スターバックスが、2020年までにプラスチックストローを段階的に廃止すると発表し話題となった。
直接口をつけて飲めるふたに変更する事で、年間10億本ものストローが削減できるという。
8月17日にすかいらーくHD(3197)が、2020年までに『全業態でプラ製ストローの廃止』と発表した。外食大手としては初の試みとなる。
まずは、約1370店舗を展開するファミリーレストラン「ガスト」で、ドリンクバーに常備しているプラスチック製ストローを年内に廃止する。
グループ全体では、国内3200店舗、2020年までには日本、台湾の全店舗で使用を取りやめる。
外食大手が動いた事で、今後他の企業にも広がる可能性がある。
このような発表の背景には、マイクロプラスチック汚染が挙げられる。
マイクロプラスチックとは、5ミリ以下の微細なプラスチックごみ。 プラスチックごみは、海を漂っている間に小さく、細かくなるが、いくら小さくなっても分解して無くなる事はないため、海の生き物がえさと間違えて食べてしまう。
クラゲが好物なウミガメは、人間が捨てたゴミ(ビニール袋やプラスチック)をクラゲと間違えて食べてしまう。
その結果、ウミガメは命を落としている。ゴミが動物たちに与えている影響も大きく、生態系破壊の原因にも繋がっている。
オーストラリアの調査では、海岸に打ち上げられたウミドリの体内から234個ものプラスチック片が出てきたと報道されている。
これらの現状を受け、プラスチック製品の使用禁止の波が世界的に本格化してきた。
ワシントン州シアトルで、プラスチック製のストローやフォークなどの提供を禁止する条例が施行された。
また、6月に行われたG7では環境問題の1つとして取り上げられ、プラスチックごみを減らす数値目標などを盛り込んだ「海洋プラスチック憲章」に日米を除く各国が署名した。
日本のプラスチックリサイクル率は77%という高水準ではあるが、深刻化する海洋汚染対策のため、日本でも微細なプラスチック粒子の使用抑制を企業に求める「海岸漂着物処理推進法改正案」が可決、成立された。
今回は、今後の動向が注目されるプラスチックごみ関連銘柄を紹介しよう。
カネカ(4118)
生分解性プラスチックの海洋分解の認証を取得。同技術で、海洋への投機・漂流の多い漁具や釣り具、藻場再生などの海洋資材への用途拡大に取り組んでいる。 プラスチックごみの削減に大きく寄与すると期待される。
チャート出典:ストックウェザー株式会社
リファインバース(6531)
産業廃棄物処理事業。オフィス用タイルカーペットなどの廃棄物再資源化で合成樹脂を製造販売している。 廃プラスチック類のリサイクル技術が強みで、注目される分野だろう。
チャート出典:ストックウェザー株式会社
いであ(9768)
環境コンサルと建設コンサルが柱。環境省からの業務受託も。 海洋環境調査技術、微量有害物質分析技術、生物毒性試験技術、シミュレーション技術など総合的なコンサルタントを行う。
チャート出典:ストックウェザー株式会社
スターバックスに続き、マクドナルドもプラスチックストロー廃止に動き出しており、環境の保全を目的に、プラスチック製ストローの提供をやめると発表している。
マイクロプラスチック削減に向けた動きは、まだ始まったばかりであり、今後の動向に注目したい。また、紙や木などのバイオマスを上手に使う技術や代替技術の開発も重要になるだろう。