続々と春の値上げラッシュが続いている。
特に4月は、食卓になじみのあるさまざまな食品が値上がりする。
値上げの有無で銘柄間の収益、株価とも二極化する可能性がある。株価に大きく反応する銘柄もあり注目できそうだ。
下記に、4月に値上げするものをまとめてみたので紹介しよう。
納豆
「おかめ納豆」(タカノフーズ)は、27年ぶりに出荷価格が最大で20%の値上げを行う。
大豆の輸入価格が、2001年から2017年で1.7倍(輸入商社と卸での取引価格)となったほか、物流費がのしかかった。
ヨーグルト
また、「明治ブルガリアヨーグルト」が、希望小売価格を10円下げて、容量を50グラム減となる。実質の値上げである。
こちらも原材料価格や物流費上昇が大きく影響した。
お菓子
亀田製菓(2220)の「ハッピーターン」「ぽたぽた焼」などの6商品も価格を据え置きながら容量を減らし、実質的な値上げを行う。
ビール
アサヒ(2502)、
キリン(2503)などビール大手4社が業務用ビールの値上げを発表している。 物流費の高騰に加え、2017年6月施行の改正酒税法で酒類の過度な安売りが規制されたのだ。値上げは実に08年2月以来約10年ぶりでビール大瓶の店頭価格で1割程度上がる見込みだ。 また、輸入、国産ワインの一部も値上げが予定されている。
外食産業にとっても大きな影響が出るだろう。ビールメーカーのシェア争いにも巻き込まれ、苦悩は続きそうだ。
居酒屋業界では、業務用ビールの値上げを見越し、店頭での販売価格を改定している企業も出てきている。
鳥貴族(3193)では2017年10月から280円から298円に値上げ。
ユナイテッド&コレクティブ(3557)が運営する「てけてけ」では、17年11月に生ビールの価格を税抜199円から同240円に値上げを行った。
今後「居酒屋」離れが加速してしまうのか、注目が集まるだろう。
タバコ
画像出典:日本たばこ産業より
日本たばこ産業(2914)は、旧3級品と呼ばれる「わかば」「エコー」など紙巻きたばこ6銘柄が4月1日から1箱40円の値上げする。
安い葉タバコを使っている旧3級品は、税率が低めに設定されていたが、この特例が廃止され段階的に税率が引き上げられる。
牛丼
すき家を運営する
ゼンショーホールディングス(7550)は、2017年11月に値上げを実施している。
吉野家ホールディングス(9861)は、2月28日から通販用牛丼パック「ミニ牛丼の具」等を値上げしている。
牛丼チェーン「
松屋フーズ(9887)」が牛めし(並盛)を30円値上げして320円となる。4月3日から。定食やカレーなどのメニューも10〜50円値上げする。
吉野家が通販だけでなく実店舗が、今後値上げを行うのか注目されるだろう。
電気と都市ガス
電力大手10社と都市ガス大手4社は、4月分の電気と都市ガスの料金を一斉に値上げする。
全社値上げは2か月連続で、液化天然ガスの価格上昇などを反映した。
東京電力(9501)や
東京瓦斯(ガス)(9531)に直接影響がありそうだ。
春からの値上げは生活に関わるものばかりである。
人手不足を背景に人件費、物流費が高騰し、価格に転嫁せざるを得なくなった構図であるが、企業にとっては、難しい決断であったであろう。
サービス・商品の消費者としてだけでなく、企業をよく知るために、『株式投資のイロハ!Eimei forスゴ得』から経済に対する知恵を見につけて欲しい。