毎日コラム
クリスマス前後には、損切りが殺到か
12月のクリスマスの前後は、株が売られて株価が下がる時期と言われます。
この時期は、個人投資家にとっては、1年間の収支を確定する時期です。

上場株で出てしまった損失を有効活用する方法として、損益通算と譲渡損失の繰越控除があります。

損益通算とは、『1月〜12月までにおこなわれた売買を計算し、その利益と損失を合計して、最終的に利益がでたか損失になったかを算出すること』です。

上場株式等の譲渡損のうち、その年の譲渡益から控除しきれない損失金額を、毎年確定申告を行うことによって、最大3年間繰越すことができます。
繰り越した年の株式等の譲渡益等を控除することが可能なのです。

■上場株式などの譲渡損失の3年間繰越控除

(事例)

2019年度に譲渡損失が発生し、この2019年度分の譲渡損失を繰越する場合には、2019年度の確定申告にて譲渡損失の繰越控除制度をご利用のうえ、さらに2020年度、2021年度、2022年度の3年間に渡って確定申告が必要となります。
 
  譲渡損失が発生 →確定申告が必要 →確定申告が必要 →確定申告が必要
  2019年度 2020年度 2021年度 2021年度
年間譲渡損益 損失 500万円 利益 100万円 利益 100万円 利益 500万円
前年度分からの繰越譲渡損失額   損失 500万円 損失 400万円 損失 300万円
繰越控除適用額   利益 100万円 利益 100万円 利益 500万円
繰越控除の残高   損失 400万円 損失 300万円 0円
課税対象 0円 0円 0円 200万円

※上場株式や投資信託の譲渡損等は、3年間繰り越して、各年分の「株式等譲渡所得」から控除することが可能です。
※先物・オプション取引/FX取引/取引所CFD取引の譲渡損益は「先物取引に係る雑所得」となり、譲渡損は3年間繰り越して、各年分の先物取引に係る雑所得から控除することが可能です。
※3年間損失を繰り越すためには、3年の間取引が行われていない年でも確定申告を行うことが必要です。


そのために、利益確定や損切りが増えるのです。

たとえば大きな利益がでている人は、含み益がある銘柄は持ち続け、塩漬けになっていた株を損切りして、利益を圧縮して税金を減らそうとするのです。
見込みのない株を整理して、来年の取引に備え、キャッシュ余力を確保しようとします。
 

個人投資家に限らず、欧米の機関投資家・ヘッジファンドなども、6月末と12月末を決算締め日にしているところが多いと言います。
なので、6月と12月は換金売りが増えるという理由の一つになる。

機関投資家保有の東証一部の大型株などは、11月下旬から12月中旬までにジワジワ売ることが多いのです。

特に注意が必要なのが、個人投資家が多い新興株や低位株は要注意でしょう。

東京証券取引所が12日発表した12月第1週(12月2〜6日)の投資部門別売買動向は、現物は海外投資家が2660億4640万円と2週ぶりに売り越した。個人投資家は459億8025万円と2週連続の売り越し。


特に年内最終受渡日 12月26日(木)の3日前の取引日から注意が必要です。
時期的には、クリスマス頃になます。

こういうことを覚えておくと、株が高いウチに利益確定をし、有望株を安値で拾える様になります。
タイミング次第では、12月は株を安く買えるチャンスがあります。
残念なことに、個人投資家の皆さんは意外と、一年たつと忘れちゃうのだよね。
 

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