2017年は、郵便はがきや宅急便の値上げなど、生活に身近なものの値上げが続いた。
原材料価格の高騰と人手不足による人件費高騰は依然として続いており、来たる2018年にも、既に多くの商品やサービスが値上げを予定している。
日銀は、引き続き物価目標2%を目指しており、今後も様々な商品やサービスの値上げ傾向は続くだろう。
値上げの有無で銘柄間の収益、株価とも二極化する可能性がある。
株価に大きく反応する銘柄もあり注目できそうだ。
下記に、2018年の代表的な値上げするものをまとめてみたので紹介しよう。
1月 小麦粉、ミックス粉
日本製粉、日清フーズなどが1月4日出荷分から家庭用小麦粉(約1〜3%)、ミックス粉(約2〜4%)を値上げする。 影響がある代表的銘柄は、
日清製粉グループ本社(2002)やてんやを運営する
ロイヤルホールディングス(8179)だろう。
その他、丸亀製麺などを展開する
トリドール(3397)など、うどんなど小麦粉を使用する産業に影響がありそうだ。
2月 燃料サーチャージ
年4回の見直しが入るサーチャージ。直近の原油価格上昇と円安傾向からサーチャージも値上げとなっている。
ANAホールディングス(9202)、
日本航空(9201)をはじめ、旅行関係銘柄に影響がありそうだ。
3月 ゆうパック
日本郵政(6178)2017年9月に基本運賃を2018年3月1日から平均12%上げると発表した。 2017年10月には
ヤマト運輸(9064)が140円〜180円、11月には佐川急便が60円〜230円と値上げをしてきた。 これで、宅配大手3社の足並みが揃うこととなる。
4月 ビール
アサヒ(2502)、
キリン(2503)などビール大手4社が業務用ビールの値上げを発表している。 物流費の高騰に加え、2017年6月施行の改正酒税法で酒類の過度な安売りが規制されたのだ。値上げは実に08年2月以来約10年ぶりでビール大瓶の店頭価格で1割程度上がる見込みだ。また、輸入、国産ワインの一部も値上げが予定されている。
外食産業にとっても大きな影響が出るだろう。ビールメーカーのシェア争いにも巻き込まれ、苦悩は続きそうだ。
居酒屋業界では、業務用ビールの値上げを見越し、店頭での販売価格を改定している企業も出てきている。
鳥貴族(3193)では2017年10月から280円から298円に値上げ。
ユナイテッド&コレクティブ(3557)が運営する「てけてけ」では、11月に生ビールの価格を税抜199円から同240円に値上げを行った。
今後「居酒屋」離れが加速してしまうのか、注目が集まるだろう。
6月 引っ越し解約金
現状2割が解約金上限となっているが、5割に引き上げられる。 直前に解約する人が増えており、人手不足で人件費が上昇している引っ越し業界が、解約に伴う損失を減らす狙いがある。
引越し専業としては唯一、東証一部に上場している
サカイ引越センター(9039)がある。 引越し事業も行う
日本通運(9062)が注目される。
10月 タバコ
今後3年間で、1本あたり3円の増税を予定しているたばこ。早ければ10月から値上げとなる。 また、今まで税金が低かった加熱式たばこも増税の対象になりそうだ。
当然、国内シェアは約6割を持つ
日本たばこ産業(2914)は、注目であろう。
さて、2019年10月には、消費税増税10%が予定されている。その影響を受け様々な値上げがあるだろう。
生活の中で欠かせないものが続々と値上げされ家計への影響ははかり知れない。
また、値上げの影響で、企業の業績推移や株式市場も業界関係者も敏感に反応するだろう。
サービス・商品の消費者としてだけでなく、企業をよく知るために、『株式投資のイロハ!Eimei forスゴ得』から経済に対する知恵を見につけて欲しい。