貸借倍率をチェック!しましょう

投資家心理を踏まえて株価と信用残の動き見るときには、「貸借倍率」にも注目しましょう。

「貸借倍率(たいしゃくばいりつ)」とは信用取引で使われる専門用語です。

信用倍率や取組倍率とも呼ばれています。

貸借倍率とは信用取引における「信用買い」と「信用売り(空売り)」のバランスを数値で表したものです。

貸借倍率 =  信用買い残 ÷ 信用売り残

貸借倍率の見方について
一般的には、信用買い残の方が信用売り残よりも多くなります。
(例)
信用買い残 400 : 信用売り残 100
貸借倍率 = 400 ÷ 100 = 4(倍)
対して、信用売りは「この銘柄はこれから下がるだろう」と予測して株券を借りて売ります。

相場が下げ相場の状態にあると、そういった予測も入り信用売りが増加する場合があります。

(例)
信用買い残 400 : 信用売り残 800
貸借倍率 = 400 ÷ 800 = 0.5(倍)
貸借倍率が1倍以上ある状態が通常なのですが、相場環境やその他の状況により貸借倍率が1倍を切る場合があります。(信用で買う人よりも信用で売る人が多くなっている状態)

信用取引は必ず反対売買を行う必要があります。
(信用買い残が1,000株あれば、将来的に1,000株売られます) 信用買い残(貸借倍率が大きくなる)が増えると、将来の売りの要因になる。
 ⇒ 株価の下落要因となる可能性 があります。
信用売り残(貸借倍率が小さくなる)が増えると、将来の買いの要因になる。
 ⇒ 株価の上昇要因となる可能性 があります。

貸借倍率のポイント
通常は貸借倍率が1倍以上あるのが普通です。
ところが、相場環境やなんらかの状況により貸借倍率が1倍以下、または1倍に近い場合は「好取組銘柄」と呼ばれ注目を浴びることがあります。

信用売り残が多い状況という事は、反対売買により将来的に買われる可能性が高くなっているからですね。

信用売り(空売り)は買いがどんどん集まると、大損する可能性があるので、「踏み上げ相場」(空売りを仕掛けた人たちが買い戻すこと)により、一気に株価を上げる場合があります。

ただし、いつ買い戻されるかはわかりませんし、下げているのには何らかの理由がありますので、そこら辺を見極めなければなりません。

あくまでも、売買のタイミングを見計らう指標の一つとして貸借倍率があります。

このため、「貸借倍率」を見るときにも、数値だけでなく、株価水準がどの程度になると信用残が増えていたか?どのぐらい増えていたか?

その後の株価の動きはどうなっていたか?といった"株価の動きと信用残高の増減のバランス"をローソク足のチャートと、信用残の折れ線グラフで見ることが大切です。

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