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【市況】124ドル高、米利下げ再開を好感 |
18日のNYダウ工業株30種平均は続伸し、前日比124ドル10セント(0.26%)高の4万6142ドル42セントで終えた。5営業日ぶりに最高値を更新した。
米連邦準備理事会(FRB)は16、17両日に開いた金融政策会合で昨年12月以来、9カ月ぶりに政策金利の引き下げを決定。年内あと2回の会合で連続利下げに踏み切る見通しも示したことから、市場では景気浮揚につながるとの期待感が継続し、恩恵を受ける金融株などに買いが入った。
米半導体大手エヌビディアは3.5%高と相場をけん引した。経営難の同業インテルへの出資決定が好感された。
一方、この日朝方発表された米新規失業保険申請件数は13日までの1週間で前週比3万3000件減の23万1000件と、3週ぶりに改善した。利下げペースが想定よりも鈍るとの見方を背景に上昇した米長期金利が相場の重荷となり、ダウの上げ幅は次第に縮小した。
市場では、「1日たって市場参加者はFOMCの結果を好意的に解釈したようだ」との声が聞かれた。利下げが米経済を支えるとの観測から、内需の中小型株を中心に構成するラッセル2000株価指数は2.5%高の2467.69と、最高値を付けた。
18日発表の米指標が経済の底堅さを示したことも相場の支えとなった。9月のフィラデルフィア連銀景況指数はプラス23.2と8月(マイナス0.3)から改善し、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(プラス2.0)以上だった。個別項目では「新規受注」や「出荷」が上昇した。一方、「支払価格」や「受取価格」は減速した。
ダウ平均の構成銘柄ではないが、インテルが22.7%高で終えた。エヌビディアから50億ドルの出資を受け、共同でデータセンター向けとパソコン向けの半導体を設計・製造すると18日朝に発表した。業績が低迷するインテルの信用補完につながるとの受け止めから買いが膨らんだ。エヌビディアも3.4%高となり、ダウ平均を押し上げた。
中国勢との競争が激化する中、米国製半導体の先行きに対する期待が高まり、関連株に買いが集まった。ダウ平均の構成銘柄ではないが、半導体製造装置のアプライドマテリアルズ(AMAT)や半導体メモリーのマイクロン・テクノロジーなどが上げた。主要な半導体銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数は3.5%高の6278.163と、最高値を付けた。
その他のダウ平均の構成銘柄では、キャタピラーやアメリカン・エキスプレス、シスコシステムズなどが上げた。半面、ビザやユナイテッドヘルス・グループ、ベライゾン・コミュニケーションズは下げた。
ナスダック総合株価指数は3日ぶりに反発した。前日比209.399ポイント(0.94%)高の2万2470.725(速報値)で終え、3日ぶりに最高値を更新した。投資家向け説明会で前向きな見通しを示したクラウドストライク・ホールディングスが12.8%高となった。メタプラットフォームズも買われた。
S&P500種株価指数は前日比31.61ポイント(0.47%)高の6631.96で終え、3日ぶりに最高値を更新した。
【シカゴ日本株先物概況】
18日のシカゴ日経平均先物は上昇した。12月物は前日比1020円高の4万5595円で終えた。同日は日経平均株価やダウ工業株30種平均が最高値を更新しており、シカゴ市場の日経平均先物にも買いが活発となった。
シカゴ日経225先物 (円建て)
45595 ( +375 )
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
45685 ( +465 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
18日の英FTSE100種総合株価指数は続伸し、前日比19.74ポイント(0.21%)高の9228.11で終えた。17日に米連邦準備理事会(FRB)が市場の想定通りに0.25%の利下げを決めた。パウエルFRB議長は追加利下げに慎重な姿勢を示したものの、市場では利下げ余地が残るとの見方が根強く、投資家が運用リスクをとる姿勢を強めた。
英BPなど石油株、RELXやセージ・グループといったIT(情報技術)関連株が上げた。銀行株に買いが優勢だった。半面、製薬の英アストラゼネカなどヘルスケア関連やたばこ株、英ユニリーバといった日用品関連の銘柄に売りが出た。
英イングランド銀行(中央銀行)は18日、金融政策委員会の結果を公表した。政策金利の据え置きを含め、公表内容は市場予想に沿った内容だとして株式市場での反応は限られた。
FTSEの構成銘柄では、特殊化学品大手クローダ・インターナショナルが4.69%高、投資信託会社ポーラー・キャピタル・テクノロジー・トラストが3.44%高、医療・安全装置メーカーのハルマが3.36%高と上げを主導。一方、産金大手エンデバー・マイニングは3.93%安、18日に2025年2〜7月期決算を公表した衣料小売り大手ネクストは3.54%安、広告大手WPPは2.44%安と下落した。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
18日のドイツ株価指数(DAX)は続伸し、前日比315.35ポイント(1.35%)高の2万3674.53で終えた。17日に米連邦準備理事会(FRB)が市場の想定通りに0.25%の利下げを決めた。波乱なくイベントを通過し、米国での利下げ余地が残るとの見方も背景に安心感が広がった。
18日の米株式市場でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数が高く始まり、ドイツでもソフトウエアのSAP、半導体大手インフィニオンテクノロジーズが買われた。防衛大手ラインメタル、機器・システム大手の独シーメンスも上昇した。一方で、化粧品メーカーの独バイヤスドルフなど消費関連の一部銘柄が下落。独フォルクスワーゲン(VW)といった自動車関連の一角が下げた。
個別では、業務用ソフトウエア大手SAPが5.42%高、通販大手ザランドが5.30%高、コメルツ銀行が4.15%高と大きく買われた。半面、自動車部品大手コンチネンタルは、自動運転関連子会社の分離上場に伴い21.98%安と急落。化粧品大手バイヤスドルフは1.70%安、自動車大手フォルクスワーゲン(VW)も1.60%安で終わった。
■フランス・パリ株価指数
欧州株式市場でフランスの株価指数CAC40は3日ぶりに反発し、前日比0.86%高で終えた。
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