東京株式(前引け)=395円高と続伸、米株リスクオンを引き継ぎ

9日午前の日経平均株価は続伸し、午前終値は前週末比395円48銭高の3万8137円09銭だった。
きょう前場はリスクを取る動きが終始優勢だった。前週末の米国株市場でNYダウやナスダック総合株価指数など主要株価指数が揃って大きく上値を追ったことで、市場センチメントが改善した。外国為替市場ではドル安・円高に振れており、これも半導体関連をはじめハイテク株などに追い風材料となっている。
日経平均は寄り付きでフシ目の3万8000円台を回復、その後は400円を超えて上昇する場面もあった。取引後半は伸び悩んだとはいえ、緩む場面では押し目買いが活発で3万8000円台で強調展開を続けた。
6日発表の5月の米雇用統計で非農業部門の雇用者数や平均時給の伸びが市場予想を上回った。米景気に対する懸念後退を受け、電気機器など輸出株が上げた。外国為替市場で円相場が1ドル=144円台に下落したことも買いを誘った。トランプ米大統領が9日に米国と中国の閣僚級会議を開くと明らかにし、貿易協議の進展期待も広がった。
香港ハンセン指数など週明けのアジア株が総じて上昇したことも支えとなった。
一方、日経平均が心理的な節目の3万8000円を上回ったことで利益確定売りも出やすく、上値が抑えられた。市場関係者は「トランプ米大統領が最初に強気に出て結局は譲歩する姿勢をみせていることから、相互関税が米経済に与える影響は限られるのではないかとの見方が市場で強まっている」と話した。
東証株価指数(TOPIX)は続伸し、前引けは17.51ポイント(0.63%)高の2786.84だった。JPXプライム150指数は続伸した。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆7728億円、売買高は6億5083万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は809。値下がりは748、横ばいは72だった。
後場の日経平均はプラス圏で堅調に推移しそうだ。前週末の米雇用統計の結果を受けて米景気減速懸念が和らいで投資家心理にポジティブに働いた。また、アジア市況では、香港ハンセン指数や上海総合指数など週明けのアジア指数が総じて上昇しており、投資家心理を下支えしている可能性もある。
そのほか、月末にかけては株主総会の集中日を迎えるが、企業側も株高をより意識するタイミングとみられ、ポジティブ材料の出現も期待しやすい局面であるといえる。本日もポジティブな個別材料が出た銘柄へ物色が活発している印象があるが、株主総会の接近を思惑視した物色などに注目しておきたい。
業種別では、医薬品、電気機器、サービス業が上昇した一方で、金属製品、パルプ・紙、鉄鋼が下落した。
個別では、レーザーテック、アドバンテスト、ディスコなど半導体製造装置関連が高く三菱UFJや三井住友などの金融株が堅調に推移。川崎重工業、フジクラも堅調。また、任天堂、ソニーグループ、サンリオ、ソフトバンクグループ(SBG)、ファーストリテイリングが高く、大塚ホールディングスも値を飛ばした。そのほか、5月既存店好調や決算受けたあく抜け感が広がったエターナルホスピタリティグループが大幅高、エイチームホールディングスが急騰、ブレインパッド、テラスカイも大幅高。ソシオネクストの上げ足も目立つ。
一方、三菱重工業、IHIはやや利益確定売りが優勢。三菱商事、メルカリ、トヨタ自動車、良品計画などが下落した。さくらインターネット、エムスリーも冴えない。
ほか、好決算発表も出尽くし感が強まる展開となったカナモトが急落、井関農機、三和ホールディングス、マーケットエンタープライズなどが値下がり率上位となった。
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