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[3121]マーチャント・バンカーズ

[10月29日更新]

マーチャント・バンカーズ、株主優待拡充で株価上昇に弾み、賃貸収入が堅調に推移し不動産物件売却も推進

 マーチャント・バンカーズ<3121>(東証スタンダード)はマーチャント・バンキング事業として不動産・企業投資関連などを展開し、安定的収益源となる資産性の高い収益不動産の取得を推進するとともに、新規分野にも積極的に事業展開している。10月28日には株主優待第4弾の実施(株主優待実施頻度を拡充し、25年4月末にも実施)を発表した。24年10月期は大幅黒字転換・増配予想としている。安定収益源の賃貸収入が堅調に推移するほか、不動産物件売却も推進する。積極的な事業展開で収益改善基調だろう。株価は年初来高値圏で堅調に推移している。株主優待拡充も評価して上値を試す展開を期待したい。
 
■マーチャント・バンキング事業を展開
 
 マーチャント・バンキング事業として不動産・企業投資関連などを展開し、安定的収益源となる資産性の高い収益不動産の取得を推進するとともに、新規分野としてブロックチェーン・NFTプラットフォーム関連、娯楽TVメディア・コンテンツ関連、再生エネルギー・EV充電器関連などにも展開している。
 
 23年10月期(決算期変更で7ヶ月決算)のセグメント別営業利益(全社費用等調整前)は、マーチャント・バンキング事業が1億82百万円、オペレーション事業が0百万円だった。オペレーション事業については子会社ケンテン(服飾雑貨店・ネット通販運営)の株式を譲渡(24年4月)して撤退した。
 
 なお、23年3月末時点において流通株式比率がスタンダード市場上場維持基準に適合しない状況となったため、23年6月30日付で上場維持基準への適合に向けた計画書を作成・開示した。そして24年1月には、23年10月31日時点における計画の進捗状況をリリースし、決算期変更に伴って計画期間を24年10月末までに変更した。また24年1月には、第4位株主であるJKMTファイナンスの所有株式数が416万8000株から291万5200株に減少し、議決権数に対する割合が14.25%から9.97%に低下した。
 
■不動産投資は資産性の高い収益不動産の取得を推進
 
 不動産投資関連は、主にネット利回り5%以上を期待できる大都市圏の賃貸用マンションを中心に、安定的収益源となる資産性の高い収益不動産の取得を推進するとともに、保有物件売却による売上利益の積み上げも推進している。
 
 なお直近の物件取得としては、24年7月29日付で賃貸用マンション(名古屋市中区、取得日24年8月予定)の取得をリリース、24年8月26日付でオフィスビル(東京都中央区、取得日24年8月予定)の取得をリリース、24年10月7日付で賃貸用マンション(東京都杉並区、取得日24年11月予定)の取得をリリース、そして24年10月7日付で賃貸用マンション(東京都杉並区、24年11月中〜下旬予定)の取得をリリースしている。
 
 さらに新築マンション開発事業にも取り組んでおり、第1号案件として大阪府堺市にマンション開発用地を取得し、22年5月に田中土建工業と業務提携した。23年7月には建設業への取組強化に向けて、業務提携先であるアビスジャパン(持分法適用関連会社で病院・介護施設などの内装工事等各種工事を展開、太陽光発電関連でも提携)より、1級施工管理技士の資格を持つ萩原茂氏を建築事業部の責任者として招聘した。
 
■企業投資はハンズオン型中心でM&Aも強化
 
 企業投資関連は、投資先とともに企業価値を創造するハンズオン型の投資を行い、バリューアップによるエグジットを目指す。投資実績としては、ブロックチェーンプラットフォーム開発のアーリーワークス、デジタルマーケティング支援のポイントスリー、ブライダル・ホテル運営のホロニック、見守り型介護ロボット開発のIVホールディングスなどがある。
 
 23年3月にはセキュリティチップを開発・製造する台湾Enova Technology社に資本参加した。23年6月には香港のコングロマリットである新世界発展でグループの投資部門の責任者として活躍してきたチャン・チン氏を取締役として招聘し、香港子会社MBK ASIA LIMITEDを拠点にした投資関連事業を強化した。24年8月には半導体関連企業に対する投資の開始を発表した。また、M&Aを強化することを目的として業務提携(24年6月)したColorsJapan社(大阪市)と、24年8月に資本業務提携(ColorsJapan社が同社株式を取得)した。
 
■新規事業分野
 
 新規分野としては、ブロックチェーン・NFTプラットフォーム関連、娯楽TVメディア・コンテンツ関連、再生エネルギー・EV充電器関連などに展開している。
 
 ブロックチェーン関連では、STO(Security Token Offering)を活用したサービスとして、20年2月にサービス開始したエストニア暗号資産交換所ANGOO FinTech関連、海外投資家向けを中心とする日本不動産プラットフォームなどの不動産テック関連、医療エコシステムのメディテックプラットフォーム関連、NFT(Non―Fungible Token=非代替性トークン)プラットフォーム関連などを展開している。
 
 海外(欧州)では20年10月に子会社BFHへANGOO FinTech運営を移管してエストニアでの事業統括会社と位置付けた。23年7月にはエストニアの子会社EJTCについて、バルト3国で運営する証券取引所Nasdaq Baltic上場(21年3月上場)のメリットを活かし、エストニアを拠点とするEUでの事業展開により、企業価値向上に向けた取組を強化する方針とリリースした。24年9月にはEJTCがエストニア企業に対する取り組みを開始した。
 
 23年7月にはEV充電器設置事業への取組を開始した。第1弾として、自社保有するマンションの駐車場や投資先であるホロニックが運営するホテルの駐車場への設置から着手し、新たな設置場所を確保しながら事業拡大を目指す。また23年7月には太陽光パネル設置事業への取組を開始した。自社保有マンションの屋上などへ太陽光パネル設置し、蓄電や売電によって収益確保を目指す。23年8月には、法人のITサポートを展開し、セコムの防犯カメラ設置実績も豊富なDコーポレーションと、防犯カメラ設置ならびにIT関連事業の分野で業務提携した。
 
 23年12月には、プラスチック循環再生事業を手掛ける循環資源ホールディングスと資本業務提携(第三者割当増資により5.77%出資)した。関東圏に再生油生成プラントを設置する。また23年12月にはオリエントコーポレーションと加盟店契約を締結した。ホームセキュリティ事業、建設業、EV充電器設置事業、太陽光パネル設置事業、プラスチック循環再生事業などの分野において、オリエントコーポレーションの多彩な金融サービスを活用する。
 
 なお、子会社の娯楽TVメディア・コンテンツについては24年9月に全株式を譲渡し、キャラクター・コンテンツビジネスへの展開を中止した。
 
■24年10月期大幅黒字転換予想
 
 24年10月期(12ヶ月決算、23年10月期は決算期変更で7ヶ月決算)の連結業績予想は、売上高が30億円、営業利益が6億円、経常利益が4億円、親会社株主帰属当期純利益が2億60百万円としている。配当予想は23年10月期比1円増配の2円(期末一括)としている。
 
 第3四半期累計(23年11月〜24年7月)は売上高が21億74百万円、営業利益が1億42百万円、経常利益が6百万円、親会社株主帰属四半期純利益が90百万円だった。前期が7ヶ月決算のため前年同期との比較はできないが、不動産物件の売却や海外投資案件の配当金などで概ね順調だった。賃貸用不動産の取得は7件、売却は2件だった。
 
 なお全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が3億63百万円で営業利益が68百万円の損失、第2四半期は売上高が10億55百万円で営業利益が83百万円、第3四半期は売上高が7億56百万円で営業利益が1億27百万円だった。
 
 通期予想は据え置いている。マーチャント・バンキング事業の計画は売上高が16億50百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が4億10百万円としている。第1四半期に年間賃貸料収入11億円体制を確保したことに加え、販売用不動産の売却については4物件以上(上期2物件以上、下期2物件以上)の売却を見込んでいる。なお下期の販売用不動産売却としては7月22日付で神戸市兵庫区の共同住宅の売却(決済・引渡日24年8月)をリリース、9月17日付で東京都葛飾区の居宅・倉庫の売却(決済・引渡日24年9月予定)をリリース、9月24日付で札幌市西区の興津住宅の売却(決済・引渡日24年10月予定)をリリース、9月30日付で京都市左京区の共同住宅・倉庫の売却(決済・引渡日24年10月予定)をリリースした。
 
 24年10月期は大幅黒字転換・増配予想としている。第3四半期累計の進捗率は低水準の形だが、安定収益源の賃貸収入が堅調に推移するほか、不動産物件売却も推進する。積極的な事業展開で収益改善基調だろう。
 
■24年10月期末に株主優待制度を実施
 
 なお24年3月15日付で、24年10月期末に株主優待を実施すると発表した。24年10月31日時点で3単元(300株)以上保有株主を対象としてクオカード3000円分を贈呈する。24年4月8日には株主優待の追加実施を発表した。24年10月31日時点で10単元(1000株)以上保有株主を対象として、ラファンが運営するショッピングサイト「LaFan(本店)」で販売する1万円相当分の商品を贈呈する。24年6月3日には株主優待第3弾を発表した。24年10月31日から1年間3単元(300株)以上保有した株主を対象にクオカード5000円分を贈呈する。
 
 また24年10月28日には株主優待第4弾の実施を発表した。株主優待実施頻度を拡充し、25年4月末時点で60単元(6000株)以上保有株主を対象に、資本業務提携先であるColorsJapanが地域創生案件として取り組んでいる宿泊施設の6万円相当の宿泊券などを贈呈(1品を選択)する。
 
■株価は上値試す
 
 株価は年初来高値圏で堅調に推移している。株主優待拡充も評価して上値を試す展開を期待したい。10月28日の終値は353円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS8円88銭で算出)は約40倍、今期予想配当利回り(会社予想の2円で算出)は約0.6%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS137円64銭で算出)は約2.6倍、そして時価総額は約104億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
 
[10月09日更新]

マーチャント・バンカーズは年初来高値更新、24年10月期大幅黒字転換予想

 マーチャント・バンカーズ<3121>(東証スタンダード)はマーチャント・バンキング事業として不動産・企業投資関連などを展開し、安定的収益源となる資産性の高い収益不動産の取得を推進するとともに、新規分野にも事業展開している。24年10月期は大幅黒字転換・増配予想としている。安定収益源の賃貸収入が堅調に推移するほか、不動産物件売却も推進する。積極的な事業展開で収益改善基調だろう。株価は急伸して年初来高値を更新した。上値を試す展開を期待したい。
 
■マーチャント・バンキング事業を展開
 
 マーチャント・バンキング事業として不動産・企業投資関連などを展開し、安定的収益源となる資産性の高い収益不動産の取得を推進するとともに、新規分野としてブロックチェーン・NFTプラットフォーム関連、娯楽TVメディア・コンテンツ関連、再生エネルギー・EV充電器関連などにも展開している。
 
 23年10月期(決算期変更で7ヶ月決算)のセグメント別営業利益(全社費用等調整前)は、マーチャント・バンキング事業が1億82百万円、オペレーション事業が0百万円だった。オペレーション事業については子会社ケンテン(服飾雑貨店・ネット通販運営)の株式を譲渡(24年4月)して撤退した。
 
 なお、23年3月末時点において流通株式比率がスタンダード市場上場維持基準に適合しない状況となったため、23年6月30日付で上場維持基準への適合に向けた計画書を作成・開示した。そして24年1月には、23年10月31日時点における計画の進捗状況をリリースし、決算期変更に伴って計画期間を24年10月末までに変更した。また24年1月には、第4位株主であるJKMTファイナンスの所有株式数が416万8000株から291万5200株に減少し、議決権数に対する割合が14.25%から9.97%に低下した。
 
■不動産投資は資産性の高い収益不動産の取得を推進
 
 不動産投資関連は、主にネット利回り5%以上を期待できる大都市圏の賃貸用マンションを中心に、安定的収益源となる資産性の高い収益不動産の取得を推進するとともに、保有物件売却による売上利益の積み上げも推進している。
 
 なお直近の物件取得としては、24年7月29日付で賃貸用マンション(名古屋市中区、取得日24年8月予定)の取得をリリース、24年8月26日付でオフィスビル(東京都中央区、取得日24年8月予定)の取得をリリース、24年10月7日付で賃貸用マンション(東京都杉並区、取得日24年11月予定)の取得をリリースしている。
 
 さらに新築マンション開発事業にも取り組んでおり、第1号案件として大阪府堺市にマンション開発用地を取得し、22年5月に田中土建工業と業務提携した。23年7月には建設業への取組強化に向けて、業務提携先であるアビスジャパン(持分法適用関連会社で病院・介護施設などの内装工事等各種工事を展開、太陽光発電関連でも提携)より、1級施工管理技士の資格を持つ萩原茂氏を建築事業部の責任者として招聘した。
 
■企業投資はハンズオン型中心でM&Aも強化
 
 企業投資関連は、投資先とともに企業価値を創造するハンズオン型の投資を行い、バリューアップによるエグジットを目指す。投資実績としては、ブロックチェーンプラットフォーム開発のアーリーワークス、デジタルマーケティング支援のポイントスリー、ブライダル・ホテル運営のホロニック、見守り型介護ロボット開発のIVホールディングスなどがある。
 
 23年3月にはセキュリティチップを開発・製造する台湾Enova Technology社に資本参加した。23年6月には香港のコングロマリットである新世界発展でグループの投資部門の責任者として活躍してきたチャン・チン氏を取締役として招聘し、香港子会社MBK ASIA LIMITEDを拠点にした投資関連事業を強化した。24年8月には半導体関連企業に対する投資の開始を発表した。また、M&Aを強化することを目的として業務提携(24年6月)したColorsJapan社(大阪市)と、24年8月に資本業務提携(ColorsJapan社が同社株式を取得)した。
 
■新規事業分野
 
 新規分野としては、ブロックチェーン・NFTプラットフォーム関連、娯楽TVメディア・コンテンツ関連、再生エネルギー・EV充電器関連などに展開している。
 
 ブロックチェーン関連では、STO(Security Token Offering)を活用したサービスとして、20年2月にサービス開始したエストニア暗号資産交換所ANGOO FinTech関連、海外投資家向けを中心とする日本不動産プラットフォームなどの不動産テック関連、医療エコシステムのメディテックプラットフォーム関連、NFT(Non―Fungible Token=非代替性トークン)プラットフォーム関連などを展開している。
 
 海外(欧州)では20年10月に子会社BFHへANGOO FinTech運営を移管してエストニアでの事業統括会社と位置付けた。23年7月にはエストニアの子会社EJTCについて、バルト3国で運営する証券取引所Nasdaq Baltic上場(21年3月上場)のメリットを活かし、エストニアを拠点とするEUでの事業展開により、企業価値向上に向けた取組を強化する方針とリリースした。24年9月にはEJTCがエストニア企業に対する取り組みを開始した。
 
 23年7月にはEV充電器設置事業への取組を開始した。第1弾として、自社保有するマンションの駐車場や投資先であるホロニックが運営するホテルの駐車場への設置から着手し、新たな設置場所を確保しながら事業拡大を目指す。また23年7月には太陽光パネル設置事業への取組を開始した。自社保有マンションの屋上などへ太陽光パネル設置し、蓄電や売電によって収益確保を目指す。23年8月には、法人のITサポートを展開し、セコムの防犯カメラ設置実績も豊富なDコーポレーションと、防犯カメラ設置ならびにIT関連事業の分野で業務提携した。
 
 23年12月には、プラスチック循環再生事業を手掛ける循環資源ホールディングスと資本業務提携(第三者割当増資により5.77%出資)した。関東圏に再生油生成プラントを設置する。また23年12月にはオリエントコーポレーションと加盟店契約を締結した。ホームセキュリティ事業、建設業、EV充電器設置事業、太陽光パネル設置事業、プラスチック循環再生事業などの分野において、オリエントコーポレーションの多彩な金融サービスを活用する。
 
 なお、子会社の娯楽TVメディア・コンテンツについては24年9月に全株式を譲渡し、キャラクター・コンテンツビジネスへの展開を中止した。
 
■24年10月期大幅黒字転換予想
 
 24年10月期(12ヶ月決算、23年10月期は決算期変更で7ヶ月決算)の連結業績予想は、売上高が30億円、営業利益が6億円、経常利益が4億円、親会社株主帰属当期純利益が2億60百万円としている。配当予想は23年10月期比1円増配の2円(期末一括)としている。
 
 第3四半期累計(23年11月〜24年7月)は売上高が21億74百万円、営業利益が1億42百万円、経常利益が6百万円、親会社株主帰属四半期純利益が90百万円だった。前期が7ヶ月決算のため前年同期との比較はできないが、不動産物件の売却や海外投資案件の配当金などで概ね順調だった。賃貸用不動産の取得は7件、売却は2件だった。
 
 なお全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が3億63百万円で営業利益が68百万円の損失、第2四半期は売上高が10億55百万円で営業利益が83百万円、第3四半期は売上高が7億56百万円で営業利益が1億27百万円だった。
 
 通期予想は据え置いている。マーチャント・バンキング事業の計画は売上高が16億50百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が4億10百万円としている。第1四半期に年間賃貸料収入11億円体制を確保したことに加え、販売用不動産の売却については4物件以上(上期2物件以上、下期2物件以上)の売却を見込んでいる。なお下期の販売用不動産売却としては7月22日付で神戸市兵庫区の共同住宅の売却(決済・引渡日24年8月)をリリース、9月17日付で東京都葛飾区の居宅・倉庫の売却(決済・引渡日24年9月予定)をリリース、9月24日付で札幌市西区の興津住宅の売却(決済・引渡日24年10月予定)をリリース、9月30日付で京都市左京区の共同住宅・倉庫の売却(決済・引渡日24年10月予定)をリリースした。
 
 24年10月期は大幅黒字転換・増配予想としている。第3四半期累計の進捗率は低水準の形だが、安定収益源の賃貸収入が堅調に推移するほか、不動産物件売却も推進する。積極的な事業展開で収益改善基調だろう。
 
■24年10月期末に株主優待制度を実施
 
 なお24年3月15日付で、24年10月期末に株主優待を実施すると発表した。24年10月31日時点で3単元(300株)以上保有株主を対象としてクオカード3000円分を贈呈する。24年4月8日には株主優待の追加実施を発表した。24年10月31日時点で10単元(1000株)以上保有株主を対象として、ラファンが運営するショッピングサイト「LaFan(本店)」で販売する1万円相当分の商品を贈呈する。さらに24年6月3日に株主優待第3弾を発表した。24年10月31日から1年間3単元(300株)以上保有した株主を対象にクオカード5000円分を贈呈する。
 
■株価は年初来高値更新
 
 株価は急伸して年初来高値を更新した。上値を試す展開を期待したい。10月8日の終値は353円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS8円88銭で算出)は約40倍、今期予想配当利回り(会社予想の2円で算出)は約0.6%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS137円64銭で算出)は約2.6倍、そして時価総額は約104億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[09月24日更新]

マーチャント・バンカーズは調整一巡、24年10月期大幅黒字転換予想で3Q累計順調

 マーチャント・バンカーズ<3121>(東証スタンダード)はマーチャント・バンキング事業として不動産・企業投資関連などを展開し、安定的収益源となる資産性の高い収益不動産の取得を推進するとともに、新規分野にも事業展開している。24年10月期は大幅黒字転換・増配予想としている。第3四半期累計は不動産物件の売却や海外投資案件の配当金などで概ね順調だった。第4四半期も不動産物件の売却などで通期予想の達成を目指すとしている。積極的な事業展開で収益改善基調だろう。株価はモミ合う形だが調整一巡感を強めている。出直りを期待したい。
 
■マーチャント・バンキング事業を展開
 
 マーチャント・バンキング事業として不動産・企業投資関連などを展開し、安定的収益源となる資産性の高い収益不動産の取得を推進するとともに、新規分野としてブロックチェーン・NFTプラットフォーム関連、娯楽TVメディア・コンテンツ関連、再生エネルギー・EV充電器関連などにも展開している。
 
 23年10月期(決算期変更で7ヶ月決算)のセグメント別営業利益(全社費用等調整前)は、マーチャント・バンキング事業が1億82百万円、オペレーション事業が0百万円だった。オペレーション事業については子会社ケンテン(服飾雑貨店・ネット通販運営)の株式を譲渡(24年4月)して撤退した。
 
 なお、23年3月末時点において流通株式比率がスタンダード市場上場維持基準に適合しない状況となったため、23年6月30日付で上場維持基準への適合に向けた計画書を作成・開示した。そして24年1月には、23年10月31日時点における計画の進捗状況をリリースし、決算期変更に伴って計画期間を24年10月末までに変更した。また24年1月には、第4位株主であるJKMTファイナンスの所有株式数が416万8000株から291万5200株に減少し、議決権数に対する割合が14.25%から9.97%に低下した。
 
■不動産投資は資産性の高い収益不動産の取得を推進
 
 不動産投資関連は、主にネット利回り5%以上を期待できる大都市圏の賃貸用マンションを中心に、安定的収益源となる資産性の高い収益不動産の取得を推進するとともに、保有物件売却による売上利益の積み上げも推進している。事業用賃貸マンションについては24年3月に1物件(大阪市港区)を取得、24年8月に1物件(名古屋市中区)を取得し、保有物件数は29物件、取得価額合計は約168億円、年間家賃収入は11億円体制となった。
 
 また新築マンション開発事業にも取り組んでおり、第1号案件として大阪府堺市にマンション開発用地を取得し、22年5月には田中土建工業と業務提携した。23年7月には建設業への取組強化に向けて、業務提携先であるアビスジャパン(持分法適用関連会社で病院・介護施設などの内装工事等各種工事を展開、太陽光発電関連でも提携)より、1級施工管理技士の資格を持つ萩原茂氏を建築事業部の責任者として招聘した。
 
■企業投資はハンズオン型中心でM&Aも強化
 
 企業投資関連は、投資先とともに企業価値を創造するハンズオン型の投資を行い、バリューアップによるエグジットを目指す。投資実績としては、ブロックチェーンプラットフォーム開発のアーリーワークス、デジタルマーケティング支援のポイントスリー、ブライダル・ホテル運営のホロニック、見守り型介護ロボット開発のIVホールディングスなどがある。
 
 23年3月にはセキュリティチップを開発・製造する台湾Enova Technology社に資本参加した。23年6月には香港のコングロマリットである新世界発展でグループの投資部門の責任者として活躍してきたチャン・チン氏を取締役として招聘し、香港子会社MBK ASIA LIMITEDを拠点にした投資関連事業を強化した。23年8月には香港の子会社MBK ASIA LIMITEDが、香港で主に法人向けに税務会計サービスを提供するCAC社と業務提携した。24年8月には半導体関連企業に対する投資の開始を発表した。
 
 なお、M&Aを強化することを目的として24年6月に業務提携したColorsJapan社(大阪市)と、24年8月に資本業務提携(ColorsJapan社が同社株式を取得)した。
 
■新規事業分野
 
 新規分野としては、ブロックチェーン・NFTプラットフォーム関連、娯楽TVメディア・コンテンツ関連、再生エネルギー・EV充電器関連などに展開している。
 
 ブロックチェーン関連では、STO(Security Token Offering)を活用したサービスとして、20年2月にサービス開始したエストニア暗号資産交換所ANGOO FinTech関連、海外投資家向けを中心とする日本不動産プラットフォームなどの不動産テック関連、医療エコシステムのメディテックプラットフォーム関連、NFT(Non―Fungible Token=非代替性トークン)プラットフォーム関連などを展開している。
 
 海外(欧州)では20年10月に子会社BFHへANGOO FinTech運営を移管してエストニアでの事業統括会社と位置付けた。23年7月にはエストニアの子会社EJTCについて、バルト3国で運営する証券取引所Nasdaq Baltic上場(21年3月上場)のメリットを活かし、エストニアを拠点とするEUでの事業展開により、企業価値向上に向けた取組を強化する方針とリリースした。24年9月にはEJTCがエストニア企業に対する取り組みを開始した。
 
 23年7月にはEV充電器設置事業への取組を開始した。第1弾として、自社保有するマンションの駐車場や投資先であるホロニックが運営するホテルの駐車場への設置から着手し、新たな設置場所を確保しながら事業拡大を目指す。また23年7月には太陽光パネル設置事業への取組を開始した。自社保有マンションの屋上などへ太陽光パネル設置し、蓄電や売電によって収益確保を目指す。23年8月には、法人のITサポートを展開し、セコムの防犯カメラ設置実績も豊富なDコーポレーションと、防犯カメラ設置ならびにIT関連事業の分野で業務提携した。
 
 23年12月には、プラスチック循環再生事業を手掛ける循環資源ホールディングスと資本業務提携(第三者割当増資により5.77%出資)した。関東圏に再生油生成プラントを設置する。また23年12月にはオリエントコーポレーションと加盟店契約を締結した。ホームセキュリティ事業、建設業、EV充電器設置事業、太陽光パネル設置事業、プラスチック循環再生事業などの分野において、オリエントコーポレーションの多彩な金融サービスを活用する。
 
 24年7月には、インバウンド需要拡大に対応した商品販売への取組をリリースした。ショッピングサイト「LaFan(本店)」において、メーカーとのタイアップにより在庫リスクを取らない形でトレンディーな商品の販売を行う。
 
 なお、子会社の娯楽TVメディア・コンテンツについては9月17日付で全株式を譲渡し、キャラクター・コンテンツビジネスへの展開を中止した。
 
■24年10月期大幅黒字転換予想で3Q累計順調
 
 24年10月期(12ヶ月決算、23年10月期は決算期変更で7ヶ月決算)の連結業績予想は、売上高が30億円、営業利益が6億円、経常利益が4億円、親会社株主帰属当期純利益が2億60百万円としている。配当予想は23年10月期比1円増配の2円(期末一括)としている。
 
 第3四半期累計(23年11月〜24年7月)は売上高が21億74百万円、営業利益が1億42百万円、経常利益が6百万円、親会社株主帰属四半期純利益が90百万円だった。前期が7ヶ月決算のため前年同期との比較はできないが、不動産物件の売却や海外投資案件の配当金などで概ね順調だった。賃貸用不動産の取得は7件、売却は2件だった。
 
 なお全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が3億63百万円で営業利益が68百万円の損失、第2四半期は売上高が10億55百万円で営業利益が83百万円、第3四半期は売上高が7億56百万円で営業利益が1億27百万円だった。
 
 通期予想は据え置いている。マーチャント・バンキング事業の計画は売上高が16億50百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が4億10百万円としている。第1四半期に年間賃貸料収入11億円体制を確保したことに加え、販売用不動産の売却については4物件以上(上期2物件以上、下期2物件以上)の売却を見込んでいる。なお下期の販売用不動産売却としては7月22日付で神戸市兵庫区の共同住宅の売却(決済・引渡日24年8月)をリリース、9月17日付で東京都葛飾区の居宅・倉庫の売却(決済・引渡日24年9月予定)をリリース、また物件取得しとしては8月26日付で東京都中央区のオフィスビル取得(取得日24年8月)をリリースしている。
 
 24年10月期は大幅黒字転換・増配予想としている。第3四半期累計の進捗率は低水準の形だが、第4四半期の不動産物件の売却などで通期予想の達成を目指すとしている。積極的な事業展開で収益改善基調だろう。
 
■24年10月期末に株主優待制度を実施
 
 なお24年3月15日付で、24年10月期末に株主優待を実施すると発表した。24年10月31日時点で3単元(300株)以上保有株主を対象としてクオカード3000円分を贈呈する。24年4月8日には株主優待の追加実施を発表した。24年10月31日時点で10単元(1000株)以上保有株主を対象として、ラファンが運営するショッピングサイト「LaFan(本店)」で販売する1万円相当分の商品を贈呈する。さらに24年6月3日に株主優待第3弾を発表した。24年10月31日から1年間3単元(300株)以上保有した株主を対象にクオカード5000円分を贈呈する。
 
■株価は調整一巡
 
 株価はモミ合う形だが調整一巡感を強めている。出直りを期待したい。9月20日の終値は304円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS8円88銭で算出)は約34倍、今期予想配当利回り(会社予想の2円で算出)は約0.7%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS137円64銭で算出)は約2.2倍、そして時価総額は約90億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
 
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