全日本コーヒー協会によると、2017年1〜9月累計で、国内消費量は前年比約1%増の35万3000tとなった。
2014年頃よりコンビニコーヒーの台頭もあり、日本のコーヒー消費は年々増加傾向である。
コーヒー専門店での売上縮小が懸念されていたが、むしろコーヒー市場全体では良い影響が起こっており、株式市場でもコーヒー専門店に注目が集まっている。
■日本の一人当たりコーヒー消費量(1人/年)
2012年 |
2013年 |
2014年 |
2015年 |
2016年 |
3.37kg |
3.51kg |
3.55kg |
3.65kg |
3.73kg |
データ出所:ICO統計(2017年7月)
富士経済によると、「高価格型喫茶店・コーヒー専門店」は、15年の835億円から16年には5.1%増の878億円に拡大するとしている。
喫茶全体の市場規模は、15年1兆4259億円から0.2%減の16年1兆4235年となっており対照的な数字である。
個人経営による喫茶店の減少が影響し全体の市場規模は縮小傾向が続いているが、それを喫茶チェーンが吸収している格好だ。
競争激化の喫茶チェーンの中でも目を引くのが、「名古屋式モーニングサービス」で話題をあつめた『コメダ珈琲店』である。
名古屋式モーニングサービスとは、朝にコーヒーなどのドリンクを頼むとトーストや卵が無料で付いてくるもので、関東ではあまりなじみのないサービスである。
コメダHD(3543)
昭和ムードを漂わせた店舗戦略がシルバー層の心理を捉え話題となった。
2016年6月に上場しその後も出展数を順調に伸ばしており、年70〜80店のペースで出店を続けている。 2020年度に国内外で1000店体制を目指している。
コメダの主力商品は、砂糖とミルクを入れて飲むブレンドコーヒーであるが、「コメ黒」というブラックコーヒーを展開するなど流行の変化にも敏感だ。 また、関東地区に「コーヒー工場」を建設し、東日本地区への安定供給を進めている。
19年2月期も前期比5.0%増の74.3億円に伸びを見込み、4期連続で過去最高益を更新する見通し。
チャート出典:ストックウエザー株式会社
ドトール・日レスHD(3087)
ドトールコーヒー、エクセシオールカフェ、星乃珈琲店を展開。
全国1,300店舗以上展開し、海外展開もおこなっている。
星乃珈琲店では、話題の「スフレパンケーキ」が人気で女性客も多い。もちろんモーニングセットも展開しており、ドリンク1杯でトーストとゆでたまごがついてくる。
高価格帯路線店舗にも注力し、最高級のコーヒーを提供するカフェ「神乃珈琲」を5月に京都にオープンした。
19年2月期は前期比3.0%増の106億円に伸びを見込み、2期ぶりに過去最高益を更新する見通し。9期連続増収になる。
チャート出典:ストックウエザー株式会社
伊藤園(2593) (タリーズコーヒー)
伊藤園といえば、「お茶」であるが、傘下企業の「タリーズコーヒージャパン」が「タリーズコーヒー」を展開している。 「TULLY’S COFFEE」シリーズがブランド販売開始から10年で2018年4月に累計販売数量1億ケースを突破するなどブランド好調
19年4月期は前期比4.9%増の225億円に伸びを見込み、12期ぶりに過去最高益を更新する見通し。4期連続増収になる。
チャート出典:ストックウエザー株式会社
株価が上がるとコーヒー消費量が増えるというアノマリーもあり、日経平均株価23,000円を超えてきた今、喫茶店銘柄が注目される。
画像出典:全日本コーヒー協会
また、今年も平年より暑く猛暑になると気象庁から発表されており、猛暑関連株としても喫茶店銘柄は、注目を集めている。
これから喫茶店でゆっくりコーヒーでも飲みながら、銘柄探しをしてみてはいかがだろうか?