政府は、「日本再興戦略2017(成長戦略)」においてシェアリングエコノミーを重点施策として位置づけている。
シェアリングエコノミーを推進する自治体「シェアリングシティ」を増やす具体的目標を掲げるなど注目が集まっている。
GDP600兆円の実現に必要な施策と位置づけられるのがシェアリングエコノミーの促進が複数の施策で言及されている。
インターネット上のマッチングプラットフォーム(結びつける環境や基盤)を介して他の個人等も利用可能とする経済活性化活動」と位置付けられ、政府もルールの整備などを通じ推進している。
出典:政府CIO シェアリングエコノミー促進室より
具体的なシェアリングエコノミーの対象としては、
1.空間(家、農地、駐車場、会議室)
2.モノ(フリマ、レンタルサービス)
3.移動(カーシェア、ライドシェア)
4.スキル(家事代行、介護、育児、知識、料理)
5.お金(クラウドファンディング)
などが挙げられる。
シェアリング・エコノミーサービスの例
空間×シェア
出典:総務省:CtoCサービス 第2節 スマートフォン経済の拡大をもたらす新サービス群より
シェアリング・エコノミーサービスの例
モノ×シェア
出典:総務省:CtoCサービス 第2節 スマートフォン経済の拡大をもたらす新サービス群より
シェアリングエコノミー市場は、2015 年度の約285億円から2020年度には600億円に拡大するとの予測もある。
シェアリング・エコノミーの
国内市場規模推移と予測
出典:総務省:CtoCサービス 第2節 スマートフォン経済の拡大をもたらす新サービス群より
11月6日に、ANAホールディングス (9202)は、Peach Aviation株式会社、民泊大手Airbnb Japan株式会社の3社で、新しい旅行スタイルの普及と拡大におけるマーケティングについて、パートナーシップ契約を締結したと発表した。
各社のマーケティング力を活用し、国内の新しいユーザー層へ「新しい旅のスタイル」を提案し、国内旅行に対する興味や新しいニーズを喚起していく予定です。さらに今後、全国に多彩なライフスタイルを広めることによって、地方経済の活性化などにも力を注ぐと言う。
出典:ANA|プレスリリースより
さらに、2020年には東京オリンピックが控えていることもあり民泊に注目が集まっている。
ある調査会社でも、訪日外国人客の増加が見込んでおり、こうした訪日外国人客が、民泊、オンライン駐車場予約サービス、ライドシェア、オンラインマッチングサービスなどのサービスを利用していくと予測している。
最近では、宿泊場所をシェアする民泊だけでなく、様々な分野で「シェアリングエコノミー」が広まっている。
株式市場でも、シェアリングエコノミー関連銘柄に目が離せないだろう。
民泊関連銘柄で注目されるのは、インベスターズクラウド(1435)は、民泊向けのリノベーションサービスを開始している。
シノケングループ(8909)は、関連会社のプロパスト(3236)と共同で民泊プロジェクトを企画した。社有物件を活用し「民泊用マンション」を稼動し需要の取り込みに動いている。
カーシェアリングでは、DeNA(2432)は、カーシェアリングサービス、空駐車場「アキッパ」に資本出資している。パーク24(4666)無人駐車場コインパーキング大手、レンタカー、カーシェアリングサービス提供している。
その他では、ALSOK(2331)は、空き家の現場状況確認と投函物の回収・整頓等をおこなう「HOME ALSOKるすたくサービス」を提供している。その「HOME ALSOKるすたくサービス」の利用を検討するお客様へ、空き家となった期間の駐車スペースを有効的に活用し、カーシェアリングの車両ステーションとするご提案をタイムズ24とともに実施している。
また、クラウドワークス(3900)のサービスは無形の技術・スキルを他者へ貸し出すサービスしている。
シェアリングエコノミーは、日本でも定着してくるだろう。市場規模拡大が予想されるなか、それらと提携関係にある企業を中心に関連銘柄を探る動きが加速しそうだ。