分譲仕様のハイクオリティ・デザイナーズマンションを対象物件としている。19年6月期末時点のサブリース管理戸数は18年6月期末比10.1%増の1万250戸となった。また19年6月末時点の入居率は97.7%と高水準である。

 インベスト事業の子会社ヴェリタス・インベストメントは、都内プレミアムエリア(目黒区、渋谷区、新宿区、港区、品川区、中央区)を中心として、新築投資用マンション開発・販売を展開している。分譲仕様のハイクオリティ・デザイナーズマンションが特徴である。

 19年11月には不動産特定共同事業(クラウドファンディング)の許可を取得した。同法に基づく不動産小口化商品を一般投資家に提供する。

 収益面の特性として、インベスト事業の引き渡し戸数・時期によって期間損益が変動する。また入社・転勤等の転居シーズンとなる3月を含む第3四半期(1〜3月)の構成比が高い季節要因がある。

■管理戸数拡大とIT活用による不動産テック企業目指す

 長期ビジョンでは目標値に売上高1000億円、営業利益100億円を掲げ、成長戦略としてサブリース管理戸数を拡大するとともに、ITを活用した不動産テック企業を目指している。

 プロパティマネジメント事業は、子会社化ヴェリタス・インベストメントの開発・販売物件も含めて、物件の適正な価値評価を行いつつ管理戸数拡大を推進する。外国人の流入や法人顧客の社宅などのニーズに対応し、外出先からでも家電操作できる最新IoT機器「VERIOT」などのサービス提供で物件差別化も推進する。

 さらに顧客満足度アップ、営業強化、自社管理物件のIoT化に向けて、PCやスマホを利用した重要事項説明、サイシード社およびコムデザイン社と連携したチャットツールやAIの活用、ナビック社との資本業務提携によるWi−Fiセキュリティサービスなども推進している。

 民泊関連ではand factory<7035>と事業協力し、IoTスマートホステル「&AND HOSTEL」を展開している。19年8月には「&AND HOSTEL HOMMACHI EAST」のサブリース契約を締結した。

 M&A・アライアンス戦略では、19年7月RPAテクノロジーズと不動産業界向けRPA・AI販売の合弁会社Re−Techを設立、19年8月中国人留学生向け大手賃貸事業者「Uhomes」と業務提携、Re−Techが賃貸管理業務効率化システム「賃貸名人」のダンゴネットと業務提携、19年9月Re−TechがNTTドコモ<9437>からRPA業務を受託、19年12月ネット型リユース事業のBuySell Technologiesと業務提携した。

 3月2日にはAI・ロボット開発のヘッドウォータースとの資本業務提携を発表した。

■20年6月期増益予想

 20年6月期連結業績予想は、売上高が19年6月期比5.5%増の312億56百万円、営業利益が3.3%増の16億47百万円、経常利益が2.6%増の14億70百万円、純利益が26.1%増の9億29百万円としている。純利益は特別損失減少も寄与する。配当予想は19年6月期と同額の25円(期末一括)である。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比9.9%減の121億05百万円、営業利益が21百万円の赤字(前年同期は5億57百万円の黒字)、経常利益が95百万円の赤字(同4億83百万円の黒字)、純利益が1億37百万円の赤字(同2億62百万円の黒字)だった。プロパティマネジメント事業は順調だが、インベスト事業の販売で期ズレが発生して減収となり、RPA事業の先行投資負担も影響して赤字だった。

 プロパティマネジメント事業は管理戸数が順調に増加(前年同期比972戸増加の1万748戸)し、8.2%増収で42.9%増益だった。インベスト事業は一部案件の期ズレの影響で物件売却が減少(32件減少の154件)で29.3%減収となり、利益は70.1%減益だった。

 第2四半期累計は期ズレの影響などで赤字だったが、通期は増益予想としている。収益拡大を期待したい。

■株価は売り一巡

 株価は地合い悪で急落して昨年来安値圏だが、売り一巡して出直りを期待したい。3月2日の終値は838円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS136円59銭で算出)は約6倍、今期予想配当利回り(会社予想25円で算出)は約3.0%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS380円39銭で算出)は約2.2倍、時価総額は約57億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[02月19日更新]

AMBITIONは調整一巡、20年6月期2Q累計赤字だが通期増益予想

 AMBITION<3300>(東マ)は東京23区中心の不動産コミュニティーデベロッパーである。マンションサブリースと投資用マンション開発・販売を主力として、ITを活用した不動産テック企業を目指している。20年6月期第2四半期累計は期ズレの影響などで赤字だったが、通期は増益予想としている。通期ベースで収益拡大を期待したい。株価は戻り高値圏から反落して水準を切り下げたが、調整一巡して出直りを期待したい。

■東京23区中心の不動産コミュニティーデベロッパー

 東京23区中心の不動産コミュニティーデベロッパーである。マンションサブリースのプロパティマネジメント事業、および投資用マンション開発・販売のインベスト事業(17年10月子会社化したヴェリタス・インベストメント)を主力として、賃貸仲介、少額短期保険、民泊などの不動産関連事業も展開している。

 19年6月期セグメント別営業利益構成比(連結調整前)は、プロパティマネジメント事業30%、賃貸仲介事業1%、インベスト事業72%、その他▲3%だった。

 プロパティマネジメント事業は、不動産所有者から家賃保証付きで借り上げた物件を一般消費者に賃貸するサブリース(転貸)が主力である。東京23区中心に分譲仕様のハイクオリティ・デザイナーズマンションを対象物件としている。19年6月期末時点のサブリース管理戸数は18年6月期末比10.1%増の1万250戸となった。また19年6月末時点の入居率は97.7%と高水準である。

 インベスト事業の子会社化ヴェリタス・インベストメントは、都内プレミアムエリア(目黒区、渋谷区、新宿区、港区、品川区、中央区)を中心に、新築投資用マンションの開発・販売を展開している。分譲仕様のハイクオリティ・デザイナーズマンションが特徴である。

 19年11月には不動産特定共同事業(クラウドファンディング)の許可を取得した。同法に基づく不動産小口化商品を一般投資家に提供する。

 収益面の特性として、インベスト事業の引き渡し戸数・時期によって期間損益が変動する。また入社・転勤等の転居シーズンとなる3月を含む第3四半期(1〜3月)の構成比が高い季節要因がある。

■管理戸数拡大とIT活用による不動産テック企業目指す

 長期ビジョンでは目標値に売上高1000億円、営業利益100億円を掲げ、成長戦略としてサブリース管理戸数を拡大するとともに、ITを活用した不動産テック企業を目指している。

 プロパティマネジメント事業は、子会社化ヴェリタス・インベストメントの開発・販売物件も含めて、物件の適正な価値評価を行いつつ管理戸数拡大を推進する。外国人の流入や法人顧客の社宅などのニーズに対応し、外出先からでも家電操作できる最新IoT機器「VERIOT」などのサービス提供で物件差別化も推進する。

 さらに顧客満足度アップ、営業強化、自社管理物件のIoT化に向けて、PCやスマホを利用した重要事項説明、サイシード社およびコムデザイン社と連携したチャットツールやAIの活用、ナビック社との資本業務提携によるWi−Fiセキュリティサービスなども推進している。

 民泊関連ではand factory<7035>と事業協力し、IoTスマートホステル「&AND HOSTEL」を展開している。19年8月には「&AND HOSTEL HOMMACHI EAST」のサブリース契約を締結した。

 M&A・アライアンス戦略では、19年7月RPAテクノロジーズと不動産業界向けRPA・AI販売の合弁会社Re−Techを設立、19年8月中国人留学生向け大手賃貸事業者「Uhomes」と業務提携、Re−Techが賃貸管理業務効率化システム「賃貸名人」のダンゴネットと業務提携、19年9月Re−TechがNTTドコモ<9437>からRPA業務を受託、19年12月ネット型リユース事業のBuySell Technologiesと業務提携した。

■20年6月期2Q累計赤字だが通期増益予想

 20年6月期連結業績予想は、売上高が19年6月期比5.5%増の312億56百万円、営業利益が3.3%増の16億47百万円、経常利益が2.6%増の14億70百万円、純利益が26.1%増の9億29百万円としている。純利益は特別損失減少も寄与する。配当予想は19年6月期と同額の25円(期末一括)である。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比9.9%減の121億05百万円、営業利益が21百万円の赤字(前年同期は5億57百万円の黒字)、経常利益が95百万円の赤字(同4億83百万円の黒字)、純利益が1億37百万円の赤字(同2億62百万円の黒字)だった。プロパティマネジメント事業は順調だが、インベスト事業の一部の販売で期ズレが発生して減収となり、RPA事業の先行投資負担なども影響して赤字だった。

 プロパティマネジメント事業は管理戸数が順調に増加(前年同期比972戸増加の1万748戸)し、8.2%増収で42.9%増益だった。インベスト事業は一部案件の期ズレの影響で物件売却が減少(32件減少の154件)で29.3%減収となり、利益は70.1%減益だった。

 第2四半期累計は期ズレの影響などで赤字だったが、通期は増益予想としている。通期ベースで収益拡大を期待したい。

■株価は調整一巡

 株価は戻り高値圏から反落して水準を切り下げたが、調整一巡して出直りを期待したい。2月18日の終値は1019円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS136円59銭で算出)は約7倍、今期予想配当利回り(会社予想の25円で算出)は約2.5%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS380円39銭で算出)は約2.7倍、時価総額は約69億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
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