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[2915]ケンコーマヨネーズ

[11月05日更新]

ケンコーマヨネーズ、25年3月期は再上振れの可能性、タマゴ加工品の売上回復に加え価格改定効果も寄与

 ケンコーマヨネーズ<2915>(東証プライム)はサラダ・総菜類、タマゴ加工品、マヨネーズ・ドレッシング類などを展開している。25年3月期から36年3月期までの12年間を対象とする中長期計画では、ビジョンに「サラダ料理で世界一になる」を、経営目標値に最終年度36年3月期のROE8%以上、DOE2.5%以上などを掲げている。25年3月期は大幅増益予想(8月5日付で上方修正)としている。タマゴ加工品の売上回復に加え、価格改定効果なども寄与する見込みだ。さらに再上振れの可能性があり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は上値を切り下げる形となったが調整一巡感を強めている。戻りを試す展開を期待したい。なお11月11日に25年3月期第2四半期決算発表を予定している。
 
■サラダ・総菜類、タマゴ加工品、マヨネーズ・ドレッシング類などを展開
 
 サラダ・総菜類、タマゴ加工品、マヨネーズ・ドレッシング類の調味料・加工食品事業、フレッシュ総菜(日配サラダ、総菜)およびグループ内生産受託の総菜関連事業等、その他事業(サラダカフェなど)を展開している。ロングライフサラダは国内市場シェア1位である。ショップ事業のサラダ専門店Salad Cafe(サラダカフェ)は、対面の量り売りサラダや弁当の販売を展開し、新たなブランド創出に向けて百貨店など駅近店舗戦略を推進している。
 
 なお同社は8月24日を「ドレッシングの日」と制定している。ドレッシングは野菜にかけて使用することが多いため、831(やさい)にかける→8×3×1=24で24日を、またカレンダーで見ると野菜の日(8月31日)の真上にあるのが8月24日であることから、野菜にドレッシングをかける様子をイメージして8月24日を「ドレッシングの日」と制定した。
 
 24年8月には同社商品「塩キャラメルバターソース」が、日本食糧新聞社主催の「第28回 業務用加工食品ヒット賞」を受賞した。また24年10月にはアップサイクル商品の充実が評価され、食品産業新聞社主催の「第54回食品産業技術功労賞(サステナビリティ部門)」を受賞した。
 
 24年3月期のセグメント別売上高は調味料・加工食品事業が691億01百万円(マヨネーズ・ドレッシング類が269億96百万円、タマゴ加工品が187億48百万円、サラダ・総菜類が219億03百万円、その他が14億53百万円)で、総菜関連事業等が187億14百万円、その他事業が9億08百万円だった。セグメント別利益(経常利益)は調味料・加工食品事業が25億71百万円、総菜関連事業等が9億36百万円、その他事業が41百万円、調整額が▲4億50百万円だった。販路別の売上高構成比は外食が29%、量販店が28%、CVSが22%、パン(製パンメーカー等)が12%、給食(学校、老健施設等)が4%、その他が5%だった。
 
■ビジョンは「サラダ料理で世界一になる」
 
 25年3月期から36年3月期までの12年間を対象とする中長期経営計画「KENKO Vision 2035」を策定し、Phase1の25年3月期〜28年3月期を事業構造改革の期間、Phase2の29年3月期〜32年3月期を再成長の期間、Phase3の33年3月期〜36年3月期を進化・発展の期間と位置付けた。
 
 経営目標値には、Phase1の最終年度である28年3月期の売上高1020億円以上、営業利益33億円以上、DOE1.5%以上、Phase3の最終年度である36年3月期の売上高1250億円以上、営業利益75億円以上、営業利益率6%以上、ROE8%以上、海外売上高比率10%以上、DOE2.5%以上を掲げている。
 
 Phase1〜Phase3合計(25年3月期〜36年3月期)の資本配分(投資額)の計画としては、成長戦略に239億円(M&A含む海外進出62億円、新規事業投資25億円、システム投資31億円、事業拠点強化120億円)、スマート化に182億円(事業拠点再編70億円、DX推進等112億円)、人材投資に122億円(教育・人材育成施策62億円、エンゲージメント向上施策60億円)、サステナビリティと社会的責任に205億円(株主還元104億円、自己株式取得45億円、ESGへの投資54億円)、合計749億円としている。
 
 事業環境の変化に対応した抜本的改革と企業価値の更なる向上を目指し、基本戦略としては、成長戦略(既存事業の収益基盤強化、ブランド構築の実行、事業ポートフォリオの再構築、事業環境変化への対応など)、スマート化(DXを通じた企業改革と生産性向上、成長・合理化・効率化に向けた事業拠点再編など)、人材投資(グローバル企業化、働き方改革としてのダイバーシティ推進、人材育成の強化、キャリアプランが形成できる施策の検討など)、サステナビリティと社会的責任を推進する。
 
 成長戦略ではマーケットインの発想による商品開発、基盤商品のブランディングとNB商品比率の上昇、海外比率の上昇、SNSを活用したEC事業の拡大、持続可能な原料調達、新規事業へのチャレンジなどを推進する。スマート化ではRPAやAIを活用したDXの推進、グループシステムの最適化、生産分野における新技術構築や合理化・集約化・環境効率化などを推進する。人材投資では人材育成の充実化、育成システムの構築、働き方改革の実行、ダイバーシティへの対応などを推進する。サステナビリティと社会的責任ではサステナビリティ方針に沿ったロードマップと投資の実行、人を大切にする健康経営、地域社会への貢献と共創、リスクマネジメントの徹底、コーポレート・ガバナンスの強化を推進する。
 
 また、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応については、事業基盤の強化と事業ポートフォリオの再構築による成長戦略を推進し、資本戦略も強化しながら企業価値の向上を図るとしている。資本・財務戦略では株主還元強化(安定的な配当)、政策保有株式の縮減、自己株式取得、株主・投資家との対話強化などを推進する。
 
■サステナビリティを意識した新製品
 
 23年7月には、フードサービス業界向けロングライフサラダの新シリーズ「FDF(ファッションデリカフーズ) Plus」の発売を開始した。ロングライフサラダで同社最長となる90日の長期賞味期限で、美味しく食品ロス削減に寄与する。
 
 23年9月には、新たなプラントベースフードとして、植物性原料を使用した「タマゴ風加工品」を発表した。プラントベース商品「HAPPY!! with VEGE」シリーズとして、植物性たまごの研究開発・販売を行うUMAMI UNITED JAPANと協業し、主力の「タマゴ加工品」の新たなカテゴリーとなる「植物性タマゴ加工品」として商品を開発・展開する。23年10月にはフードサービス業界向けプラントベース商品「HAPPY!! with VEGE」シリーズとして、たまご不使用のプラントベースのたまご風サラダ「まるでたまごのサラダ」を発売開始した。
 
■25年3月期大幅増益予想、さらに再上振れの可能性
 
 25年3月期の連結業績予想(8月5日付で売上高、利益とも上方修正)は売上高が24年3月期比3.7%増の920億円、営業利益が52.6%増の45億円、経常利益が50.0%増の46億50百万円、親会社株主帰属当期純利益が16.4%増の31億85百万円としている。配当予想(8月5日付で第2四半期末2円、期末2円、合計4円上方修正)は、24年3月期比8円増配の38円(第2四半期末19円、期末19円)とした。連続増配で予想配当性向は19.2%となる。
 
 第1四半期は、売上高が前年同期比7.5%増の230億02百万円、営業利益が8.7倍の17億35百万円、経常利益が7.3倍の17億95百万円、親会社株主帰属四半期純利益が8.6倍の12億27百万円だった。
 
 供給体制回復によるタマゴ加工品の売上回復、価格改定、原材料価格低減などにより大幅増益だった。営業利益+15億36百万円の分析は、価格改定が+7億70百万円、原材料影響が+4億53百万円、生産効率が+3億72百万円、販売重量増加が62百万円、固定経費の増加が▲1億21百万円だった。販路別の売上高構成比は外食が29.0%、量販店が28.0%、CVSが21.2%、パン(製パンメーカー等)が11.8%、給食(学校、老健施設等)が4.6%、その他が5.5%だった。
 
 調味料・加工食品事業は売上高が9.0%増の181億97百万円、セグメント利益(調整前営業利益)が14億40百万円(前年同期は22百万円の損失)だった。売上高の内訳はマヨネーズ・ドレッシング類が2.7%増の69億66百万円、タマゴ加工品が28.2%増の53億49百万円、サラダ・総菜類が2.0%増の54億50百万円、その他が8.9%増の4億31百万円だった。マヨネーズ・ドレッシング類は価格改定効果に加え、量販店向けマヨネーズが増加した。タマゴ加工品は高病原性鳥インフルエンザ感染拡大に伴う供給制限がなくなり、タマゴ加工品を使用したメニューの売上が回復した。サラダ・総菜類は価格改定効果に加え、小容量サイズや素材系商品が伸長した。
 
 総菜関連事業等は売上高が2.5%増の45億85百万円、利益が9.5%増の2億43百万円だった。価格改定効果に加え、高単価品の開発・販売、販売カテゴリーの拡大などが寄与した。その他事業(サラダカフェ等)は売上高が5.9%減の2億18百万円、利益が0百万円の損失(前年同期は0百万円の利益)だった。
 
 通期予想は前回予想(5月13日付公表値)に対して売上高を20億円、営業利益を13億円、経常利益を13億50百万円、親会社株主帰属当期純利益を9億25百万円それぞれ上方修正した。タマゴ加工品の売上回復に加え、価格改定効果なども寄与する見込みだ。修正後の通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高25%、営業利益39%、経常利益39%、当期純利益39%と高水準である。通期予想は再上振れの可能性があり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。
 
■株主優待制度は毎年3月末の株主対象
 
 株主優待制度(詳細は会社HP参照)は毎年3月末日現在の株主を対象として、保有株式数に応じて当社商品を贈呈している。
 
■株価は調整一巡
 
 株価は上値を切り下げる形となったが調整一巡感を強めている。戻りを試す展開を期待したい。11月1日の終値は2187円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS197円82銭で算出)は約11倍、今期予想配当利回り(会社予想の38円で算出)は約1.7%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2439円95銭で算出)は約0.9倍、そして時価総額は約360億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
 
[10月07日更新]

ケンコーマヨネーズは上値試す、25年3月期は再上振れの可能性

 ケンコーマヨネーズ<2915>(東証プライム)はサラダ・総菜類、タマゴ加工品、マヨネーズ・ドレッシング類などを展開し、25年3月期から36年3月期までの12年間を対象とする中長期計画では、ビジョンに「サラダ料理で世界一になる」を、経営目標値には最終年度36年3月期のROE8%以上、DOE2.5%以上などを掲げている。25年3月期は大幅増益予想としている。タマゴ加工品の売上回復に加え、価格改定効果なども寄与する見込みだ。さらに再上振れの可能性があり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は9月の高値圏から一旦反落したが、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。なお11月11日に25年3月期第2四半期決算発表を予定している。
 
■サラダ・総菜類、タマゴ加工品、マヨネーズ・ドレッシング類などを展開
 
 サラダ・総菜類、タマゴ加工品、マヨネーズ・ドレッシング類の調味料・加工食品事業、フレッシュ総菜(日配サラダ、総菜)およびグループ内生産受託の総菜関連事業等、その他事業(サラダカフェなど)を展開している。ロングライフサラダは国内市場シェア1位である。ショップ事業のサラダ専門店Salad Cafe(サラダカフェ)は、対面の量り売りサラダや弁当の販売を展開し、新たなブランド創出に向けて百貨店など駅近店舗戦略を推進している。
 
 なお同社は8月24日を「ドレッシングの日」と制定している。ドレッシングは野菜にかけて使用することが多いため、831(やさい)にかける→8×3×1=24で24日を、またカレンダーで見ると野菜の日(8月31日)の真上にあるのが8月24日であることから、野菜にドレッシングをかける様子をイメージして8月24日を「ドレッシングの日」と制定した。
 
 24年8月には同社商品「塩キャラメルバターソース」が、日本食糧新聞社主催の「第28回 業務用加工食品ヒット賞」を受賞した。
 
 24年3月期のセグメント別売上高は調味料・加工食品事業が691億01百万円(マヨネーズ・ドレッシング類が269億96百万円、タマゴ加工品が187億48百万円、サラダ・総菜類が219億03百万円、その他が14億53百万円)で、総菜関連事業等が187億14百万円、その他事業が9億08百万円だった。セグメント別利益(経常利益)は調味料・加工食品事業が25億71百万円、総菜関連事業等が9億36百万円、その他事業が41百万円、調整額が▲4億50百万円だった。販路別の売上高構成比は外食が29%、量販店が28%、CVSが22%、パン(製パンメーカー等)が12%、給食(学校、老健施設等)が4%、その他が5%だった。
 
■ビジョンは「サラダ料理で世界一になる」
 
 25年3月期から36年3月期までの12年間を対象とする中長期経営計画「KENKO Vision 2035」を策定し、Phase1の25年3月期〜28年3月期を事業構造改革の期間、Phase2の29年3月期〜32年3月期を再成長の期間、Phase3の33年3月期〜36年3月期を進化・発展の期間と位置付けた。
 
 経営目標値には、Phase1の最終年度である28年3月期の売上高1020億円以上、営業利益33億円以上、DOE1.5%以上、Phase3の最終年度である36年3月期の売上高1250億円以上、営業利益75億円以上、営業利益率6%以上、ROE8%以上、海外売上高比率10%以上、DOE2.5%以上を掲げている。
 
 Phase1〜Phase3合計(25年3月期〜36年3月期)の資本配分(投資額)の計画としては、成長戦略に239億円(M&A含む海外進出62億円、新規事業投資25億円、システム投資31億円、事業拠点強化120億円)、スマート化に182億円(事業拠点再編70億円、DX推進等112億円)、人材投資に122億円(教育・人材育成施策62億円、エンゲージメント向上施策60億円)、サステナビリティと社会的責任に205億円(株主還元104億円、自己株式取得45億円、ESGへの投資54億円)、合計749億円としている。
 
 事業環境の変化に対応した抜本的改革と企業価値の更なる向上を目指し、基本戦略としては、成長戦略(既存事業の収益基盤強化、ブランド構築の実行、事業ポートフォリオの再構築、事業環境変化への対応など)、スマート化(DXを通じた企業改革と生産性向上、成長・合理化・効率化に向けた事業拠点再編など)、人材投資(グローバル企業化、働き方改革としてのダイバーシティ推進、人材育成の強化、キャリアプランが形成できる施策の検討など)、サステナビリティと社会的責任を推進する。
 
 成長戦略ではマーケットインの発想による商品開発、基盤商品のブランディングとNB商品比率の上昇、海外比率の上昇、SNSを活用したEC事業の拡大、持続可能な原料調達、新規事業へのチャレンジなどを推進する。スマート化ではRPAやAIを活用したDXの推進、グループシステムの最適化、生産分野における新技術構築や合理化・集約化・環境効率化などを推進する。人材投資では人材育成の充実化、育成システムの構築、働き方改革の実行、ダイバーシティへの対応などを推進する。サステナビリティと社会的責任ではサステナビリティ方針に沿ったロードマップと投資の実行、人を大切にする健康経営、地域社会への貢献と共創、リスクマネジメントの徹底、コーポレート・ガバナンスの強化を推進する。
 
 また、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応については、事業基盤の強化と事業ポートフォリオの再構築による成長戦略を推進し、資本戦略も強化しながら企業価値の向上を図るとしている。資本・財務戦略では株主還元強化(安定的な配当)、政策保有株式の縮減、自己株式取得、株主・投資家との対話強化などを推進する。
 
■サステナビリティを意識した新製品
 
 23年7月には、フードサービス業界向けロングライフサラダの新シリーズ「FDF(ファッションデリカフーズ) Plus」の発売を開始した。ロングライフサラダで同社最長となる90日の長期賞味期限で、美味しく食品ロス削減に寄与する。
 
 23年9月には、新たなプラントベースフードとして、植物性原料を使用した「タマゴ風加工品」を発表した。プラントベース商品「HAPPY!! with VEGE」シリーズとして、植物性たまごの研究開発・販売を行うUMAMI UNITED JAPANと協業し、主力の「タマゴ加工品」の新たなカテゴリーとなる「植物性タマゴ加工品」として商品を開発・展開する。23年10月にはフードサービス業界向けプラントベース商品「HAPPY!! with VEGE」シリーズとして、たまご不使用のプラントベースのたまご風サラダ「まるでたまごのサラダ」を発売開始した。
 
■25年3月期大幅増益予想、さらに再上振れの可能性
 
 25年3月期の連結業績予想(8月5日付で売上高、利益とも上方修正)は売上高が24年3月期比3.7%増の920億円、営業利益が52.6%増の45億円、経常利益が50.0%増の46億50百万円、親会社株主帰属当期純利益が16.4%増の31億85百万円としている。配当予想(8月5日付で第2四半期末2円、期末2円、合計4円上方修正)は、24年3月期比8円増配の38円(第2四半期末19円、期末19円)とした。連続増配で予想配当性向は19.2%となる。
 
 第1四半期は、売上高が前年同期比7.5%増の230億02百万円、営業利益が8.7倍の17億35百万円、経常利益が7.3倍の17億95百万円、親会社株主帰属四半期純利益が8.6倍の12億27百万円だった。
 
 供給体制回復によるタマゴ加工品の売上回復、価格改定、原材料価格低減などにより大幅増益だった。営業利益+15億36百万円の分析は、価格改定が+7億70百万円、原材料影響が+4億53百万円、生産効率が+3億72百万円、販売重量増加が62百万円、固定経費の増加が▲1億21百万円だった。販路別の売上高構成比は外食が29.0%、量販店が28.0%、CVSが21.2%、パン(製パンメーカー等)が11.8%、給食(学校、老健施設等)が4.6%、その他が5.5%だった。
 
 調味料・加工食品事業は売上高が9.0%増の181億97百万円、セグメント利益(調整前営業利益)が14億40百万円(前年同期は22百万円の損失)だった。売上高の内訳はマヨネーズ・ドレッシング類が2.7%増の69億66百万円、タマゴ加工品が28.2%増の53億49百万円、サラダ・総菜類が2.0%増の54億50百万円、その他が8.9%増の4億31百万円だった。マヨネーズ・ドレッシング類は価格改定効果に加え、量販店向けマヨネーズが増加した。タマゴ加工品は高病原性鳥インフルエンザ感染拡大に伴う供給制限がなくなり、タマゴ加工品を使用したメニューの売上が回復した。サラダ・総菜類は価格改定効果に加え、小容量サイズや素材系商品が伸長した。
 
 総菜関連事業等は売上高が2.5%増の45億85百万円、利益が9.5%増の2億43百万円だった。価格改定効果に加え、高単価品の開発・販売、販売カテゴリーの拡大などが寄与した。その他事業(サラダカフェ等)は売上高が5.9%減の2億18百万円、利益が0百万円の損失(前年同期は0百万円の利益)だった。
 
 通期予想は前回予想(5月13日付公表値)に対して売上高を20億円、営業利益を13億円、経常利益を13億50百万円、親会社株主帰属当期純利益を9億25百万円それぞれ上方修正した。タマゴ加工品の売上回復に加え、価格改定効果なども寄与する見込みだ。さらに再上振れの可能性があり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。修正後の通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高が25%、営業利益が39%、経常利益が39%、当期純利益が39%と高水準である。通期予想は再上振れの可能性が高く、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。
 
■株主優待制度は毎年3月末の株主対象
 
 株主優待制度(詳細は会社HP参照)は毎年3月末日現在の株主を対象として、保有株式数に応じて当社商品を贈呈している。
 
■株価は上値試す
 
 株価は9月の高値圏から一旦反落したが、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。10月4日の終値は2293円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS197円82銭で算出)は約12倍、今期予想配当利回り(会社予想の38円で算出)は約1.7%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2439円95銭で算出)は約0.9倍、そして時価総額は約378億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[09月17日更新]

ケンコーマヨネーズは上値試す、25年3月期大幅増益予想、さらに再上振れの可能性
 
 ケンコーマヨネーズ<2915>(東証プライム)はサラダ・総菜類、タマゴ加工品、マヨネーズ・ドレッシング類などを展開し、25年3月期から36年3月期までの12年間を対象とする中長期計画では、ビジョンに「サラダ料理で世界一になる」を、経営目標値には最終年度36年3月期のROE8%以上、DOE2.5%以上などを掲げている。25年3月期は大幅増益予想としている。新経営計画に基づく各種施策を推進して収益性向上が進捗することに加え、主要原料影響が想定以上に改善する見込みだ。さらに再上振れの可能性があり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は年初来高値圏だ。利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。
 
■サラダ・総菜類、タマゴ加工品、マヨネーズ・ドレッシング類などを展開
 
 サラダ・総菜類、タマゴ加工品、マヨネーズ・ドレッシング類の調味料・加工食品事業、フレッシュ総菜(日配サラダ、総菜)およびグループ内生産受託の総菜関連事業等、その他事業(サラダカフェなど)を展開している。ロングライフサラダは国内市場シェア1位である。ショップ事業のサラダ専門店Salad Cafe(サラダカフェ)は、対面の量り売りサラダや弁当の販売を展開し、新たなブランド創出に向けて百貨店など駅近店舗戦略を推進している。
 
 なお同社は8月24日を「ドレッシングの日」と制定している。ドレッシングは野菜にかけて使用することが多いため、831(やさい)にかける→8×3×1=24で24日を、またカレンダーで見ると野菜の日(8月31日)の真上にあるのが8月24日であることから、野菜にドレッシングをかける様子をイメージして8月24日を「ドレッシングの日」と制定した。
 
 24年8月には同社商品「塩キャラメルバターソース」が、日本食糧新聞社主催の「第28回 業務用加工食品ヒット賞」を受賞した。
 
 24年3月期のセグメント別売上高は調味料・加工食品事業が691億01百万円(マヨネーズ・ドレッシング類が269億96百万円、タマゴ加工品が187億48百万円、サラダ・総菜類が219億03百万円、その他が14億53百万円)で、総菜関連事業等が187億14百万円、その他事業が9億08百万円だった。セグメント別利益(経常利益)は調味料・加工食品事業が25億71百万円、総菜関連事業等が9億36百万円、その他事業が41百万円、調整額が▲4億50百万円だった。販路別の売上高構成比は外食が29%、量販店が28%、CVSが22%、パン(製パンメーカー等)が12%、給食(学校、老健施設等)が4%、その他が5%だった。
 
■ビジョンは「サラダ料理で世界一になる」
 
 25年3月期から36年3月期までの12年間を対象とする中長期経営計画「KENKO Vision 2035」を策定し、Phase1の25年3月期〜28年3月期を事業構造改革の期間、Phase2の29年3月期〜32年3月期を再成長の期間、Phase3の33年3月期〜36年3月期を進化・発展の期間と位置付けた。
 
 経営目標値には、Phase1の最終年度である28年3月期の売上高1020億円以上、営業利益33億円以上、DOE1.5%以上、Phase3の最終年度である36年3月期の売上高1250億円以上、営業利益75億円以上、営業利益率6%以上、ROE8%以上、海外売上高比率10%以上、DOE2.5%以上を掲げている。
 
 Phase1〜Phase3合計(25年3月期〜36年3月期)の資本配分(投資額)の計画としては、成長戦略に239億円(M&A含む海外進出62億円、新規事業投資25億円、システム投資31億円、事業拠点強化120億円)、スマート化に182億円(事業拠点再編70億円、DX推進等112億円)、人材投資に122億円(教育・人材育成施策62億円、エンゲージメント向上施策60億円)、サステナビリティと社会的責任に205億円(株主還元104億円、自己株式取得45億円、ESGへの投資54億円)、合計749億円としている。
 
 事業環境の変化に対応した抜本的改革と企業価値の更なる向上を目指し、基本戦略としては、成長戦略(既存事業の収益基盤強化、ブランド構築の実行、事業ポートフォリオの再構築、事業環境変化への対応など)、スマート化(DXを通じた企業改革と生産性向上、成長・合理化・効率化に向けた事業拠点再編など)、人材投資(グローバル企業化、働き方改革としてのダイバーシティ推進、人材育成の強化、キャリアプランが形成できる施策の検討など)、サステナビリティと社会的責任を推進する。
 
 成長戦略ではマーケットインの発想による商品開発、基盤商品のブランディングとNB商品比率の上昇、海外比率の上昇、SNSを活用したEC事業の拡大、持続可能な原料調達、新規事業へのチャレンジなどを推進する。スマート化ではRPAやAIを活用したDXの推進、グループシステムの最適化、生産分野における新技術構築や合理化・集約化・環境効率化などを推進する。人材投資では人材育成の充実化、育成システムの構築、働き方改革の実行、ダイバーシティへの対応などを推進する。サステナビリティと社会的責任ではサステナビリティ方針に沿ったロードマップと投資の実行、人を大切にする健康経営、地域社会への貢献と共創、リスクマネジメントの徹底、コーポレート・ガバナンスの強化を推進する。
 
 また、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応については、事業基盤の強化と事業ポートフォリオの再構築による成長戦略を推進し、資本戦略も強化しながら企業価値の向上を図るとしている。資本・財務戦略では株主還元強化(安定的な配当)、政策保有株式の縮減、自己株式取得、株主・投資家との対話強化などを推進する。
 
■サステナビリティを意識した新製品
 
 23年7月には、フードサービス業界向けロングライフサラダの新シリーズ「FDF(ファッションデリカフーズ) Plus」の発売を開始した。ロングライフサラダで同社最長となる90日の長期賞味期限で、美味しく食品ロス削減に寄与する。
 
 23年9月には、新たなプラントベースフードとして、植物性原料を使用した「タマゴ風加工品」を発表した。プラントベース商品「HAPPY!! with VEGE」シリーズとして、植物性たまごの研究開発・販売を行うUMAMI UNITED JAPANと協業し、主力の「タマゴ加工品」の新たなカテゴリーとなる「植物性タマゴ加工品」として商品を開発・展開する。23年10月にはフードサービス業界向けプラントベース商品「HAPPY!! with VEGE」シリーズとして、たまご不使用のプラントベースのたまご風サラダ「まるでたまごのサラダ」を発売開始した。
 
■25年3月期大幅増益予想、さらに再上振れの可能性
 
 25年3月期の連結業績予想(8月5日付で売上高、利益とも上方修正)は売上高が24年3月期比3.7%増の920億円、営業利益が52.6%増の45億円、経常利益が50.0%増の46億50百万円、親会社株主帰属当期純利益が16.4%増の31億85百万円としている。配当予想(8月5日付で第2四半期末2円、期末2円、合計4円上方修正)は、24年3月期比8円増配の38円(第2四半期末19円、期末19円)とした。連続増配で予想配当性向は19.2%となる。
 
 第1四半期は、売上高が前年同期比7.5%増の230億02百万円、営業利益が8.7倍の17億35百万円、経常利益が7.3倍の17億95百万円、親会社株主帰属四半期純利益が8.6倍の12億27百万円だった。
 
 供給体制回復によるタマゴ加工品の売上回復、価格改定、原材料価格低減などにより大幅増益だった。営業利益+15億36百万円の分析は、価格改定が+7億70百万円、原材料影響が+4億53百万円、生産効率が+3億72百万円、販売重量増加が62百万円、固定経費の増加が▲1億21百万円だった。販路別の売上高構成比は外食が29.0%、量販店が28.0%、CVSが21.2%、パン(製パンメーカー等)が11.8%、給食(学校、老健施設等)が4.6%、その他が5.5%だった。
 
 調味料・加工食品事業は売上高が9.0%増の181億97百万円、セグメント利益(調整前営業利益)が14億40百万円(前年同期は22百万円の損失)だった。売上高の内訳はマヨネーズ・ドレッシング類が2.7%増の69億66百万円、タマゴ加工品が28.2%増の53億49百万円、サラダ・総菜類が2.0%増の54億50百万円、その他が8.9%増の4億31百万円だった。マヨネーズ・ドレッシング類は価格改定効果に加え、量販店向けマヨネーズが増加した。タマゴ加工品は高病原性鳥インフルエンザ感染拡大に伴う供給制限がなくなり、タマゴ加工品を使用したメニューの売上が回復した。サラダ・総菜類は価格改定効果に加え、小容量サイズや素材系商品が伸長した。
 
 総菜関連事業等は売上高が2.5%増の45億85百万円、利益が9.5%増の2億43百万円だった。価格改定効果に加え、高単価品の開発・販売、販売カテゴリーの拡大などが寄与した。その他事業(サラダカフェ等)は売上高が5.9%減の2億18百万円、利益が0百万円の損失(前年同期は0百万円の利益)だった。
 
 通期予想は前回予想(5月13日付公表値)に対して売上高を20億円、営業利益を13億円、経常利益を13億50百万円、親会社株主帰属当期純利益を9億25百万円それぞれ上方修正した。新経営計画に基づく各種施策を推進して収益性向上が進捗することに加え、主要原料影響が想定以上に改善する見込みだ。修正後の通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高25%、営業利益39%、経常利益39%、当期純利益39%と高水準である。通期予想は再上振れの可能性が高く、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。
 
■株主優待制度は毎年3月末の株主対象
 
 株主優待制度(詳細は会社HP参照)は毎年3月末日現在の株主を対象として、保有株式数に応じて当社商品を贈呈している。
 
■株価は上値試す
 
 株価は地合い悪化の影響が限定的で年初来高値圏だ。利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。9月13日の終値は2342円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS197円82銭で算出)は約12倍、今期予想配当利回り(会社予想の38円で算出)は約1.6%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2439円95銭で算出)は約1.0倍、そして時価総額は約386億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
 
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