|<    <   page 1/33   >    >|

[2352]WOW WORLD

[09月21日更新]

WOW WORLDは売り一巡、10月3日付で設立の持株会社WOW WORLD GROUPが新規上場予定

 WOW WORLD<2352>(東証プライム)は自社開発e−CRMシステムのWEBCASシリーズを中心に企業のCRM運用支援を展開している。新たに設立する持株会社WOW WORLD GROUP<5128>が10月3日付で新規上場(WOW WORLDは9月29日付で上場廃止)予定である。23年3月期は先行投資や一過性費用の発生などで連結業績予想を下方修正(配当予想は据え置き)したが、積極的なリカバリ策や先行投資の成果で後半の挽回を期待したい。株価は下方修正を嫌気して年初来安値を更新したが売り一巡感を強めている。出直りを期待したい。

■持株会社WOW WORLD GROUPが10月3日付で新規上場予定

 旧エイジアが21年7月1日付で商号をWOW WORLD(ワオワールド)に変更した。さらにM&A推進などグループ成長に向けて、新たに設立する持株会社WOW WORLD GROUP<5128>が22年10月3日付で新規上場(現WOW WORLDは22年9月29日付で上場廃止)予定である。

 M&A・アライアンス関連では、18年9月にハモンズからベビー服ECサイト事業「べびちゅ」を譲り受けた。19年11月には暗号資産関連を展開するデジタルアセットマーケッツに出資した。20年10月には国産クラウドCMS(コンテンツ・マネジメント・システム)のトップベンダーであるコネクティを子会社化した。

 22年5月には、データ分析サービス開発を展開するデータビークルが実施する第三者割当増資を引き受けて資本業務提携(出資比率9.13%)した。データ利活用支援体制を強化する。22年8月には、スペースシップが設立した新会社ニューストリームに出資して子会社化した。デジタル・マーケティング支援体制を強化する。

■e−CRMシステム「WEBCAS」シリーズが主力

 22年3月期のセグメント別構成比(22年3月期からセグメント区分変更、消去・全社費用等調整前)は、売上高がエンタープライズ・ソフトウェア事業67%、デジタル・マーケティング運用支援事業28%、EC事業4%、その他0%、営業利益がエンタープライズ・ソフトウェア事業107%、デジタル・マーケティング運用支援事業▲5%、EC事業▲2%、その他0%だった。

 エンタープライズ・ソフトウェア事業は、マーケティングプラットフォームWEBCASシリーズの開発・販売、および子会社コネクティが展開するエンタープライズCMSのConnecty CMS onDemandの開発・販売である。

 自社開発e−CRMシステムのWEBCASシリーズをベースとして企業のCRM運用支援を展開している。WEBCASシリーズは、メール配信システムWEBCAS e−mailを中心とするe−CRMアプリケーションシリーズである。国内メール送信パッケージ市場シェア1位で、導入企業数は22年3月末時点で8000社を突破している。メール配信システムWEBCAS e−mailは、顧客の嗜好、属性、購買履歴などに基づいたOne to Oneメールを、世界トップレベルの最高300万通/時で送信することが可能な超高速性を強みとしている。

 22年3月にはメール配信システムWEBCAS e−mailの最新バージョンを発売、22年6月にはWEBCAS SMSの新バージョンを発売した。また8月24日には、CDP(カスタマー・データ・プラットフォーム)ソリューションの新製品WOW engageを発売した。

 デジタル・マーケティング運用支援事業は、WEBCASシリーズをより効果的に活用するためのコンサルティング、Webサイト制作支援・コンサルティング、および子会社コネクティのCMS(Connecty CMS onDemand)運用である。

 EC事業はベビー服ECサイト「べびちゅ」を運営している。製品開発を強化するため、ECのマーケティングノウハウを吸収して製品開発のヒントを得る研究的位置付けとして展開している。その他のオーダーメイド開発事業は新規受注を積極的に展開せず、既存の利益率の高い案件のみを継続している。

 21年7月にはベビー服ECサイト「べびちゅ」において、世界125ヶ国に向けて多言語対応の越境ECを開始した。21年10月には、子会社コネクティが開発したCDPサービスのConnecty CDPの販売を開始した。

 なお、23年3月期からセグメント区分を変更し、エンタープライズ・ソフトウェア事業(コミュニケーションプラットフォームがWOWのSaaS・オンプレ、CMS・CGPがコネクティのCMS・CDP)、大規模Web開発事業(コネクティの構築・運用)、コミュニケーション支援・コンサルティング事業(コミュニケーションがWOWのメール運用支援・コンサルティング、子会社FUCA、子会社ニューストリーム、CDPがコネクティのCDP運用・コンサルティング)、その他(受託開発、ベビー服EC販売)とする。

■クラウドサービスやM&Aで中期成長目指す

 中期経営計画の目標値は、最終年度23年3月期の売上高38億円、EBITDA11億円としている。顧客のマーケティング活動に対する横断的なソリューションの提供を目指し、M&Aを積極活用して、クラウドサービスを中心とする既存事業の飛躍的成長、グループシナジーの創出、財務戦略の最適化などを推進する。

 22年3月には従業員のキャリア形成を目的として、新しい働き方「兼業制度」を導入した。従業員の多様な働き方を推進し、さらなる組織の活性化と顧客価値の創造を目指す。また22年4月には一部の部門を対象に、日本全国どこでも居住が可能なフルタイム在宅勤務制度を導入した。

■プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書を更新

 22年4月に実施された東京証券取引所の市場再編についてはプライム市場を選択し、21年12月15日付でプライム市場上場維持基準適合に向けた計画書を開示した。

 その後のコロナ禍も背景とする事業環境の変化や計画外の費用の発生などにより、22年5月10日公表の23年3月期連結業績予想が21年5月11日公表の中期経営計画で掲げた目標値(20年5月公表の従来計画に対して目標値を上方修正)を下回る見込みとなったため、22年6月15日付で計画書の更新(変更)を発表し、従来は23年3月期までとしていた計画達成期間を25年3月期まで延長した。

 経営計画達成に向けた各種施策を着実に遂行するとともに、情報開示およびコーポレートガバナンスの充実、株主還元などの取り組みによって企業価値の向上(時価総額の増大)を図り、プライム市場の上場維持基準適合を目指すとしている。

■23年3月期連結業績予想を下方修正だが後半挽回期待

 23年3月期の連結業績予想(IFRS任意適用のため前期比増減率非記載、8月5日付で下方修正)は、売上収益が30億円、EBITDAが6億20百万円、営業利益が3億30百万円、親会社所有者帰属当期純利益が2億円としている。なお配当予想は据え置いて22年3月期比3円増配の33円(期末一括)としている。連続増配予想となる。

 従来予想に比べて売上収益を4億40百万円、EBITDAを1億10百万円、営業利益を1億80百万円、親会社所有者帰属当期純利益を1億20百万円それぞれ下方修正した。IFRS任意適用のため22年3月期比増減率は非記載だが、22年3月期のIFRS適用のための監査実施後の実績値との比較で売上高は5.9%増収、EBITDAは7.0%減益、営業利益は17.3%減益、親会社所有者帰属当期純利益は18.2%減益となる。

 修正後の通期セグメント別売上収益の計画は、エンタープライズ・ソフトウェア事業のコミュニケーションプラットフォームが1.6%減の16億47百万円(クラウドが7.1%増の14億47百万円、オンプレミスが38.2%減の2億円)、CMSが22.5%増の2億87百万円、CDP(新規)が11百万円、大規模Web開発事業の構築が6.2%減の3億54百万円、運用が19.0%増の2億27百万円、コミュニケーション支援・コンサルティング事業のコミュニケーションが42.2%増の3億23百万円、CDPが9.6倍の52百万円、その他が20.7%減の95百万円としている。

 売上面では予定していたWEBCAS大型オンプレミス案件の剥落が影響する。またクラウドサービスWEBCAS SaaSスタンダード版の売上も従来予想を下回る見込みだ。なおEBITDAについては、前回予想では使用権資産に係る償却費を含めていなかったが、今回予想では含めて算出している。

 第1四半期(IFRS)は、売上収益が前年同期比0.4%増の6億79百万円、EBITDAが53.7%減の78百万円、営業利益が4百万円の赤字(前年同期は1億13百万円の黒字)、親会社株主帰属四半期純利益が1百万円の赤字(同69百万円の黒字)だった。売上収益が計画を下回り、積極的な先行投資や一過性費用の発生も影響してEBITDA減益・営業赤字だった。

 売上面は、クラウドサービスのWEBCAS SaaSスタンダード版やCMSが伸長したものの、WEBCAS SaaSプレミアム版やオンプレミス導入版が計画を下回り、さらにニューストリームの連結化スケジュールの遅れなども影響して、全体として伸び悩んだ。なおクラウドサービス合計売上高は8.3%増の4億07百万円だった。利益面では、積極的な先行投資(マーケティングや開発体制の強化)に加えて、一過性費用の発生(官公庁取引継続のために必要なISMAP認証取得費用、持株会社化対応費用など)も影響してEBITDA減益・営業赤字だった。

 エンタープライズ・ソフトウェア事業の売上高は8.6%増の4億80百万円だった。クラウドサービスWEBCAS SaaSプレミアム版が減収だが、クラウドサービスWEBCAS SaaSスタンダード版が伸長し、コネクティのCMSも寄与した。売上総利益率は65.6%で1.1ポイント低下した。

 大規模Web開発事業の売上高は10.6%減の1億23百万円だった。売上総利益率は2.2%で25.2ポイント低下した。コネクティのCMSを活用したウェブサイト構築案件の進捗が遅れ、外注費の増加も影響した。

 コミュニケーション支援・コンサルティング事業の売上高は21.4%減の49百万円だった。売上総利益率は15.8%で4.8ポイント低下した。コロナ禍影響の長期化で需要が減少した。

 その他(子会社ままちゅによるベビー服ECサイト「べびちゅ」運営など)は売上高が22.1%減の25百万円だった。売上総利益率は42.0%で1.2ポイント低下した。中国のロックダウンの影響でオリジナル商品の入荷が遅延した。

 第1四半期が計画未達だったため第2四半期累計および通期の連結業績予想を下方修正したが、第2四半期以降の売上拡大に向けて新規顧客獲得に向けた営業強化、既存顧客向けのクロスセル・アップセル、CDPソリューションの新製品WOW engageの拡販などを推進する。コスト面では外注費や不要不急の経費の抑制などを推進する。また経営責任を明確にするため、代表取締役の報酬減額も実施する。積極的なリカバリ策や先行投資の成果で後半の挽回、さらに中長期成長を期待したい。

■株主優待制度は3月末と9月末の2単元以上保有株主対象

 株主優待制度は、毎年3月31日および9月30日時点の2単元(200株)以上保有株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて株主優待ポイントを進呈(詳細は会社HP参照)する。

■株価は売り一巡

 株価は下方修正を嫌気して年初来安値を更新したが売り一巡感を強めている。出直りを期待したい。9月20日の終値は866円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS50円00銭で算出)は約17倍、今期予想配当利回り(会社予想の33円で算出)は約3.8%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS385円57銭で算出)は約2.2倍、そして時価総額は約35億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR
[08月29日更新]

WOW WORLDは売り一巡、23年3月期予想を下方修正だが中長期成長期待

 WOW WORLD<2352>(東証プライム)は自社開発e−CRMシステムのWEBCASシリーズを中心に企業のCRM運用支援を展開している。さらなるグループ成長に向けて持株会社WOW WORLD GROUPを設立し、持株会社が新規上場(22年10月3日)予定である。23年3月期は、第1四半期が積極的な先行投資や一過性費用の発生も影響してEBITDA減益・営業赤字となり、第2四半期累計および通期の連結業績予想を下方修正(配当予想は据え置き)した。積極的なリカバリ策や先行投資の成果で第2四半期以降の挽回、さらに中長期成長を期待したい。株価は下方修正を嫌気して年初来安値を更新したが、売り一巡して出直りを期待したい。

■持株会社WOW WORLD GROUP設立(22年10月3日)予定

 旧エイジアが21年7月1日付で商号をWOW WORLD(ワオワールド)に変更した。さらにM&A推進などグループ成長に向けて、単独株式移転の方法によって持株会社WOW WORLD GROUPを設立(22年10月3日予定)し、持株会社が新規上場(22年10月3日、現WOW WORLDは22年9月29日に上場廃止)予定である。

 M&A・アライアンス関連では、18年9月にハモンズからベビー服ECサイト事業「べびちゅ」を譲り受けた。19年11月には暗号資産関連を展開するデジタルアセットマーケッツに出資した。20年10月には国産クラウドCMS(コンテンツ・マネジメント・システム)のトップベンダーであるコネクティを子会社化した。

 22年5月には、データ分析サービス開発を展開するデータビークルが実施する第三者割当増資を引き受けて資本業務提携(出資比率9.13%)した。データ利活用支援体制を強化する。22年8月には、スペースシップが設立した新会社ニューストリームに出資して子会社化した。デジタル・マーケティング支援体制を強化する。

■e−CRMシステム「WEBCAS」シリーズが主力

 22年3月期のセグメント別構成比(22年3月期からセグメント区分変更、消去・全社費用等調整前)は、売上高がエンタープライズ・ソフトウェア事業67%、デジタル・マーケティング運用支援事業28%、EC事業4%、その他0%、営業利益がエンタープライズ・ソフトウェア事業107%、デジタル・マーケティング運用支援事業▲5%、EC事業▲2%、その他0%だった。

 エンタープライズ・ソフトウェア事業は、マーケティングプラットフォームWEBCASシリーズの開発・販売、および子会社コネクティが展開するエンタープライズCMSのConnecty CMS onDemandの開発・販売である。

 自社開発e−CRMシステムのWEBCASシリーズをベースとして企業のCRM運用支援を展開している。WEBCASシリーズは、メール配信システムWEBCAS e−mailを中心とするe−CRMアプリケーションシリーズである。国内メール送信パッケージ市場シェア1位で、導入企業数は22年3月末時点で8000社を突破している。メール配信システムWEBCAS e−mailは、顧客の嗜好、属性、購買履歴などに基づいたOne to Oneメールを、世界トップレベルの最高300万通/時で送信することが可能な超高速性を強みとしている。

 22年3月にはメール配信システムWEBCAS e−mailの最新バージョンを発売、22年6月にはWEBCAS SMSの新バージョンを発売した。また8月24日には、CDP(カスタマー・データ・プラットフォーム)ソリューションの新製品WOW engageを発売した。

 デジタル・マーケティング運用支援事業は、WEBCASシリーズをより効果的に活用するためのコンサルティング、Webサイト制作支援・コンサルティング、および子会社コネクティのCMS(Connecty CMS onDemand)運用である。

 EC事業はベビー服ECサイト「べびちゅ」を運営している。製品開発を強化するため、ECのマーケティングノウハウを吸収して製品開発のヒントを得る研究的位置付けとして展開している。その他のオーダーメイド開発事業は新規受注を積極的に展開せず、既存の利益率の高い案件のみを継続している。

 21年7月にはベビー服ECサイト「べびちゅ」において、世界125ヶ国に向けて多言語対応の越境ECを開始した。21年10月には、子会社コネクティが開発したCDPサービスのConnecty CDPの販売を開始した。

 なお、23年3月期からセグメント区分を変更し、エンタープライズ・ソフトウェア事業(コミュニケーションプラットフォームがWOWのSaaS・オンプレ、CMS・CGPがコネクティのCMS・CDP)、大規模Web開発事業(コネクティの構築・運用)、コミュニケーション支援・コンサルティング事業(コミュニケーションがWOWのメール運用支援・コンサルティング、子会社FUCA、子会社ニューストリーム、CDPがコネクティのCDP運用・コンサルティング)、その他(受託開発、ベビー服EC販売)とする。

■クラウドサービスやM&Aで中期成長目指す

 中期経営計画の目標値は、最終年度23年3月期の売上高38億円、EBITDA11億円としている。顧客のマーケティング活動に対する横断的なソリューションの提供を目指し、M&Aを積極活用して、クラウドサービスを中心とする既存事業の飛躍的成長、グループシナジーの創出、財務戦略の最適化などを推進する。

 22年3月には従業員のキャリア形成を目的として、新しい働き方「兼業制度」を導入した。従業員の多様な働き方を推進し、さらなる組織の活性化と顧客価値の創造を目指す。また22年4月には一部の部門を対象に、日本全国どこでも居住が可能なフルタイム在宅勤務制度を導入した。

■プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書を更新

 22年4月に実施された東京証券取引所の市場再編についてはプライム市場を選択した。そして21年12月15日付でプライム市場上場維持基準適合に向けた計画書を開示した。

 その後のコロナ禍も背景とする事業環境の変化や計画外の費用の発生などにより、22年5月10日公表の23年3月期連結業績予想が21年5月11日公表の中期経営計画で掲げた目標値(20年5月公表の従来計画に対して目標値を上方修正)を下回る見込みとなったため、22年6月15日付で計画書の更新(変更)を発表し、従来は23年3月期までとしていた計画達成期間を25年3月期まで延長した。

 経営計画達成に向けた各種施策を着実に遂行するとともに、情報開示およびコーポレートガバナンスの充実、株主還元などの取り組みによって企業価値の向上(時価総額の増大)を図り、プライム市場の上場維持基準適合を目指すとしている。

■23年3月期1Q計画未達で営業赤字、2Q累計・通期予想を下方修正

 23年3月期の連結業績予想(IFRS任意適用のため前期比増減率非記載、8月5日付で下方修正)は、売上収益が30億円、EBITDAが6億20百万円、営業利益が3億30百万円、親会社所有者帰属当期純利益が2億円としている。なお配当予想は据え置いて22年3月期比3円増配の33円(期末一括)としている。連続増配予想となる。

 従来予想に比べて売上収益を4億40百万円、EBITDAを1億10百万円、営業利益を1億80百万円、親会社所有者帰属当期純利益を1億20百万円それぞれ下方修正した。IFRS任意適用のため22年3月期比増減率は非記載だが、22年3月期のIFRS適用のための監査実施後の実績値との比較で売上高は5.9%増収、EBITDAは7.0%減益、営業利益は17.3%減益、親会社所有者帰属当期純利益は18.2%減益となる。

 修正後の通期セグメント別売上収益の計画は、エンタープライズ・ソフトウェア事業のコミュニケーションプラットフォームが1.6%減の16億47百万円(クラウドが7.1%増の14億47百万円、オンプレミスが38.2%減の2億円)、CMSが22.5%増の2億87百万円、CDP(新規)が11百万円、大規模Web開発事業の構築が6.2%減の3億54百万円、運用が19.0%増の2億27百万円、コミュニケーション支援・コンサルティング事業のコミュニケーションが42.2%増の3億23百万円、CDPが9.6倍の52百万円、その他が20.7%減の95百万円としている。

 売上面では予定していたWEBCAS大型オンプレミス案件の剥落が影響する。またクラウドサービスWEBCAS SaaSスタンダード版の売上も従来予想を下回る見込みだ。なおEBITDAについては、前回予想では使用権資産に係る償却費を含めていなかったが、今回予想では含めて算出している。

 第1四半期(IFRS)は、売上収益が前年同期比0.4%増の6億79百万円、EBITDAが53.7%減の78百万円、営業利益が4百万円の赤字(前年同期は1億13百万円の黒字)、親会社株主帰属四半期純利益が1百万円の赤字(同69百万円の黒字)だった。売上収益が計画を下回り、積極的な先行投資や一過性費用の発生も影響してEBITDA減益・営業赤字だった。

 売上面は、クラウドサービスのWEBCAS SaaSスタンダード版やCMSが伸長したものの、WEBCAS SaaSプレミアム版やオンプレミス導入版が計画を下回り、さらにニューストリームの連結化スケジュールの遅れなども影響して、全体として伸び悩んだ。なおクラウドサービス合計売上高は8.3%増の4億07百万円だった。利益面では、積極的な先行投資(マーケティングや開発体制の強化)に加えて、一過性費用の発生(官公庁取引継続のために必要なISMAP認証取得費用、持株会社化対応費用など)も影響してEBITDA減益・営業赤字だった。

 エンタープライズ・ソフトウェア事業の売上高は8.6%増の4億80百万円だった。クラウドサービスWEBCAS SaaSプレミアム版が減収だが、クラウドサービスWEBCAS SaaSスタンダード版が伸長し、コネクティのCMSも寄与した。売上総利益率は65.6%で1.1ポイント低下した。

 大規模Web開発事業の売上高は10.6%減の1億23百万円だった。売上総利益率は2.2%で25.2ポイント低下した。コネクティのCMSを活用したウェブサイト構築案件の進捗が遅れ、外注費の増加も影響した。

 コミュニケーション支援・コンサルティング事業の売上高は21.4%減の49百万円だった。売上総利益率は15.8%で4.8ポイント低下した。コロナ禍影響の長期化で需要が減少した。

 その他(子会社ままちゅによるベビー服ECサイト「べびちゅ」運営など)は売上高が22.1%減の25百万円だった。売上総利益率は42.0%で1.2ポイント低下した。中国のロックダウンの影響でオリジナル商品の入荷が遅延した。

 第1四半期が計画未達だったため第2四半期累計および通期の連結業績予想を下方修正したが、第2四半期以降の売上拡大に向けて新規顧客獲得に向けた営業強化、既存顧客向けのクロスセル・アップセル、CDPソリューションの新製品WOW engageの拡販などを推進する。コスト面では外注費や不要不急の経費の抑制などを推進する。また経営責任を明確にするため、代表取締役の報酬減額も実施する。積極的なリカバリ策や先行投資の成果で第2四半期以降の挽回、さらに中長期成長を期待したい。

■株主優待制度は3月末と9月末の2単元以上保有株主対象

 株主優待制度は、毎年3月31日および9月30日時点の2単元(200株)以上保有株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて株主優待ポイントを進呈(詳細は会社HP参照)する。

■株価は売り一巡

 株価は下方修正を嫌気して急落し、年初来安値を更新したが、売り一巡して出直りを期待したい。8月26日の終値は842円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS50円00銭で算出)は約17倍、今期予想配当利回り(会社予想の33円で算出)は約3.9%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS385円57銭で算出)は約2.2倍、そして時価総額は約34億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[07月26日更新]

WOW WORLDは下値固め完了、23年3月期大幅増益・連続増配予想

 WOW WORLD<2352>(東証プライム)は自社開発e−CRMシステムのWEBCASシリーズを中心に企業のCRM運用支援を展開している。さらなるグループ成長に向けて、持株会社WOW WORLD GROUPを設立し、持株会社が新規上場(22年10月3日)予定である。23年3月期(IFRS任意適用のため前期比増減率非記載)は実質大幅増益・連続増配予想としている。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は反発力が鈍く年初来安値圏でモミ合う展開だが、大きく下押す動きも見られず下値固め完了感を強めている。出直りを期待したい。なお7月29日に23年3月期第1四半期決算発表を予定している。

■持株会社WOW WORLD GROUP設立(22年10月3日)予定

 旧エイジアが21年7月1日付で商号をWOW WORLD(ワオワールド)に変更した。さらにM&A推進などグループ成長に向けて、単独株式移転の方法によって持株会社WOW WORLD GROUPを設立(22年10月3日付予定)し、持株会社が新規上場(22年10月3日、現WOW WORLDは22年9月29日に上場廃止)予定である。

 M&A・アライアンス関連では、18年9月にハモンズからベビー服ECサイト事業「べびちゅ」を譲り受けた。19年11月には暗号資産関連を展開するデジタルアセットマーケッツに出資した。20年10月には国産クラウドCMS(コンテンツ・マネジメント・システム)のトップベンダーであるコネクティを子会社化した。

 22年5月には、スペースシップが設立(22年7月)する新会社ニューストリームに出資して子会社化すると発表した。デジタル・マーケティング支援体制を強化する。また、データ分析サービス開発を展開するデータビークルが実施する第三者割当増資を引き受けて資本業務提携(出資比率9.13%)した。データ利活用支援体制を強化する。

■e−CRMシステム「WEBCAS」シリーズが主力

 22年3月期のセグメント別構成比(22年3月期からセグメント区分変更、消去・全社費用等調整前)は、売上高がエンタープライズ・ソフトウェア事業67%、デジタル・マーケティング運用支援事業28%、EC事業4%、その他0%、営業利益がエンタープライズ・ソフトウェア事業107%、デジタル・マーケティング運用支援事業▲5%、EC事業▲2%、その他0%だった。

 エンタープライズ・ソフトウェア事業は、マーケティングプラットフォームWEBCASシリーズの開発・販売、および子会社コネクティが展開するエンタープライズCMSのConnecty CMS onDemandの開発・販売である。

 自社開発e−CRMシステムのWEBCASシリーズをベースとして企業のCRM運用支援を展開している。WEBCASシリーズは、メール配信システムWEBCAS e−mailを中心とするe−CRMアプリケーションシリーズである。国内メール送信パッケージ市場シェア1位で、導入企業数は22年3月末時点で8000社を突破している。メール配信システムWEBCAS e−mailは、顧客の嗜好、属性、購買履歴などに基づいたOne to Oneメールを、世界トップレベルの最高300万通/時で送信することが可能な超高速性を強みとしている。

 22年3月にはメール配信システムWEBCAS e−mailの最新バージョンを発売した。22年5月にはCDP(カスタマー・データ・プラットフォーム)ソリューションの新製品WOW engageを発表(22年夏発売予定)した。22年6月にはWEBCAS SMSの新バージョンを発売した。

 デジタル・マーケティング運用支援事業は、WEBCASシリーズをより効果的に活用するためのコンサルティング、Webサイト制作支援・コンサルティング、および子会社コネクティのCMS(Connecty CMS onDemand)運用である。

 EC事業はベビー服ECサイト「べびちゅ」を運営している。製品開発を強化するため、ECのマーケティングノウハウを吸収して製品開発のヒントを得る研究的位置付けとして展開している。その他のオーダーメイド開発事業は新規受注を積極的に展開せず、既存の利益率の高い案件のみを継続している。

 21年7月にはベビー服ECサイト「べびちゅ」において、世界125ヶ国に向けて多言語対応の越境ECを開始した。21年10月には、子会社コネクティが開発したCDPサービスのConnecty CDPの販売を開始した。

■クラウドサービスやM&Aで中期成長目指す

 中期経営計画の目標値(21年5月に上方修正)は、最終年度23年3月期の売上高38億円、EBITDA11億円としている。顧客のマーケティング活動に対する横断的なソリューションの提供を目指し、M&Aを積極活用して、クラウドサービスを中心とする既存事業の飛躍的成長、グループシナジーの創出、財務戦略の最適化などを推進する。

 22年3月には従業員のキャリア形成を目的として、新しい働き方「兼業制度」を導入した。従業員の多様な働き方を推進し、さらなる組織の活性化と顧客価値の創造を目指す。また22年4月には一部の部門を対象に、日本全国どこでも居住が可能なフルタイム在宅勤務制度を導入した。

■プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書を更新

 22年4月に実施された東京証券取引所の市場再編についてはプライム市場を選択した。そして21年12月15日付でプライム市場上場維持基準適合に向けた計画書を開示した。

 その後のコロナ禍も背景とする事業環境の変化や計画外の費用の発生などにより、22年5月10日公表の23年3月期連結業績予想が21年5月11日公表の中期経営計画で掲げた目標値(20年5月公表の従来計画に対して目標値を上方修正)を下回る見込みとなったため、22年6月15日付で計画書の更新(変更)を発表し、従来は23年3月期までとしていた計画達成期間を25年3月期まで延長した。

 経営計画達成に向けた各種施策を着実に遂行するとともに、情報開示およびコーポレートガバナンスの充実、株主還元などの取り組みによって企業価値の向上(時価総額の増大)を図り、プライム市場の上場維持基準適合を目指すとしている。

■23年3月期大幅増益・連続増配予想

 23年3月期の連結業績予想(IFRS任意適用のため前期比増減率非記載)は、売上高が34億40百万円、EBITDAが7億30百万円、営業利益が5億10百万円、親会社株主所有者帰属当期純利益が3億20百万円としている。なお日本基準の22年3月期連結業績は売上高が28億33百万円、EBITDAが5億93百万円、営業利益が3億62百万円、経常利益が3億65百万円、親会社株主帰属当期純利益が2億13百万円だった。配当予想は22年3月期比3円増配の33円(期末一括)としている。連続増配予想となる。

 23年3月期からセグメント区分を変更し、エンタープライズ・ソフトウェア事業(コミュニケーションプラットフォームがWOWのSaaS・オンプレ、CMS・CGPがコネクティのCMS・CDP)、大規模Web開発事業(コネクティの構築・運用)、コミュニケーション支援・コンサルティング事業(コミュニケーションがWOWのメール運用支援・コンサルティング、子会社FUCA、子会社ニューストリーム、CDPがコネクティのCDP運用・コンサルティング)、その他事業(受託開発、ベビー服EC販売)とする。

 既存事業およびコネクティの伸長に加えて、ニューストリームの新規連結(スペースシップの新設分割会社を子会社化、22年7月予定)も寄与して21.4%増収、23.0%EBITDA増益、40.6%営業増益、49.9%最終増益の実質大幅増収増益予想としている。

 売上面では、主力のエンタープライズ・ソフトウェア事業のコミュニケーションプラットフォームが2桁伸長(22年3月期比14.6%増の19億20百万円、うちWEBCASクラウドが18.7%増の16億04百万円)と好調に推移する。コスト面では、販売体制強化やリブランディングなどの投資費用、減価償却費などが増加するが、増収効果やコネクティの利益率改善などで吸収する見込みだ。

 23年3月期はコロナ禍も背景とする事業環境の変化や計画外の費用の発生などにより、中期経営計画目標値(23年3月期売上高38億円、EBITDA11億円)に対して未達の形になるが、22年3月期比では実質大幅増益・連続増配予想としている。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株主優待制度は3月末と9月末の2単元以上保有株主対象

 株主優待制度は、毎年3月31日および9月30日時点の2単元(200株)以上保有株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて株主優待ポイントを進呈(詳細は会社HP参照)する。

■株価は下値固め完了

 株価は反発力が鈍く年初来安値圏でモミ合う展開だが、大きく下押す動きも見られず下値固め完了感を強めている。出直りを期待したい。7月25日の終値は1021円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS82円76銭で算出)は約12倍、今期予想配当利回り(会社予想の33円で算出)は約3.2%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS385円57銭で算出)は約2.6倍、そして時価総額は約41億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
|<    <   page 1/33   >    >|

戻る
 
サイトTOPへ

株式投資は全て自己責任でお願いします。このサイトの情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。当サイトの掲載事項において損失をされた場合も当方は一切の責任を負いかねます。

(C)ilogos / Eimei.tv