6月9日、走行中の東海道新幹線「のぞみ265号」で刃物を持った男が突然乗客に切りつけ、男性1人が死亡、女性2人が重傷を負うという事件が起きた。
今回の事件はJR東海にとっては想定外の事であっただろう。なぜならば、JR東海は、この事件の4日前に300人以上が参加する大規模な訓練を行っていた。
また「乗車中のお客様が死傷に至る列車事故ゼロを継続している」として高い安全性をアピールしている。
だが、3年前には、走行中の東海道新幹線で焼身自殺がを図り、巻き添えとなった女性が1名亡くなるという事件も起きている。
もはやこのようなテロ行為は「想定外」の事態とは言えない。
航空機並みの保安検査を。という声も上がったが、1日45万人以上の新幹線の乗客に実施するのはかなり困難だろう。
海外では、乗車、発車後にランダムで検査を行う事で、一定の抑止効果が上がっている。
検査には専門的な要員が必要になるが、専門的なセキュリティ要員がいる事で新幹線の利便性を確保した上で、安全性を高める事が出来るかもしれない。
今回の事件を受けて、「国土交通省が鉄道各社に警備の強化や警察との連携、列車内の防犯カメラや非常通報装置を利用し安全確保に努めるよう呼びかけた。」と報道された。
この事件をきっかけに、株式市場では警備関連の銘柄が動意づいている。
アール・エス・シー(4664)
警備中堅の総合ビル管理会社。警備、清掃、設備管理を結合している。 事件後の11日は株価がストップ高になるなど連想買いが入っている。
チャート出典:ストックウエザー株式会社
セコム(9735)
警備最大手。警備拠点の数が日本1位。日本国内の他、海外にも事業展開。警備・防犯機器等の研究開発等も行う。
チャート出典:ストックウエザー株式会社
CSP(9740)
警備サービス3位で、ガードマン派遣による常駐警備主体。JR東日本向けサービスが2割強となっている。
チャート出典:ストックウエザー株式会社
JR東海は、17年12月に保有する新幹線車両のうち9割で防犯カメラの設置が完了し、20年度初めには全編成への整備が完了する見込みと発表されたばかりだったが、残念なことに、事件の起きた客室内にも防犯カメラは設置されていた。
現実に繰り返されている事件をふまえ確固たる安全対策を講じてほしいものだ。
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