今月21日に人気俳優大杉漣さんが急死されたという、衝撃のニュースが流れた。
共演者らと夕食を共にして自室に帰ったところで腹痛に襲われ、タクシーに乗せられて病院に運ばれたという。
死因は、急性心不全。66歳だった。
心不全とは、
心臓は全身に血液を送り出すポンプとして一日中、休むことなく働いています。心不全とは、『心臓が悪いために、息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなり、生命を縮める病気』と定義されています。一概に心不全と言っても、原因や自覚症状は人によって様々です。
出典:国立循環器病研究センターより
近年、高齢化で心不全の患者が増えてきている。
厚生労働省の2014年患者調査では、国内の心疾患総患者数172万人、死因としても心疾患はがんに次ぐ2位である。
特に高齢化に伴う心不全患者が急激に増えており、2030年には、患者数は130万人に達すると予測されている。
患者増加に伴って、関連の医療機器や予防医療の需要は高まってきている。
平成26年度虚血性心疾患の年間医療費は7,430億円と非常に大きなマーケットでもある。
今回は、関連の医療機器、予防医療の銘柄から紹介したい。
リボミック(4591)
次世代新薬として注目されている核酸医薬の一種「アプタマー医薬」の開発を行う。29年11月には、「心筋梗塞モデルで RBM003(抗キマーゼアプタマー)の顕著な心機能改善効果を確認」と発表し注目されている。
チャート出典:ストックウェザー株式会社
テルモ(4543)
医療機器大手。2016年5月に、世界初の心不全治療用の再生医療等製品「ハートシート」発売。
「条件及び期限付き承認」という早期承認制度が適用になった初めての製品。薬物治療や冠動脈バイパス手術などの標準治療で効果不十分な虚血性心疾患による重症心不全の治療の新たな選択肢として期待されている。
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デンカ(4061)
グループ会社が、心疾患リスクマーカー測定試薬「sd LDL-C」がFDAから承認取得。
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アンジェス(4563)
アンジェス(4563)は、動物用医薬品(犬慢性心不全)の開発も行っている。高血圧DNAワクチンの犬の慢性心不全への応用をしている。
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その他、使い捨て医療器具の大手のJMS(7702)や「カテーテル治療」関連製品を手掛ける朝日インテック(7747)もあげられる。
また、予防医療として、下記のような銘柄にも期待したい。
FRONTEO(2158)
分析等コンピュータ解析事業が主。ヘルスケア事業では人間ドック予約サイト「YOUR DOCK」を運営。
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ノーリツ鋼機(7744)
写真処理機大手。遠隔画像診断事業を行う。画像診断へのAI活用など、医療サービスの地域格差や医師不足といった、日本が抱える課題の解決に取り組む。
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心不全になると命を失う危険性が高く、急性心不全で入院した人の約6%が入院中に亡くなり、約22%が1年以内に亡くなる。
また、心不全は予後が悪いといわれており、約16%の人が心不全によって再入院となる。
この割合は、治療の難しいがんに匹敵する数値だ。また、発症すると1年以内に2割が死亡するという統計がある。
上記銘柄紹介であげたテルモの「ハートシート」やアンジェスの「DNAワクチン」など医学もどんどん進歩している。
今後増えると予想される心不全に対し医療機器、予防医療といった関連銘柄のニーズが高まってくる。
当然、今後の株式市場でも注目されるテーマだろう。
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