毎日コラム
超高齢化到来で求められる企業
株式投資で大きな成果を享受したいなら、今後の社会がどのように変化し、その中でどういったビジネスのニーズが拡大するのかを想像してみよう。 
注目されるのは、超高齢化社会の到来によって関連業界のビジネスチャンスは拡大するだろう。 

世界でも類を見ない高齢化社会になっている日本は25年に総人口の30パーセント超が高齢者になると言われている。 
国立社会保障・人口問題研究所が公表している「日本の将来推計人口」によると、我が国の2020年の高齢者人口は3612万人に達すると推計されている。 

統計からみた我が国の高齢者(65 歳以上)
- 総務省統計局資料より

超高齢化社会の到来によって、訪問介護・在宅診療サービス、通所介護サービス、入浴サービス、福祉タクシー、有料老人ホーム、グループホーム、高齢者用診療・介護サービス付きマンション、福祉介護用品・機器(歩行補助用具、介護ベッド、電動三輪車、移乗・入浴・排泄補助機器など)、高齢者や介護士の筋力を補助するパワーアシストスーツ、寝たきり高齢者の見守りシステム、高齢者の体調管理や徘徊防止のウェアラブル端末、医療費削減に向けたジェネリック(後発)医薬品、買い物困難高齢者向け宅配弁当・食材などがあり、さまざまな関連業界の市場拡大が予想される。
在宅患者や要介護者数の増加が見込まれるなかで、宅配サービスの需要も高まってくることが予想される。特に、薬局の数が少ない地方においてその重要性が高まるものと思われる。 
高齢者向けの市場は約101.3兆円、そのうち医療や介護などの市場は約50.2兆円と推測されている。 

なかでも注目されるのが、メディカルシステムネットワーク<4350>は、在宅医療向けサービスの取り組みとして、2016年5月に発表した日本郵便との協業による「処方薬等の宅配サービス」「買い物支援サービス」を一部地域で進めている。 
薬局の数が少ない地方においてその重要性が高まるだろう。 
こうした宅配サービスの取り組みは、業界でも同社が先行して進めており、今後の調剤薬局事業の競争力並びに収益力向上につながる取り組みとして話題になっている。

チャート出典:ストックウェザー株式会社

幸和製作所<7807>は、中小企業庁が公募した「平成30年度戦略的基盤技術高度化支援事業」に「座らせきり介護ゼロを目指す自立支援型転倒防止ロボット歩行車の研究開発」が採択されたと発表している。 
歩行車に重心偏倚抑制機能を付加し、歩行中の転倒に対応することで、被介護者が付き添いなしで安全に歩行することを実現。これにより介護者と被介護者の数の比率を下げ、利用できる施設を増やすことを目的としているという。

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リハビリ支援ロボットのレンタルを開始するトヨタ自動車<7203>にも注目だろう。 
トヨタ自動車(愛知県)と藤田保健衛生大(同)が共同開発したリハビリ歩行支援ロボット「ウェルウォーク」を伊予病院がリハビリ支援ロボット導入するNEWSがあった。 

ウェルウォーク WW-1000のご紹介 トヨタ自動車 IR資料より

ウェルウォークは、脳卒中などによる片まひで歩行困難な患者らの下肢機能回復に向けたリハビリ機器。転倒防止ハーネスで体重を適正に支え、まひした脚に装着した「ロボット脚」などで脚を前方に振り出したり膝を伸ばして体重を支えたりする動作を補助するそうだ。

チャート出典:ストックウェザー株式会社

ロングライフホールディング<4355>は、施設型介護を主力に、在宅介護や介護専門学校など介護サービス事業を手掛けており、富裕層をターゲットとした会員制リゾートホテルなども国内外で運営し業容を拡大している。 
リゾートホテルは函館、由布院、石垣島、箱根のほか、海外へも展開しており、中期成長期待が大きい。また、介護のノウハウを積み重ね、日本のケアサービスを中国で展開するという経営戦略にも将来性を見出すことができうだろう。

チャート出典:ストックウェザー株式会社

さらに、注目を浴びるのは、「終活」ビジネスだろう。 
「終活」という言葉を、よく耳にする。「終活」とは、「人生の終わりのための活動」。 
いわゆる残りの人生をよりよく生きるために葬儀の進め方から墓、遺言や遺産相続などを、元気なうちに準備すること。 
全国各地で開かれている終活セミナーはどこも盛況だ。 
「終活」総合企業を目指している鎌倉新書<6184>に注意したい。 

仏壇・仏具業界向け出版社として1984年に創業、現在も『月刊仏事』をはじめ供養関連の出版物を刊行する。同社の主力事業はインターネットのサイト運営だ。

チャート出典:ストックウェザー株式会社

「いい葬儀」「いいお墓」「いい仏壇」という三つのポータルサイトが主軸。 
「終活」に特化したサイト「セラヴィ」を開設している。健康や医療、介護を含めた、ライフエンディング関連の情報を提供している。 

ひと昔前までは、自分が生きているうちに葬儀などを考えるのは、縁起が悪いような風潮があった。 
しかしながら、沢山の情報に囲まれている現在は、凝り固まった価値観や家族の形も多様化され、明らかにライフスタイルが変わってきている。 
高齢化とともにこうしたニーズはさらに増えるだろう。
他にも注目される企業は沢山ある。 
「シニア・高齢者マーケット」の重要性が増している。ビジネスチャンスは一段と拡大しそうだ。 

超高齢化到来により関連銘柄が拡がる一方で、競争激化も進むであろう。 
競合他社の動向についても注視しながら、お宝銘柄をゲットして欲しい。 

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