東京株式(前引け)=173円高と続伸 米半導体株高で 円安も支え
11日午前の日経平均株価は続伸し、午前終値は前日比173円86銭高の3万8385円37銭だった。
前日に続き買い優勢の地合いで日経平均株価は朝方に300円以上上昇し、3万8500円台まで水準を切り上げる場面があった。しかし、その後は上値も重く、徐々に上げ幅を縮小した。前日の米国株市場ではNYダウやナスダック総合株価指数など主要株価指数が揃って上昇し、東京株式市場でも半導体関連などを中心に買いが入り全体相場は上値指向を続けたが、3万8000円台半ばでは戻り売りに押された。米中貿易協議は一部合意がみられたとの報道もあったが、その内容ははっきりせず、米株価指数先物が冴えない動きとなっているのを横目に、東京株式市場でもポジション調整の売りが上値を押さえる格好となった。
東エレクやアドテストなどが買われ、指数の上げ幅は一時300円を超えた。外国為替市場で円相場が対ドルで1ドル=145円台まで下落したことも株式相場全体の支えとなった。
買い一巡後は、日経平均は伸び悩む場面が多かった。心理的節目の3万8500円近辺では利益確定目的の売りや戻り待ちの売りが出て指数の上値を抑えた。
市場関係者は「日米の貿易交渉は進展がみえないが、日本株は相応に戻ってきているので、上値では戻り待ちの売りが出ているのだろう」との見方を示した。
日銀が11日発表した5月の企業物価指数(速報値、2020年平均=100)は126.3と前年同月比で3.2%上昇したが、4月(4.1%上昇)から伸び率は鈍化した。「輸入物価を起点とする物価上昇が落ち着きそうということで、日銀が利上げを急いでやる状況でないことが確認された点は株式市場にとって多少ポジティブだったのではないか」とみていた。
後場の日経平均はプラス圏で推移しそうだが、前日同様上値の重い展開となるか。昨日の日経平均はTSMCの5月売上高の発表を受けて半導体関連株中心に軟調に推移したことで、午後の時間帯に急速に伸び悩む展開となった。心理的節目の3万8500円近辺では利益確定目的の売りや戻り待ちの売りが継続する可能性がある。
また、本日も引き続き米中貿易協議の行方や、15日から17日に開催される主要7カ国首脳会議(G7サミット)に合わせて開かれると見られる日米首脳会談の動向を見極めたいとして積極的に買い進む動きは想定しにくいだろう。
東証株価指数(TOPIX)は続伸した。前引けは0.75ポイント高の2786.99だった。JPXプライム150指数は続伸し、0.38ポイント高の1228.69で前場を終えた。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆9932億円、売買高は7億4857万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1136。値下がりは443、横ばいは50だった。
業種別では、サービス業、パルプ・紙、精密機器が上昇した一方で、その他製品、保険業、非鉄金属が下落した。
個別では、レーザーテック、ディスコ、アドバンテスト、東京エレクトロン、信越化、ソシオネクストなど半導体関連株が堅調に推移した。また、ソフトバンクグループ、ディー・エヌ・エー、トヨタ自動車、リクルートホールディングス、良品計画などが上昇した。そのほか、5月既存店が11カ月ぶりに2ケタ成長となった物語コーポレーションが大幅高、メディアドゥ、アステリア、日本マイクロニクスなどが値上がり率上位となった。
半面、三菱重工業が冴えず、IHIが大きく値を下げた。任天堂も売りに押された。三菱UFJや三井住友などの金融株のほか、東京海上ホールディングスが軟調、ソニーグループ、川崎重工業、任天堂、フジクラ、古河電工などが下落した。ほか、経営統合の一環となる割当増資実施による希薄化を懸念された日野自動車が大幅安、ポールトゥウィンホールディングス、三井E&S、グローバル・リンク・マネジメントなどが値下がり率上位となった。
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