乳児用液体ミルクの国内販売が、今夏にも解禁されそうだ。
国内では、液体ミルクの規格基準がなく各メーカーが販売を行っていなかったが、 18年3月に厚生労働省の専門家部会で、製造や保存方法の基準を盛り込んだ省令改正案を示し、了承された。
今後、健康影響評価や一般からの意見公募を経て、今夏にも省令が改正される見通しである。
液体ミルクは、粉ミルクのように冷ます必要もなく、手軽に扱えるので負担が少ない。特に災害時にはとても役立つだろう。 常温で一定期間保存できることから災害時の備蓄としての利用や、育児負担の軽減につながると期待されている。
半面、粉ミルクに比べ割高であり、飲み残しの放置で雑菌が増えるなど衛生面の問題がある。
海外では、特に北欧の普及率は高く利用されている。
液体ミルクの注目が集まるきっかけは熊本地震であった。
災害時に断水が続き、配給される水を沸かし、粉ミルクを溶かして飲ませていた。 その時に、フィンランドから支援物資として届いたのが液体ミルクだった。 水を使わなくてよく、実際に使用した方の便利という声が多くあり、乳児用液体ミルクへの関心が急速に高まった。
日本でも規格基準が整備され、各メーカーが開発に参入してくれば国内でも普及してくるかもしれない。
国内で粉ミルクを製造するメーカーは、 ・明治ホールディングス<2269>
・森永乳業<2264>
・雪印メグミルク<2270>
・江崎グリコ<2206>
※関連子会社
・アサヒグループホールディングス
※グループ会社
の5社である。
明治ホールディングス(2269) 東証1部
チャート出典:ストックウエザー株式会社
江崎グリコ (2206) 東証1部
チャート出典:ストックウエザー株式会社
市場ニーズから生まれた商品であるだけに、各メーカーの取り組みに注目したい。
今後の道のりはまだ長いが、省令が改正され、公的な補助などの後押しがあればビジネスチャンスは広がるだろう。
また、国内だけでなく海外向けに輸出するなど、市場は広がりそうだ。
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