北朝鮮のミサイル発射で荒れる可能性もあったが東京株式相場への影響は限定的だった。
NYダウは、連日の過去最高値更新。
背景は、税制改革への期待感。
今では、話題にもならない地区連銀報告(ベージュ・ブック)。
「米経済が10月から11月半ばにかけ、控えめから緩やかなペースで拡大。物価圧力も高まった」との認識で着地している。
イエレンFRB議長は、上下両院の経済合同委員会で証言。
「米経済は力強さを増しており、利上げ継続はなお正当化される」と強気のコメント。
国債利回りは、上昇。ドルは小動き。
GDP改定値は、上方修正され、相場の下支えとなった。
しかし、「税制改革法案を巡る不透明感が重石」との声が聞こえる。
気になるのはダウ輸送株指数の動きだろう。
前日比323ポイント高の10077ポイント。
強烈な上昇幅となり10000ポイント台に乗せてきた。
「消費者心理が良好。賃金の伸びがやや加速する中、今年の休暇シーズンはかなり好調見通し」という指摘があった。
NASDAQの大幅安と輸送株指数の大幅高。
3市場の売買高は一気に80億株まで増加した。
「何らかの変調の兆し」と読むのは杞憂だろうか。
そんな中の東京株式市場。
11月陽線基準を上まわり、11月SQ値も上回っている。「罫線が崩れず日柄調整が進んでいる」という声も聞こえる。
一方で、「いったんは調整期を経なければ大きな相場は演じられない」という見方もある。
11月30日終値は、22,724円だから11月も月間上昇となった。
25日線(22362円)からの乖離はプラス1.1%(前日プラス0.7%)。
空売り比率は38.2%にとどまった。
11月24日現在の裁定買い残は、前週比2300億円増(3週ぶり増加)の2兆8775億円。
裁定売り残は前週比324億円増(2週ぶり増加)の3617億円。 裁定買いの余裕は目先あと5000億円程度だろう。
ボリンジャーのプラス1σ(22699円)が目先の限界だろうか。その先の22757円(17日高値)は少し遠方の峰だろう。
勝手雲は、12月6日に黒くねじれているが22600円台より上に位置しておれば影響薄と見たい。
「月末のドレッシング」なんて言葉は、最近聞かれない。
一応「三の酉」の月末最終日。
「11月最終週は高い」というのがアノマリー。
その基準値となる先週末の日経平均株価は22550円。
日経1面の「生産性考」。
法政大学永山講師の「生産性の変化6分類」が興味深かった。
【生産性上昇の3類型】
(1)アメフト型:営業利益増加 従業員増加
東証1部に占める割合は34.6%
代表は、ダイキン、トヨタ、KDDI
(2)細マッチョ型:営業利益増加 従業員減少
東証1部に占める割合は9.6%
代表は、キッコーマン、大成建設、地所
(3)ダイエット型:営業利益減少 従業員減少
東証1部に占める割合は1.5%
代表は、NEC、東急
【生産性低下の3類型】
(1)ゆるみ型:営業利益増加 従業員増加
東証1部に占める割合は20.5%
代表は、キリン、電通
(2)たるみ型:営業利益減少 従業員増加
東証1部に占める割合は24.1%
代表は、ヤマト、紅、関電
(3)激やせ型:営業利益減少 従業員減少
東証1部に占める割合は9.6%
代表は、東電
銘柄をタテに追う動きとヨコに追う動き。
企業を追うか、株価を追うかと言い換えても良いだろう。
一般的には、ヨコに追う動きが多そうだが、実利は、タテに追う動きに分がアル様な気がする。
そもそも・・・。
企業は、日々活動し進化しているが、そのスピードは1日で変化するほどのものでもない。
どこかで解釈を間違えたり、早とちりするのは市場の常だろう。
だったら、一度人気化した銘柄の株価が止まった時点で注目するという投資法もありだろう。
「一度、ストップ高をした銘柄は、いずれもう一度ストップ高をする」という格言。
「一度、反応した材料はもう一度反応する」。
そう考えると株式市場はそんなに難しい場所ではない。
大した場所でもないのに、ややこしい場所に見せようする市場関係者がいるからややこしくなる。