国が注目しているのが「女性労働力」です。
「女性の活躍」のひとつの目標として、2020年までに議員や企業の管理職など「指導的役割」に占める女性の割合を30%まで引き上げるというものを掲げました(2012年の割合は11.1%なので、これはなかなかハードな目標です)。
このような目標に向かって具体的なアクションを引き出すために作られたのが、「女性活躍推進法」です。
厚生労働省から「女性活躍推進法」が施行されて以来2年が経過しました。
その間、「働き方改革」「健康経営」「女性躍進推進」の重要性と注目度が高まりを見せ、働く女性も増加傾向にあります。
安倍政権が目指す全ての女性が輝く社会は、「あらゆる人が様々な制約を乗り越えて自分らしく活躍できる社会」だと言っています。
女性の活躍が進むことで社会がより良くなる。その効果が出てくれば更に女性の活躍が進んでいく、するともっと効果が出てくる。
2012年度から経済産業省と東証は女性の活躍を業績向上につなげている企業を「なでしこ銘柄」として選出しています。
「なでしこ銘柄」は、経済産業省が東京証券取引所と共同で、「女性活躍推進」に優れた上場企業を「中長期の企業価値向上」を重視する投資家にとって魅力ある銘柄として紹介する事業です。選定企業への投資を促進し、各社の取り組みを加速化していくことを狙いとして、よりスタートしました。
選定は「女性活躍度」と「財務指標」の2段階で行われ、各業種から1〜4社が選定されます。
女性の活躍を推進することで、多様な市場ニーズに対応し成長力が高まり、経営や業績にも好影響を与えている。
こうした考え方から女性活躍は金融市場も注目するテーマになっています。
経済産業省は、東京証券取引所と共同で、女性活躍推進に優れた上場企業「なでしこ銘柄」を48社選定しました。
出典:経済産業省HP なでしこ銘柄レポートより
上のグラフからも、「なでしこ銘柄」のパフォーマンスはTOPIX平均を上回ることが分かります。
2012年度から2017年度まで6年連続で選定されている企業は、KDDI株式会社、東京急行電鉄株式会社の2社のみです。
東京急行電鉄(9005)の事例は、女性の働きやすい環境整備が進んだ結果、2017年度新卒総合職における女性比率は約4割となり、また、女性管理職の計画的な育成と登用に伴い女性リーダー層(基幹職と課長補佐)が86人と中期3か年経営計画開始時から2倍以上に上昇しています。
女性管理職の「メンター制度」の開始、同社初の企業主導型保育園の開設など新たな取り組みをしています。
女性従業員比率の向上を受けた卵巣がん、乳がん対策の強化や、LGBTへの理解促進、就業規則の見直しなど、多様な人材が心身ともに働きやすい環境作りを進めているほか、「第4回東急グループ女性管理職フォーラム」では「ベストプラクティス表彰」で5社を表彰し、当社だけでなくグループとして、さらなる推進に向けて優れた事例を共有しています。
女性の社会進出を手助けする企業群にもビジネスチャンスが巡るでしょう。
保育園に入れない待機児童問題がクローズアップされています。
また、教育出版大手ながら子育て支援事業も手掛ける学研ホールディングス <9470> なども注目です。
保育施設運営で業界最大手のJPホールディングス <2749> や事業所内保育所受託や保育園を運営するサクセスホールディングス <6065> 、首都圏中心に保育所などを展開するグローバルグループ <6189> 、保育園で体育指導を行う幼児活動研究会<2152>、乳幼児向け玩具などピープル<7865>が再度、関心を集めそうだ。
このほか家事代行を行うダスキン <4665>、グループ会社のカジタクが家事代行サービスを手掛けるイオン<8267>、「ニチイライフ」ブランドの家事代行サービスを展開するニチイ学館<9792>などにも妙味がでています。