株式投資で大切なことは「原典」にあたることです。
新聞や雑誌などでさまざまな報道がされますが、いずれもニュースソースがあります。
であれば他人の解説で株式売買を決心するのではなく、実は脚色されていないものを見ることが重要でしょう。
一番役に立つのは首相官邸や各官庁のホームページです。
多くの株式材料の原典の宝庫です。バイオでもIoTでもサイバー関連でも何でもあります。
株式市場は政策を重要視する場所です。
相場格言に「
国策にウリなし」とあります。
例えば、東京オリンピック・パラリンピック(オリ・パラ)という素材に対して登場してくれるのは、首相官邸の「2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて〜2020年とその先へ」という内閣官房東京オリピック・パラリンピック推進本部事務局の資料があります。
内閣官房内閣広報室 首相官邸ホームページ資料より
https://www.kantei.go.jp/jp/headline/tokyo2020/torikumi.html
「世界の注目が集まる、2020年、夏。
大会の成功のために。 そして、次の世代へつながるレガシーが生まれるように」。
何となくワクワクしてきませんか。
そして株式市場の見方とチョッと違っているのはオリ・パラへの具体的取組です。
株式市場で考えられているゼネコンやセメント、広告などの世界とはだいぶ違う風景となっています。
(1)安全・安心:大会の熱狂や感動の基礎となる「安全・安心」の確立
2020年の東京大会の安全・円滑な準備及び運営を確保し、アスリート、観客及び国民が安心して大会を楽しむことができるよう、セキュリティ対策を推進します。
ここには電力・鉄道・通信等の重要サービスの継続確保、テロ対策、サイバーセキュリティ対策、国土強靭化なども加わっています。
(2)輸送:円滑な輸送と市民生活の適切な共存
アスリート、観客等の円滑な輸送を実現し、同時に経済活動や市民生活への影響の最小化を目指します。
ここには首都高速や臨港道路の整備、バイオカードや顔認証技術、再生可能エネルギー、自動走行技術なども含まれます。
(3)暑さ対策:暑さが厳しい日本の夏。街づくりの一環としての「暑さ対策」を推進
暑さが厳しい時期に開催される2020年東京大会において、アスリートが最高のパフォーマンスを発揮し、観客等が過ごしやすい環境で観戦できるよう暑さ対策を進めています。
また、夏季に訪日する外国人や障害のある人が安心して滞在できる環境を整備します。
いうまでもなくここには熱中症対策、予報など情報発信、救急医療関連、気象情報関連などが含まれます。
(4)スポーツ:「スポーツ」の力で日本に感動・勇気・活力をもたらす
国民に夢と希望を届け、チャレンジする勇気や活力を社会全体にもたらすトップアスリートの育成・強化を図ります。
2020年東京大会を契機として、スポーツを「する」「みる」「ささえる」ことで全ての人がスポーツの価値を享受できる環境を整備します。
当然ながら、国立競技場の整備やメダル獲得に向けた競技力強化、スポーツ振興が含まれます。
(5)共生社会:多様な個人の力を日本の活力に。 誰もが活躍できる「共生社会」を実現
「パラリンピック」という名称が初めて使われた1964年東京大会は障がいのある人々の社会活動参画を促しました。
2020年東京大会を契機として、障がいの有無にかかわらず、誰もがいきいきとした人生を享受することのできる共生社会の実現に向けて社会的障壁の除去に取り組みます。
国民に夢と希望を届け、チャレンジする勇気や活力を社会全体にもたらすトップアスリートの育成・強化を図ります。
2020年東京大会を契機として、スポーツを「する」「みる」「ささえる」ことで全ての人がスポーツの価値を享受できる環境を整備します。
ココには心のバリアフリーやユニバーサルデザインの街づくりなどが含まれます。
内閣官房内閣広報室 首相官邸ホームページ資料より
■これら5つの課題の先にあるのは「文化を通じた機運醸成とレガシー創出に向けた「beyond2020プログラム」の推進。
オリンピック・パラリンピックは、文化の祭典でもあります。
地域性豊かで多様性に富んだ日本文化の魅力を国内外に発信し、日本全国の機運を醸成すると共に共生社会、国際化に繋がる、次世代に誇れるレガシーを創出します。
その中には「食」のテーマもあります。
日本の「食」をオールジャパンで、世界へアピールする方向です。
そして「ホストタウン」。
地域のグローバル化、活性化に向け、「ホストタウン」を全国に展開しています。
ココには「復興ありがとうホストタウン」や「共生社会ホストタウン」などが含まれています。
内閣官房内閣広報室 首相官邸ホームページ資料より
「2020年とその先へ。 政府は取組を加速していきます」という言葉は響きませんか。
というよりは、巷で言われている「オリ・パラ関連」というものとは違った世界や風景が見えてきませんか。
オリ・パラだからスポーツ、都市開発、インフラ整備、警備、スポーツ用品、広告なんて市場的単純さではよく見えなくなってしまいます。
オリ・パラは国家的行事です。全体でわずか2か月あまりのイベントですが、国家の政策の多くを盛り込んだ未来創造なのです。
1964年に東京オリンピックが開催されてから、日本は高度成長の最盛期を迎えました。
当時も国策てんこ盛りで今の日本の繁栄や生活の便利さにつながる多くのものがレガシーとして残されました。
たぶん今回もそういう格好で22世紀に向けた日本が登場してくるハズです。
たっだら、その風景は相場を通じて感じてみることも悪くはないでしょう。
オリ・パラが終わるとその国の景気や株式市場は頂点を迎えるというアノマリーなど、きっとどこかへ消えてしまうに違いありません。
そういえば・・・。
4月に米ジョージア州オーガスタ・ナショナル・クラブで男子ゴルフの世界最高峰、マスターズトーナメント開催されました。
タイガー・ウッズが14年ぶりに優勝しました。
彼とスポンサー契約を結んでいるナイキの株は翌日1%近く上昇したのをご存知ですか。
ゴルフ用品のキャロウェイ・ゴルフは1.45%、タイトリストブランドのゴルフ用品のアクシネットは1.65%上昇しました。
スポーツと株というのは結構結びつきが強いようです。
では、日本株のオリ・パラ銘柄群は具体的どうなるでしょうか。
(1)安全・安心
PCIホールディングス(3918):サイバーテロ予防ソフト「アップガード」を販売
セグエグループ(3968):セキュリティ製品
アドソル日進(3837):インフラ関連大規模システムの開発
デジタル・インフォメーション・テクノロジー(3916):サイバーテロ防止ソフト
アイビーシー(3920):IoTセキュリティサービス
綜合警備保障(2331):警備サービス
ジャパンエレベーターサービスホールディングス(6544):エレベーターの保守点検
日本信号(6741):駅のホームドア関連
(2)輸送
京浜急行電鉄(9006):羽田からのアクセス路線
NEC(6701):顔認証
エボラブルアジア(6191):航空券予約サイト「エアトリ」
エーアイ(4388):自動音声
インテリックス(8940):インバウンド用ホテル
ロゼッタ(6182):人工知能とWeb検索活用の自動翻訳サービス・ソフト
ワイヤレスゲート(9419):公衆無線LAN、WiMAXサービス
日新(9066):五輪関連入場検査機器、カメラ機材など運送経験
日本サード・パーティ(2488):ヒト型ロボットのソフト
(3)暑さ対策
小林製薬(4967):熱冷ましシート
花王(4452):日焼け止め
カンロ(2216):塩飴
マンダム(4917):制汗剤
渋谷工業(6340):清涼飲料ボトリングシステム
江崎グリコ(2206):アイスクリーム
エムティーアイ(9438):ゲリラ豪雨検知アプリ
ファーストリテイリング(9983):夏物衣料
(4)スポーツ
ヒビノ(2469):五輪会場映像
ヨネックス(7906):バド・テニス用品等
アシックス(7936):スポーツジューズ等
セレスポ(9625):スポーツイベント等の企画・設営
サニーサイドアップ(2180):企業PRや販促支援
朝日ラバー(5162):卓球用ラバー大手
(5)共生社会
ウェルビー(6556):就労移行支援事業、療育事業
イーエムネットジャパン(7036):ディスプレー広告、SNS広告
ヒューマン・アソシエイツ・ホールディングス(6575):メンタルヘルス関連
LITALICO(6187):就労支援
寿スピリッツ(2222):菓子、土産物
日清食品ホールディングス(2897):世界に誇るカップラーメン
キッコーマン(2801):世界に誇る醤油
太平洋セメント(5233):小会社が視覚障害者誘導用ブロック
素直な感受性に分があると信じたいものです。
自分で見聞きしたもの、自分で感じたものこそ相場観です。
他力ではなく、自力。
依存ではなく、自立。
ココを取り違えないようにしましょう。
みいつけた!
この中からテンバガーを狙える銘柄を。
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