老後の資金はどのくらい貯めておくべきか不安ですよね。
日本人の女性の平均寿命は世界一。
日本人の平均寿命は男性が80.98年、女性が87.14年と男女とも過去最高を更新したことが、厚生労働省の平成28年簡易生命表より明らかになっています。
長生きは嬉しいことである反面、先の見えない将来に「暮らしていけるだろうか」と不安を募らせている人も少なくないはずです。
派手な生活とはいかなくても、老後もささやかな楽しみは必要です。
美味しいものを食べたり、年に1回は旅行に行くようなゆとりのある老後のために、少しずつ貯金を始めている方もいるかもしれません。
しかし老後の資金を、貯金だけで備えるのは間違いです。
はっきりいって、貯金だけで老後の資金を捻出するのはまず難しいでしょう。
年金が枯渇するリスク、長生きするリスク、インフラが起こるリスクによって、大幅に足りなくなる可能性があるからです。
30代40代世代ならば時間があるのでゆっくり経験を積むこともできるでしょうが、50代の場合、残された時間はそう多くありません。
そのうえ、これまでは運用にあまり縁のなかった人が時世の流れによって運用を始める、ということも多いでしょう。
日銀がマイナス金利政策を実施してから1年余り。今や、1年もの定期預金金利が0.01%という銀行の店頭表示を見てもあまり驚かなくなっていませんか?
よく考えてみたら100万円を1年預けても金利は100円(税引前)。これでは、ほかの運用先を考えたくなるのも当然です。
少しでも高い利回りを得ようと注目されるのが、
株の配当金なのです。
株式投資には、配当や優待を狙う「インカムゲイン」投資と、値上がり益を狙う「キャピタルゲイン」投資の二つがあります。
「キャピタルゲイン」は株の売買による利益、「インカムゲイン」は株を保有することで得られる配当や優待を得ることによる利益です。
後者の「インカムゲイン」を狙う投資家にとっては、「配当」というものが重要になります。
銀行預金であれば預金利息、不動産投資で言えば家賃収入に当たります。
配当利回りというのはいわゆる、配当金を今の株価からみた時の効率を表し、主に「%」で表されます。
配当金収益だけでも、高配当銘柄なら年4%以上得られます。
100万円分の株で4%の配当金収入が安定的にあれば、年間4万円、5年間で20万円です。
定期預金とは比べ物にならないくらいお金が増えます。
高配当銘柄とは? 配当利回りはどう計算する?
配当とは、企業が株主に分配する利益で、投資家が保有する株数に比例して分配されるお金です。通常は決算時や中間期に分配されますが、特別大きな利益がある年には特別配当として上乗せされることもあります。
配当利回りとは、この配当を購入した株価に対してどのくらい受けられるかを示す数値で、
計算式は
配当利回り(%)=1株当たりの年間配当金額÷1株当たりの購入金額×100
となります。
つまり配当金額が同じなら、購入株価が高いと配当利回りは下がり、購入株価が低いと配当利回りは上がります。
証券会社のHPや株式情報サイトなどの株式ランキングサイトを見ると、定期預金金利が0.001%の現在にも関わらず、3%を超える配当利回りの企業は数百社とかなりあります
注意点は、配当利回りが高いという理由のみでその企業の株に手を出してしまうと、思いがけない株価の下落や減配、無配によって配当金受け取りが過少ないしはできなくなる可能性があります。
配当利回りだけを見ると目測を誤ってしまいます。高配当な上に業績も堅調な株を買うように十分注意しましょう。
さて、株式の配当金をおこづかいと捉える人も多いです。
株式の配当は、元本を削っているわけではないでしょう。しかし、老後資金を準備するのが目的であれば、分配・配当も含めて複利運用するのが理想でしょう。
老後資金として取り崩しの時期に入ったら分配・配当をうまく使っていくのも有効ですが、運用段階ではできるだけ手を付けないようにしたいです。
分配金をおこづかいと考えるのは、運用成果を判断するという面からも不適切です。
資産運用は複利で「売却益(損)」「税金」「配当・分配」を総合して判断するものです。
老後資金のゴールは、60歳〜70歳程度の方が多いでしょう。そこまでは手を付けないことを前提に資産運用していきましょう。