流通業界で人手不足が深刻化していることを受けて、需要が増加しているものがある。
今、急拡大で導入されているのがセルフレジ(セミセルフレジ)である。
セルフレジ(セミセルフレジ)は、商品のバーコード読み取りから袋詰め、会計まで一連の流れを消費者自身で行うレジのこと。“無人レジ”とも言われている。
店員がバーコードの読み取りまでを行い、お客は支払いのみを行うもの、商品の入ったかごをレジに置くだけで精算され支払いを行うものなどさまざまな種類がある。レジで待つ時間を短くできる。
セミセルフレジを導入することにより、お店側にとっては人時効率が向上する。
現金、クレジット、電子マネー、プリカ、ポイント支払いなど多様な決済手段に標準対応しており、、お客にとっては、従来に比べレジ待ち時間を短縮することができる。
大手ドラッグストアが2025年までに全国に展開する店舗へ無人レジを導入する計画や大手スーパーマーケットも無人レジ導入を拡大している。レジでキャッシング出来るシステムなど高機能化を目指す動きも加速している。
最近は、RFID(無線自動識別)タグを活用して商品を特定の場所に置く(入れる)だけで、支払い金額が提示されるシステムも普及している。
人材不足が叫ばれる様々な業界がセルフレジ導入に舵を切っていることから、市場は2018年以降急成長を遂げていくと予想されている。
株式市場でも改めてテーマ物色の対象として浮上する公算が大きいだろう。
関連有力銘柄としては、
ヴィンクス<3784>イオングループ向けなど流通向けを主力とするシステム開発会社で、無人店舗向けソリューションでは「ANY−CUBE」シリーズなど次世代POSシステムを展開、中国の貴州省に本拠を構えるドラッグストア企業と業務提携に動いており、業容拡大への思惑が膨らんでいる。
POSレジの世界シェアトップである
東芝テック<6588>POSシステム端末「TEC」や「TOSHIBA」ブランドで展開。国内5割。複合機も海外主軸に展開。セルフレジのシステム構築している
2013年からセミセルフレジを手掛ける
富士通フロンテック<6945>は、富士通系で金融向けに強みを持っていることで知られている。POSレジでも業界屈指の実力を有しています。
アドソル日進<3837>は、大企業向け大規模システム開発に強み持つ会社。IDカードを取り出してかざす必要のないハンズフリー認証システムを開発しており、カゴに入れたまま一括で精算するシステムへの活用が期待される。またIoT機器のセキュリティにも強みがある。
サインポスト<3996>は、金融機関・公共向けシステム開発コンサルをメインとする会社。AI事業も手がけており、SCSK(9719)と協業で小売向けレジ無人化事業に取り組む。棚からとった時点で商品を特定する「完全スルー型」レジなどの共同開発を進めている。
他は下記の通り
■セルフレジ関連銘柄
銘柄 |
主なサービス |
セブン&アイ・ホールディングス(3382) |
セブンイレブンでセルフレジを導入 |
フライトホールディングス(3753) |
RFID(無線自動識別)システムを開発 |
アルファクス・フード・システム(3814) |
最小サイズのセルフレジ「セルフショット」を販売 |
サトーホールディングス(6287) |
RFID(無線自動識別)システムで世界トップ |
日本金銭機械(6418) |
セルフレジと連動する釣銭機を開発 |
パナソニック(6752) |
セルフレジ「レジロボ」を開発 |
IDEC(6652) |
セルフレジ端末のバーコードリーダーを製造 |
オプトエレクトロニクス(6664) |
バーコードリーダーを製造 |
カーディナル(7855) |
セルフレジ用のICタグやRFID(無線自動識別)を開発 |
イオン(8267) |
イオンやマックスバリュでセルフレジを導入 |
アルテック(9972) |
コンビニのICタグを製造 |