2017年12月8日に、安倍内閣の看板政策「人づくり革命」と「生産性革命」実現に向けた2兆円規模の政策パッケージを決定した。
これまでに固めた幼児教育無償化に加え、保育士、介護職員の処遇改善を明記している。
保育士は2019年4月から、月額3000円程度の賃上げを実施。勤続10年以上の介護福祉士は、月額8万円相当の「処遇改善」を行うと明示した。
新たな経済対策「人づくり革命」は、半ば選挙対策の匂いがする。
しかし「生産性革命」は、従来の延長線の強化に見える。
2020年度までの3年間を「集中投資期間」と位置づけ、賃上げなどに積極的な企業に対し、法人税などの実質的な税負担を軽減することや、設備投資にかかる固定資産税の負担を減免することなどを盛りこんでいる。
設備投資額の10%増加。18年度移行3%の賃上げを達成。
裏返せば「お金を使ってくれれば優遇する」ということになる。
さらに、Society5.0で登場したのは自民党も唱える「サンドボックス」。
「サンドボックス」とは、個別の企業を対象に規制緩和を行うこと。
規制を緩和して産業を興そうという目論見だろう。
画像出典:内閣府
Society 5.0は、サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより実現する。
ポイントは、「自動走行」、「遠隔医療」、「介護ロボット」、「5G」。
これに「ドローン」、「サイバーセキュリティ」、「G空間」、「ビッグデータ」、「インフラ整備」などが加わってくる。読み飛ばしてはいけない。
これまでも注目されてきた株式市場のテーマ株「人工知能(AI)関連銘柄」「ビッグデータ関連銘柄」「IoT関連銘柄」「ロボット関連銘柄」「ドローン関連銘柄」「自動運転関連銘柄」「バイオ関連銘柄」などがあった。それをまとめて「ソサエティ5.0関連銘柄」と呼べるだろう。
そのなかで、人工知能(AI)銘柄で注目企業は、
オープンソースやクラウド製品を開発・販売しているサイオス <3744>だろう。
システム障害回避ソフトが柱だが、人工知能(AI)開発にも注力している。
また、様々なAI関連企業とパートナー契約を発表している日本サード・パーティ <2488>も注目だ。
他では、ハーツユナイテッドグループ<3676>、ベリサーブ<3724>、アイサンテクノロジー<4667>、FRONTEO<2158>、ジグソー<3914>、ブレインパッド<3655>、データセクション<3905>、ロゼッタ<6182>などがある。
あらゆるモノが増えれば増える程、そのデータ量は膨大に膨れ上がるので、ビッグデータ無しでは不可能だろう。ビッグデータによって膨大なデータを保管でき、人工知能が分析や解析をすることでIoTとして機能する。今後のIoT時代に合わせ重要なポジションを担っているということだ。
ビッグデータを活用した企業向けの事業・業務改善支援を手掛けているダブルスタンダード (3925) が注目される。
最後に、研究開発業務に特化したファブレスメーカーのディジタルメディアプロフェッショナル<3652>だ。
GPU(グラフィックス・プロセッシング・ユニット)IPベンダーとして、OpenGL ES等の最新の業界標準に準拠したIP製品を提供し続けると同時に、高度なグラフィックス描画アルゴリズムのハードウエア化を実現した独自技術MAESTROを提供している。
デスクトップ並の高い画像表現力を長時間のバッテリー駆動を可能にする超低消費電力で実現する技術が認められ、任天堂の携帯ゲーム機3DSに採用されたほか、当社のGPU IPはコンシューマ製品をはじめとした多くの組み込み機器に搭載され出荷されている。
自動運転、ドローンなど、最新のエレクトロニクスにも応用利用期待されている。
有名な相場格言「国策に売りなし」がある。「国が行なおうとしている政策によって追い風を受ける株は買うべし」という意味。
市場規模の拡大と企業の成長が見込まれる、つまり株価が大きく上昇する可能性が非常に高いとことだろう。